『勝ち過ぎた監督』 中村計
野球では無名であった駒大苫小牧を甲子園常連校に育て上げ、北海道勢として驚異の南北海道大会5連覇、夏の甲子園2連覇、3年連続決勝進出という記録を打ち立てた、監督・香田誉士史に迫ったドキュメンタリー。
夏の甲子園における降雨ノーゲームからの敗戦の裏側、その悔しさをバネにしての初優勝、そこからの苦悩の日々、不祥事によって歪んでしまったチームの内部事情など、勝つことを宿命とされた監督にしか分からない重圧が、鮮明に伝わってくる内容であった。
他のチームがやっていないようなことをやっていかないと、甲子園には出場できない。それが、「想定練習」であり、「雪上ノック」であった。
著者の中村計氏は、『甲子園が割れた日』、『早実vs駒大苫小牧』、『佐賀北の夏』など高校野球を題材にした作品を多く執筆されている。人脈を駆使した、多方面に渡る取材力にも感嘆の声をあげざるを得ない。
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