野球のレシピ

高校野球の指導者。本を読み、アウトプットをすることでインプットの質を高めていきたい。野球をはじめとしたスポーツ、組織論などの本が多くなります。 一冊の本を要点だけ絞ってかなり短くまとめていますが、書評として活用することもできます。ぜひ覗いてみてやって下さい。

野球のレシピ

高校野球の指導者。本を読み、アウトプットをすることでインプットの質を高めていきたい。野球をはじめとしたスポーツ、組織論などの本が多くなります。 一冊の本を要点だけ絞ってかなり短くまとめていますが、書評として活用することもできます。ぜひ覗いてみてやって下さい。

    最近の記事

    『明徳義塾・馬淵史郎のセオリー』 田尻賢誉

    2022年夏の甲子園で全国優勝を果たし、その後も2010年から2017年まで高知県大会を8連覇し、8年連続で甲子園に出場した明徳義塾高校の野球部監督・馬淵史郎氏の指導論を〝セオリー〟という形でまとめた一冊。 球界屈指の理論派で知られる馬淵監督であるが、勝つ確率を上げるためにここまで考えているのかと、甲子園で高い勝率を挙げている理由も頷けた。 試合の采配のことについてだけではなく、起用する選手の特徴、日頃の練習からこだわっていること、相手チームの観察や分析、リーダーとしての

      • 『木内語録 子供の力はこうして伸ばす!』 木内幸男、田尻賢誉

        2020年11月に亡くなられた高校野球界の名将・木内幸男監督であるが、その木内監督が2003年夏に常総学院を率いて夏の甲子園で優勝した後に刊行された一冊。 今となっては著名な高校野球ライターとなった共著の田尻賢誉氏ではあるが、この本が刊行された当時はまだ29歳で、ライターとしては拙さの残る文章もまた新鮮である。 木内監督の絶妙な采配や選手起用は「木内マジック」とよく呼ばれるが、そのマジックもしっかりとした根拠と理論に基づいていることが、この本からは分かる。 その采配がも

        • 『それぞれの甲子園』 元永知宏

          2020年、新型コロナウイルス感染症の拡大により、史上初、春・夏の甲子園が中止となった。その時、全国各地の高校野球部の監督は何を考え、どう行動したのか。 登場する学校は、仙台育英、佼成学園、済美、国学院久我山といった名の知れた強豪校から、神奈川県の県立校である市ヶ尾など、多岐にわたる。 また、甲子園で一躍ヒーローとなった「奇跡のバックホーム」で有名な元松山商業の矢野勝嗣氏にも取材を行い、甲子園について語ってもらっている。 第6章では、スカウトの立場からコロナで甲子園がな

          • 『多賀少年野球クラブの「勝手にうまくなる」仕組みづくり』 辻正人

            学童野球の全国大会に通算17回出場し、優勝回数も3回を誇る学童野球の名門・多賀少年野球クラブの監督、辻正人氏の著書。 滋賀県の多賀町という決して多く人が集まる土地柄ではないところに、どうしてこのような強豪クラブチームが誕生したのか。その秘密が明かされている一冊。 かつては、どこにでもいるような「試合は楽しく、練習は厳しく」という指導者であったという辻監督。その方針を大きく切り替え、子ども・親・指導者のストレスをなくす、楽しくて元気なチームを目指すという方針を打ち出したこと

            『全員補欠 全員レギュラー』 中山典彦

            2019年、2020年と『ベストコーチングアワード』の最高位である三ツ星を2年連続で受賞した埼玉県の中学硬式クラブチームの浦和ボーイズ。 2008年に4名からスタートしたチームであるが、2021年現在で、部員数は150名以上を数える。 その指導論は、これまでの少年野球クラブチームの常識を覆すもので、力量や人数を均等に分けてチームを組む、長時間練習はしない、父母会はなく、親の当番や係もないなど、勝敗にこだわらないチーム運営を行っている。 指導者の進路指導に対する考え方も明

            『甲子園!名将・馬淵語録』 寺下友徳

            2018年センバツ終了時点で甲子園通算50勝を挙げている高校野球界の名将・馬淵史郎監督の高校野球論をまとめた一冊。 かつては星稜高校の松井秀喜を5打席連続敬遠したことでも知られるが、高校野球についての考えや戦術・作戦などに関しては、書籍という形では大々的にオープンにされてこなかった。しかし、この本には著者と馬淵監督との信頼関係があるのであろう、指導論や采配・戦術にまで言及して述べられている。 どちらかというとヒール役なイメージが強い監督であるが、卓越した野球理論と根拠に基

            『人間性も野球も〝日本一〟』 田中辰治

            2022年4月より石川県の星稜高校野球部の監督として就任したのが、星稜中野球部を監督として2001年より率いている著者の田中辰治氏である。 中学野球界の名将として知られ、星稜中野球部を全国大会優勝4度、準優勝に2度導いている。その指導は、まず「人間形成」を第一としており、それがこの本のタイトルの〝人間性も野球も〟という順番につながっている。 中学生に指導するうえで大切にしていることや、野球における作戦・戦術についての考え方、また技術習得のコツや組織づくりのノウハウなど、本

            『マネジメント 基本と原則』 P.F.ドラッカー

            〝「マネジメント」の父〟とも呼ばれた経営学者、ピーター・ドラッカーの名著。 まだマネジメントの概念が定着していなかった1900年代半ばに、経営理論や組織管理について研究し、マネジメントには基本と原則があると提唱し、まとめたのがこの一冊である。 特徴的なのは、〝マネジメント〟のことをつねに一人称で表現しているところである。また、マネジメントの責任は成果をあげることであると、至るところで結論づけている。 また、人に対して行うことは、マネジメントをすることではなく、リードをする

            『変わりゆく高校野球 新時代を勝ち抜く名将たち』 大利実

            高校野球の歴史も100年を迎え、高校野球の在り方もずいぶんと変わりつつある。 中でも高校生を取り巻く環境は大きく変化し、スマホを持つことは当たり前、坊主は強制されず、幼少期に厳しく叱られることも少なくなった。それでも野球界で結果を出し続ける名将達に、今どきの中高生を相手にする時のポイントなどを聞いてまとめた一冊。 西谷監督(大阪桐蔭)、門馬監督(東海大相模)、鍛冶舎監督(秀学館)(※すべて取材当時)など、誰もが知っている名将から、中学野球界の名将猿橋監督(松島中)、原田教

            『実行力』 橋下徹

            弱冠38歳の若さにして大阪府知事となり、その後大阪市長も歴任し、大阪都構想の骨組みや実行プランを確立させた橋下徹氏の著書。 この本のテーマは、タイトルにもなっている通り〝実行力〟であるのだが、〝実行力〟を出すためには、まず組織の仕組みを変えていかなければならないという論調で話は進んでいく。 組織のリーダーに必要な考え方や、どうしても判断に困った場合の解決法、人事の考え方や、人に信頼される方法など、自身の経験を元にとても分かりやすく語られている。 など、リーダー達にありう

            『下克上球児』 菊地高弘

            2018年夏、三重県立白山高校は春夏通じて初となる甲子園に出場した。甲子園では初戦で西愛知代表の愛工大名電に完敗したが、三重の田舎の何でもない公立高校が強豪校相手に奮闘する姿は、多くの見る者に感動を与えた。 率いたのは、2013年に白山高校に赴任した東卓司監督。2007年から2016年まで10年連続夏の大会初戦敗退のチームを東監督はどのように甲子園まで導いたのか。 時には部員1人まで部員数が減り、廃部の危機にもなっていた野球部であったが、東監督の熱意ある選手への指導と熱心

            『あなたの人生がつまらないと思うんなら、それはあなた自身がつまらなくしているんだぜ。』 ひすいこたろう

            コピーライターであるひすいこたろう氏の著書。 ひすいこたろう氏の著書は、夢の叶え方や、幸せになる方法に焦点を当てたテーマの本が多いが、この本も物事の見方や発想を変えることで、世界は変えられることを述べている。 一人ひとりの悩みに答えるような形で文章が構成されており、例も非常に分かりやすいため、とても共感できる内容が多い。 「1年前に何を悩んでいたか、ほとんどの人は覚えていない」 「やり方が分かるようなら、それは夢ではなく、ただの予定」 「相手が間違っていると思う時、相手も

            『消えた甲子園 2020高校野球 僕らの夏』 朝日放送テレビ「2020高校野球 僕らの夏」取材班

            2020年5月20日、世界中を襲った新型コロナウイルスの感染拡大の状況を鑑み、夏の甲子園と地方大会の中止が決定された。 朝日放送テレビとテレビ朝日は、毎年共同で『熱闘甲子園』というドキュメンタリー番組を制作し、夏の甲子園の模様をダイジェストで放映している。そして、この甲子園大会中止の決定を受け、『熱闘甲子園』の放映もなくなった。 しかし、朝日放送テレビの取材班は、色々な意味で特別な夏を迎えることになった全国の高校球児の想いや、支えてくれた人達への感謝の気持ちを全国の人達に

            『そこそこやるか、そこまでやるか』 鍛冶舎巧

            社会人野球の松下電器で監督、専務役員を務め、その後、NHKの高校野球でお馴染みの解説者となった鍛冶舎巧氏が、2014年4月、熊本の秀学館高校の野球部の監督に就任した。 現在は岐阜の県立岐阜商業高校で監督を務める鍛冶舎氏であるが、以前は大阪の中学硬式野球チーム・オール枚方ボーイズでも指揮を執っていた。 その枚方ボーイズで12年間で12回の日本一を達成するほどの手腕を持った指導者であるが、秀学館でも3季連続甲子園でベスト4の成績を収めるなど一時代を築いた。 この本では、低迷

            『勝負の心得』 立浪和義

            2021年プロ野球シーズン終了後、中日ドラゴンズの監督に就任することが発表されたのが、この本の著者である立浪和義氏である。 この本の内容は、野球の技術的な話にはあまり特化しておらず、全てのビジネスマンに向けた内容となっている。 特に、立浪氏はPL学園から高卒でドラフトで中日に入団しているため、大学や社会人を経験していない。だからこそ、プロ野球を引退してから、「人間性」の大切さを身に沁みて感じている。 その「人間性」についても、挨拶をすることであったり、礼儀を大切にするこ

            『虹色のチョーク』 小松成美

            全国の学校で使われているチョークを製造している会社、日本理化学工業株式会社。この会社の特徴は、なんと言っても社員の7割が知的障がい者であることであろう。 現会長の大山隆久氏は、「褒められて、必要とされるからこそ、生きている喜びを感じることができる。人間の幸せは働くことによって得られる」と語り、障がい者雇用に力を入れている。 知的障がい者の方と健常者の方が同じ職場で働き、お互いの関わり方などで悩んだこともあったそうだが、社員一人ひとりの持っている特性や才能を伸ばせるような会