📒カタチのないものを整理した－SNS断捨離をした話－

部屋の掃除に衣替え。日常のことだけれど、たった一つ、ずっとさぼってきたことがある。それは、SNSのフォローの整理だ。

フォローをされたら、自らもフォローするのが礼儀だと考えていて、怪しい人でもない限り返してきた。そんなことを何年も続けていて、いよいよ心の限界がやってきたのだ。

何だか気が重い。

フォローの整理とか断捨離なんて書くと、人を『モノ扱い』しているような嫌な気分になる。確かに、考えようによってはモノ扱いかもしれない。しかしそれに勝るほど、自分の心が疲弊していた。例えるなら回転寿司だ。むやみやたらに皿をとっているわけではなく、食べたいものしか通常とらない。必要ないものをわざわざ選ぶ人はいないだろう。それと同じことだ。自分にも情報を選択する権利がある。理由は単純だった。その人が嫌いになったわけでもなんでもない。

フォローが増えていくことのメリットはたくさんあるが、デメリットも存在する。それは、興味のある投稿が流れてしまうことだ。これが今回の整理の決め手になった。自分のことを知る、目の前の人たちを大事にしたいという思いもあった。だから私は、面識のある人やかかわりのある人(過去にやり取りのある人や共通点のある人)に絞った。

フォローを外すのだから、一定数フォロワーが減ることは理解していた。別にフォロワー稼ぎのためにSNSを使っているわけではないので、それは気にしない。ただ、相手の気分を害したかもしれない不安が残る。しかし、それ以上に『相手を知らない』ことの恐ろしさがあった。一度会って挨拶でも交わせば話は変わったかもしれない。見ず知らずの人と繋がるリスクを、ようやくこの年になって理解したのだ。

SNSはとても便利だ。自分と同じ趣味をもつ人と容易に繋がることができる。ただその分、違和感を抱いたときの対応が難しい。これは対面でも変わらないが、特に字面の世界は感情や考えが見えづらい。最初は良しと思っていても、後でおやおやと印象が変わることはよくある。会えば直感でわかるのに、文字の世界ではその感覚が鈍ってしまう。

さて、違和感に直面したときにどうするか。簡単にパッと指でフォローなんて解除できる。しかしこちらも感情をもった人間だ。相手に不快な思いをさせないだろうかと、小一時間悩み続けた。優しすぎるのだろうか。いや、そんなことはない。

あれこれ考えたのち、一念発起して整理を始めてみた。なんだか傷ついた気持ちになるのは、良心なのだろうか。やっていく中で気が付いたのは、『足らないのではなく、抱えすぎていた』という事実。あらゆる物事に対して、情報過多だったのかもしれない。

残酷なやり口かもしれない。でも私は、会って話がしたい。それで相手を理解したい。分からないものに対しての恐怖はお互い様なのかもしれないが、目の前のものに集中したい。自分勝手なワガママであるのは重々承知だ。それでワケもなく傷つく人がいることも理解している。それで離れていっても仕方がない。自分がそうしたのだから。

この先はオマケになります。

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オマケまで読んでいただきありがとうございます。
ここからはさらに本音の言葉を残しておきます。

SNSの断捨離をして、率直にすっきりした。こんなにも重いものを私は抱えていたのかとせいせいした。そんな表現は不適切かもしれないが、抱えきれないほど余分なものをもちすぎていたのだと思う。

文字だけの繋がりは非常に難しい。それはもちろん『顔が見えない』ことにある。相手は私に対してゴマをすっているだけかもしれない。根拠のないほめ言葉が届くたびに、人間不信に陥る。DMやコメントを読むたびに、これは本心なのかと疑心暗鬼になることもあった。人に対して警戒しすぎなのだろうか。

特に今、Z世代という若者たちとの接し方に課題がある。世代でひとくくりにはしたくないが、00年生まれを境に関わり方が難しいと感じることが多々ある。彼/彼女らの特徴を述べるに至るほどのデータはないが、話の意図が通じず苦しく思う。

彼/彼女らを傷つけないためにも、こちらから関わることを一旦やめようと結論に至った。それが今回の断捨離である。誰もかれもとフォローすることで、見たくもない情報が流れてくる。それに対する怒りや悲しみの感情を、どこにもやることができない。そのモヤモヤを払拭するには絶つしかなかった。

みんな平等に年を重ねる。しかし、大学生は当たり前に19歳から22歳の若者だ。これはいつの時代も変わらない。私が大学野球を見続ける限り、ターゲットになる世代はその近辺になる。年齢が上がることで、私の考え方は変わっていく。そうすると今まで許せたことも、きっと許せなくなってしまう。頑固になっている自覚があるからこそ、どうやって『柔軟な』対応していけばいいか。また、それをする価値(や意味)があるのか、毎日のように悩んでいる。

きちんとした『人間』の基準はいつだって曖昧だ。ただ、挨拶をするとか敬語を使うとか、相手を敬うとか、そういうものはいつの時代もかわらない。それができる人は、もちろんZ世代にだってたくさんいる。だから悔しいのだ。SNSの世界ですぐに判別ができないこと自体が。

会って話がしたい。コミュニケーションを取った人と繋がりたい。私はそうやって願った。だから、今回の断捨離に至った。自分が苦しむより手放したい。多すぎた情報を解き放ち、目の前のものを大切にするために。これが良い答えか私にはわからない。もしかしたら間違っているかもしれないが、自分の心を優先した。みんなもこうやって悩んでいるのだろうか。

今の判断は今の自分にしかできない。これを正解にするにも不正解にするにも自分次第。きっと今は正解なんだ。そうやってやり過ごそうと思う。