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⚾️“D”獨協大学のもつあたたかさ

獨協大学に興味をもったのは、遡ること6年前(2014年)の秋のことだった。

日本製鉄かずさマジック 片野 将大 選手(佐野日大→獨協大学2014年度卒)

ある日、いつものように野球をみていた。ふと、片野 将大選手(現:日本製鉄かずさマジック )のはつらつとしたプレーが目に留まった。1番捕手。俊足好打、おまけに強肩。こんな選手が首都リーグにいたのかと、一発で応援したいと思うようになった。

引き込まれたのは、彼の野球スタイルだけではなかった。応援の凄まじさに心を奪われたのだ。大田スタジアムに響き渡る声援の中に、演奏はない。それでも力強く味方を鼓舞し、メンバーの活躍を自分のことのように喜んでいた。相手をけなすようなヤジは一切ない。これこそ、獨協大のもつあたたかさだ。

それだけではない。選手の一つ一つの動きが俊敏だ。特に、整列のはやさは首都リーグで1番だと当時思った。全ての動きに無駄がない。たらたら歩く選手など、一人もいないのだ。

とんでもないチームを見つけてしまったと思った。しかし、残念ながら2015年の春季リーグ戦の入替戦の際に、大東文化大学に敗退し2部降格となった。もっと長く、このチームを1部で見たかったと、非常に残念に思ったことが最近の出来事のようだ。

それからも時々チームのことが気になり、せんげん台のグラウンド(獨協大の創設者、天野貞祐の名にちなんで【天野貞祐記念球場】という)までオープン戦を見に行くこともあった。予定さえあえば、応援にもいった。

2部リーグは球場で試合をすることもあるが、ほとんどが学校グラウンドである。せっかくの球場でも、1部リーグの予定によっては別の場所に急遽変更になることも多い。1部リーグ中心で行われている弊害といえようか。ルール上仕方のないことだが。

獨協大は多くの好選手を輩出し、現在も社会人硬式野球やBCリーグ等各所で活躍をしている。そして今年、初のプロ野球選手が誕生した。大学公式戦通算24盗塁を決めた並木 秀尊選手(市立川口④)だ。

並木 秀尊 選手(市立川口④)

並木選手のプロ入りは、獨協大の選手はもちろん2部リーグに夢と希望を与えた存在に違いない。2部リーグだからダメ、2部リーグだから目立たない。そんなことはないのだと。

そんな並木選手への応援にも工夫が凝らされている。

HIDE METERそう。彼の公式戦の盗塁記録だ。2020年10月31日の最終戦で、この記録が24に塗り替えられた。(※ちなみに隣のうちわは彼ではない)写真の通り、獨協大はいちいち応援グッズが面白い。多くの選手の写真が貼られたうちわ、各種アイテム。毎年のように進化を遂げるチームの応援はとても面白く、あたたかい。スタンドやベンチは、常に家族を迎えるかのような姿だ。

人を応援する。簡単なことのようで、とても難しい。特に、自分自身が選手であるならば、チームメイトの活躍は嬉しくも悔しいはず。願わくば自分だって活躍したい、試合に出たい。それでも、その気持ち以上にチームを信頼しているから。仲間の活躍を願っているから。彼らは声援を送り続ける。しかも、それが長年と続いているのだ。時間が経てばチームの色が変わるのは当然のはず。しかし、良い伝統はきちんと引き継がれていたのだ。

応援のあたたかさ、相手への敬意。これこそD(勝手に私が呼んでいる)らしさといえよう。近年、1部リーグと2部リーグの入替は激戦と化している。こんな素敵なチームをまた1部で見たい。こういう素晴らしいチームだからこそ、1部にいくべきだ。私は心からそう思っている。その日がやってくることを信じて。

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