⚾️🦖野球を見ているときの私が、感情だだもれの怪獣(モンスター)である話

周りの野球ファンをみると、みんな健気でかわいい。
推しの選手を祈りながら見る姿、一生懸命声援を送る姿。いや、もう総じて健気。尊い。人の活躍を喜べるなんて、生きている中で早々ないこと。そんな選手たちと出会えたファンのみんなはさぞかし素晴らしい人生を歩んでいると思う。(大げさ)

そして私だ。

私？？？？？？？？？？

怪獣(モンスター)。マジで怪獣。それ以上でも以下でもない。人ですらない。
叫ぶ、スコアは落とすしたたきつける、一脚を破壊した過去もある。本気で怪獣。狂ってる。

拍手が大きい
座る拡声器(声が大きい)
いきなり祈りだす
スコアをぶん投げる
一脚を破壊する
感極まって泣く
でも、ご飯は食べる

ほら見ろ怪獣のそれ。
毎試合が映画。私は1日を通して、映画3本みているんだ。いや、映画館ならつまみ出される(首都大学1部リーグが1日3試合のため)

珍しく静かに観戦できている私

今日は誰が活躍するかな？あの選手、報われてほしいな。ああ、どうなるんだろう。と、漠然とした不安の中深呼吸をして球場に入る。そしてカメラの準備、スコアの準備をして、ベンチ上の定位置に着席。

ここまでは、まぁ普通の野球ファン？一応、人間としての何かは維持している、はず。

スタメン発表あたりから、その兆しがある。そう、推している選手の名前と出身校が球場に響くだけでバロメーターは上がっている。度が過ぎているので、なんならスタメン全暗記。ごめんだけど、出身校もインプット。中学野球の出身チームまで調べ上げている。スタンドの選手も『自分なんて知らないだろう』なんて思わない方がいい。私の脳は（自称）帝国データバンク。(首都リーグのみ)

既にここで何かがこみあげている。それでも抑えている。必死だ。顔は冷静のようで、恐らく冷静ではない。多分もう感情が漏れている。泉のように。そして顔がにやけている。はたから見たら危険な怪獣。

左から、富島・常総学院・藤嶺藤沢・奈良大附・東福岡・霞ヶ浦・智辯和歌山・東海大相模・関西中央っていえますね。帝国データバンクなめんな。これは、DH解除をした瞬間。

好きな選手の第一打席。死ぬ。ほとんど上位打順だから、心を整える間もない。写真はおさえているけど、余裕で君だけで1000枚いける。抑えて200枚。これが数人いるとシャッターが壊れるレベル。もはや恐怖。

三振なんてしようものなら、落胆は物凄い。いや、放った投手を恨むレベル。これが満塁だったらイエス・キリストに祈ってる。仏にも。ここは教会かそれとも神社か仏閣か。ついでにガンジー呼んできて。十字架でも数珠でも木魚でももってこい。ホームランなんぞ打った暁には、一升炊きの赤飯持ち込みしたい気分。びっくりするほど大きな拍手をしている。どの声援より大きい。周囲は大抵ドン引き。友人びっくり。初見の人は、私の勢いに吹っ飛んでいく。常連さんは『通常運行』と思ってくれるだろう。

好きな選手の守備。死ぬ。華麗なスローイング、一瞬たりとも見逃したくない。エラーなんてしようものなら、打者を恨む。あなたは悪くない。全てはバッターが悪い。絶対に口にはしないけれど、私は激甘ケーキより甘い。ファインプレー？失神している。そう、間違いなく失神している。

しかし画面越しでは冷静を装っている。『かなねーさん』という威厳(そんなものは元々ない)を保たないといけないという義務がある。私の推し、今日も最高にかっこよかった！日本一！いや、世界一！と書きたいところを冷静に、SNSに書き込みをする。いそいそ写真をアップする。

首都リーグだと3試合この調子。アドレナリンが分泌されていて、試合中は全く疲れなどない。なんならお腹すらすかない。でも…試合が終わると。

お腹がすいた。松屋が食べたい。

となるわけだ。胃袋ブラックホールなみ。何でも食べられそうな気さえする。

帰りの電車だ。1日の余韻に浸る。今日も推しは最高だったと、心に思う。その日に撮影した写真を振り返って、今日もみんなはかっこよかった、世界一と自己満足に浸る。それを迂闊にSNSには載せられない。怪獣の心理として、そんなかっこいいもの世界に発信できないからだ。怪獣心に留めておきたい。これを怪獣(モンスター)心理と呼ぶにふさわしい。

怪獣も球場をあとにすると、普通の人間に戻る。あれだけ熱中できて、豹変できるのも後にも先にも野球だけだ。そもそも感情移入など、そこまでしない私がこれだけの熱量を注げる。薬物より中毒性のある、野球は危険なものだ。

近頃自分を振り返って、人間（というか怪獣）らしいなと笑っちゃうことが多い。なんだかんだで感受性豊かで、いつも笑ってばかりだなと思う。まぁそれも、応援している選手がみんな素晴らしいこと。私の周りにいる野球仲間が、素敵な人だからだなって思う。野球に興味のない友人も、私の趣味を凄く理解してくれている。環境に恵まれた賜物だなって。だから私は、楽しく野球観戦できているんだろうな。

怪獣は変わらずこれからも『怪獣』を続ける。というか、球場では人間でいられない。

来年、再来年、今年のような悲劇が二度と起こらないように。怪獣は今日もどこかで頭フル回転で知恵を絞る。ああ、球場外では人間だった。