【泣】少年野球に熱中した父親の末路(3)
三男ミツキの卒団を目前に、練習中や試合中はもちろん、日常のふとした瞬間にさえも思い出がよみがえることが増えた。
簡単に言えば感傷に浸っているのだ。
先日、土曜日にもかかわらず練習が休みになった。うちのチームはいくつかの小学校の子ども達で構成されているが、そのうちの2校が運動会だったためだ。
ミツキに「何かやりたいことがあるか」と聞くと「河原でキャッチボールがしたい」というので車で30分ほどの河原に向かった。
一級河川の川岸が無料のデイキャンプ場として整備されている場所で、息子達が小さい頃はよくBBQをしに来た。
キャッチボールをするにも広々として最適だったから、長男イチタとも、次男ジロウとも、そしてもちろんミツキとも時々練習しにきたものだ。
ミツキとキャッチボールをしながら思い出がよみがえった。
実は長男イチタは、妻の希望で幼稚園の頃からサッカーをやっていた。それが、河原でBBQをした際に初めてキャッチボールをして、「うまいうまい!」と私に褒められたのがよほど嬉しかったのか急に野球が好きになり、「サッカーより野球をやりたい!」と言い出した。2年生の夏休みだった。
「お当番が大変だから野球は困る」という妻を説得するため、いくつかの野球チームを見学して一番保護者の負担が軽そうなチームを選んだ。そして「野球のことは全部自分がやるから」と妻に固く誓って入団させた。
私がそこまで熱心に動いたのは、単純にサッカーより野球が好きだったからだ。野球経験はないが、子どもの頃からひいきのプロ野球チームもあったし、高校野球も甲子園に観に行く程だった。だから単純に嬉しかったし、常に母親主導だった子育ての中に父親の役割がようやく生まれた気がしてやる気になった。また仕事以外の趣味や地域の交友関係も欲しいと思っていたので、すべてがうまくハマった気がした。当時の私は内心ワクワクしていた。
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