【言語化する力】【読書】論文の教室〜レポートから卒論まで〜
いや、論文とか書かないから、、、
そう思ったビジネスマンの皆様、しばし待たれよ。
本書、「論文の教室」では、論文とは、「問いに対して明確な答えを主張し、その主張を論証するための文章」とされています。
これって、私たちビジネスマンの普段の仕事と似てますよね?ビジネスでは常に問題の解決策を考え、それが正しいと論証し、上司やお客さんを説得する必要があります。ビジネスと学問の差があるため完全に同じではないですが、参考にはできそうです。
さてここで、一度冷静に考えてください。
私たち、論文の書き方を教えてもらったこと、意外とないですよね?
少なくともベースさんは教えてもらった記憶がないです(授業中寝てただけかもしれませんが笑)。今思い返すと、学生のときに書いたレポートは、論文というより感想文でした。
このような学生は過去のベースさんだけではないようです。本書の著者である戸田山先生は、東大の教授です。立場上、多くの学生のレポートを読むのですが、論文の体を成してないレポートが散見されるようです。
というわけでビジネスマンの皆様、一度論文の書き方を学んでみませんか?
そして何より学生の皆様、知識を受け身で蓄える「勉強」から、蓄えた知識を自ら深め、自分の主張を述べる「学問」に進むために、論文の書き方を学んでみませんか?研究者にならずとも、この学びは将来絶対に役立ちます。
本書では論文執筆のポイントがてんこ盛りです。その中から、ベースさんがビジネスでも使えそうだなと思った重要ポイント2つを紹介します。
今回は紹介するポイントをどこにするか、かなり悩みました。下にリンクを貼っておくので、ご自身で本書をお手にとって学ぶことをお勧めします。
ベースさん的ポイント1:「曖昧さ」は厳禁
「問題はできる限り明確になっていることが重要」とのことです。
個人的な意見ですが、「曖昧」って、以下2つの状態を指してると思います。
曖昧な状態1:前提が定まってない
曖昧な状態2:複数のものごとを同時に扱っている
例えば、「家計が赤字」という問題を考えましょう。
この問題、収入が100万円なのか、3,000万円かで、解決策も変わりそうです。さらに、収入の問題と支出の問題、2つの問題を同時に扱っています。
曖昧な状態を回避するには、前提確認と構造化が必要なんです。
本書では、大学のレポートの場合、「テーマの見取り図になるような資料を探して読む」ことを推奨しています。まずは大雑把に全体像を捉えて、そのテーマの中のどの問題に取り組むか考えようということですね。
ベースさん的ポイント2:論証にも型がある
よい論証には型があるとのことです。
本書では、論証の型として、「妥当な論証形式」と「ちょっと弱い論証形式」が書かれています。
本当は一つずつ紹介するべきですが、あまりに長くなるので、ベースさんが「これは紹介したい!」と思った、「ちょっと弱い論証形式」に絞って紹介します。
ちょっと弱い論証形式の一つに、帰納的論証があげられています。
「果物にはビタミンが含まれている」という主張の根拠として、「いちごにも含まれている」、「みかんにも含まれている」、「りんごにも含まれている」と例をあげていくのが、帰納的論証です。
でも、これって論証としては弱いんです。果物って、いちご、みかん、りんご以外にもいっぱいあるし、その中に例外があるかもしれませんよね?
ビジネススキルの本を読むと、「論理的な文章は帰納的論証か演繹的論証で書かれる」と書いてあります。実際、ビジネスの現場では時間がなくて、帰納的論証で話を進める場合もあります。
大事なのは帰納的論証を使うとき、主張が間違っている可能性があることをわかっていることだと思います。実は間違った主張をもとにビジネスを始めて、大損する可能性もあります。そのリスクを考えたうえで、影響が小さいなら使えばいいと思います。
ちなみに本書では、帰納的論証を強い論証にする方法も書かれています。興味がある方は見てください。結構ハードルが高いです。
この本で「妥当な論証形式」を学んで、使うことをお勧めします。
まとめ
今回は戸田山和久先生の「論文の教室」を紹介しました。
「曖昧さ厳禁」と「論証にも型がある」が、ベースさん的重要ポイントです。
他にも文献の探し方や、わかりやすい文章の書き方等、泣く泣く削ったポイントが大量にあります。是非ご自身で手にとって読んでください。
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