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BASE BANKがデザインの力で起こしたい変化

はじめに

BASE BANKチームで事業責任者兼プロダクトマネージャーをしている柳川です。
私はデザイナーではないですが、本日は「BASE DESIGNER BLOG」のゲストとして、BASE BANKの目指す未来と、そのためにいかにデザインの力が大切かということをプロダクトマネージャーの視点で書かせていただければと思います。

BASE BANKチームは、BASEの中でも新規事業として、お金周りのサービスの立ち上げとグロースを行っているチームです。
主に、資金調達サービス「YELL BANK(エール バンク)」や、ネットショップの売上金をすぐに支払いに使える「BASEカード」などの開発を行なっています。

BASE BANKの詳しい事業内容については、直近noteを書かせていただいたので、是非ご確認ください。

BASE創業時のEC課題

BASE BANKのプロダクトはBASEのユーザーに対して提供しているプロダクトになります。
なのでBASE BANKの話をする前にBASEの歴史を振り返ってみましょう。

BASEは2012年、10年前にできた、簡単に誰でもECが始められるプラットフォームです。
10年前、ECはまだまだ敷居の高いものでした。簡単に誰でも始められるものではありませんでした。
その原因は複数ありますが、その中でもいくつか大きなものをあげます。

  1. 売れるかわからない段階から安くはない初期費用や月額費用がかかるので、売れなかった場合のリスクがある(ビジネスモデル要因)

  2. いろいろな機能が詰め込まれていてとても難しいく勉強しないと使えない(UI/UXやコミュニケーション要因)

BASEはこれらの要因に対して、解決策を出すことでさまざまな方に使われるプラットフォームになりました。

ビジネスモデル要因の解決

1の課題については、BASEでは初期費用や月額費用をいただかずに、売上がたったときにそのタイミングで手数料をいただくというビジネスモデルを取る形で解を出しました。いわばリスクをBASEが先に負うビジネスモデルです。もし売れなければ我々は手数料をいただきませんというビジネスモデルで、ショップさんが負うリスクを最大限減らしました。このビジネスモデルを取るという意思決定は、長期目線でのプロダクト成長をステークホルダーが信じないとできないため、簡単ではないものでしたが、そのような決断をし、本日までサービス提供ができております。

スタンダードプランのビジネスモデル

UI/UXやコミュニケーション要因の解決

2の課題については、絶えずシンプルで使いやすいデザインを追求し続けることで解決してきました。
どんなに料金体系的に使いやすいものでも、わからないものは誰も使ってくれません。どう考えても使わないと損なものでも、伝わらなければ誰も使ってくれないのです。何がやれるのか、どうやれるのかがわかりやすく、余計なものは何もないBASEの管理画面デザインは、多くの人がBASEを使える大きな理由になっているし、BASEの競争力の源泉であると考えています。

BASE管理画面 - 商品管理

BASE BANKとの共通点

ここまでBASEの話をしてきましたが、実はBASE BANKではほぼ同じやり方で、ショップさんのお金周りの課題を解決しようとしています。
BASE BANKの代表プロダクトであるYELL BANKを例に説明させてください。

資金調達サービス「YELL BANK(エール バンク)」

資金調達サービス「YELL BANK(エール バンク)」は、「BASE」の利用データから、各ショップの将来の売上金額を予測して「YELL BANK」がショップオーナーから将来の売掛債権を買い取ります。買い取った金額は即時にショップオーナーに支払われるため、ショップオーナーは将来の売上を” 今すぐ ” 利用することができます。これが一瞬で資金調達ができる仕組みです。与信の都合で既存の金融機関を利用できずにいるショップオーナーも、資金調達のチャンスを得ることが可能です。

なぜお金周りの課題を解決する必要があるのか。解決すると何が嬉しいのかについては、実際にYELL BANKを使っていただいているショップさんのインタビューを見ていただけると、一端がつかめるかなと思います。

ショップさんのお金周りに関する課題はいくつかあるのですが、BASE創業時との類似構造をわかりやすくするために2つ抜き出します。

  1. 資金調達の結果うまく行かなかった場合のリスクがある(ビジネスモデル要因)

  2. 資金調達を行うまでの過程の煩雑さや、何のために資金調達を行うかの伝わりづらさがある(UI/UXやコミュニケーション要因)

ビジネスモデル要因の解決

1の課題については、YELL BANKでは商品が売れたタイミングで資金を回収するスキームになっているため、ショップさんのリスクを最小限に抑えるビジネスモデルになっています。

たとえば、1ヶ月で100万円売れると仮定して資金提供をしたときに、何かが噛み合わずに1ヶ月で50万円しか売れなくても、50万円分の資金回収しかしません。その後3ヶ月かけて回収することになることを許容するビジネスモデルになっています。ショップさんがリスクを取り資金調達をし挑戦したとき、ボタンの掛け違いがあったとしても、ショップさんが挑戦するために資金調達をしたリスクをBASEも同じように負う構造となっているのです。これはBASEの思想の延長線上にあるからこそ発想できるビジネスモデルになります。

UI/UXやコミュニケーション要因の解決

2の課題については、まさに挑戦中の部分になります。
我々がECを提供する際に得たデータを使って資金提供をするため、たとえば銀行からお金を借りるのに比べると格段にシンプルなフローで資金提供ができています。銀行から資金調達をするために必要な審査の過程を、我々はEC運営時に自動で貯まる手元にあるデータで自動で行えるので、ユーザーからすると3クリックで資金調達が完了する体験になっています。
この体験自体もデザイナーと協議しながら、ビジネス要件も調整し作り上げました。そうすることで、他にはない体験を作り出せたと考えています。

しかしまだ1歩2歩、利用していただくためのハードルが埋まっていないと考えています。
資金調達するとどうなるのか、何のために資金調達するのか、そういったことをデザインを通した体験の中で更に伝えることができるとより多くの人に使っていただけると考え日々試行錯誤を繰り替えしています。

BASE管理画面 - 資金調達

資金調達のダッシュボード。現在の資金調達の状態がひと目で分かるUIと、次回の調達可能金額がわかるUIを並べました。更に一括で支払いできる機能も並べることで、次の動きが自由に選択できる体験としました。

BASEがECを簡単にしたように、BASE BANKは資金のコントロール、言い換えると経営を簡単にしようとしています。誰でもリスクなく挑戦できる世の中を実現しようとしています。ビジネスモデルとしては実現できているため、後は心理的ハードルをいかに無くすかにかかっています。そのためにはデザインの力が非常に重要だと考えています。
資金のコントロールが簡単になると、誰もが簡単に価値交換ができる世界が現実のもとになります。僕はそれが実現することがとても活力に溢れた素晴らしい世界につながると考えています。
より自由に自己表現するための選択肢を提示していきたいと考えています。
簡単な課題ではないですが、もし興味がある方がいれば力を貸していただけますと嬉しいです。

まとめ

BASE BANKでは様々な人をエンパワーメントするために、ビジネスモデルとデザインの両面から、課題解決を行っています。

BASE BANKという名前で金融周りのプロダクト開発という言葉だけ見ると、難しいことやっているのではないか、BASEの届ける価値とは違うことをやっているのではないかと思う方もいらっしゃるかと思います。ですが我々のサービスを届ける対象はBASEでECショップを運営しているユーザーです。今回の記事のように、思想もBASEの延長線の中で行っており、サービスの開発もBASEチームと共同しながら行っています。

この記事を見てBASE BANKに興味を持っていただいた方がいれば、カジュアルに話をさせてもらえればと思います。プロダクトの話になると、人が変わったように語る柳川がお話させていただきます。

ぜひ一緒にデザインの力で多くのユーザーの選択肢を増やして行きましょう。

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