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BASE BANKが目指す「BASE」だからこそできる金融によるエンパワーメント

はじめに

BASE BANK事業責任者の柳川です。
この記事では、BASEグループが取り組む金融事業であるBASE BANKがどのようなことをするための組織なのか、お話しできればと思います。

自己紹介

改めまして、BASE BANK事業のプロダクトマネージャー兼 事業責任者をさせていただいている柳川 慶太(やながわ けいた)と申します。
私はもともと受託開発をメインとする会社でエンジニアをしていました。
日々お客様のためにシステムを開発するのは楽しかったものの、より主体的に物事に関わることはできないだろうか、と考える中でBASEと縁があり、2017年の7月に入社しました。
もともとBASE BANK事業の立ち上げタイミングで最初のエンジニアとして参加しましたが、資金調達サービス「YELL BANK」のリリース後、プロダクトのビジョンやそれを実現するチームに興味が湧き、エンジニアからプロダクトマネージャーに転身し、現在はプロダクトマネージャー兼事業責任者というポジションをやらせていただいています。チームとプロダクトを徐々に大きくしていきながら、様々な挑戦をしています。

BASE BANKとは

BASEグループの中で、金融ドメインに特化した事業で、主要プロダクトとして、「YELL BANK」「BASEカード」「お急ぎ振込」の3つがあり、それぞれネットショップ作成サービス「BASE」をご利用されているショップのキャッシュフローに寄与するプロダクトとして開発とグロースを行っています。

BASE BANKは、もともとはBASEの100%子会社でしたが、さらなる部署間やメンバーの連携強化を行い、スピード感を持って「BASE」をご利用のショップへの価値提供を行うため、2022年1月に合併しました。合併後も金融事業を一つの主力事業として力を入れて推進していくという意味で、あえてBASE BANKという名前を残し、事業として金融ドメインに注力しています。

資金調達サービス「YELL BANK(エール バンク)

「BASE」の利用データから、各ショップの将来の売上金額を予測して「YELL BANK」がショップオーナーから将来の売掛債権を買い取ります。買い取った金額は即時にショップオーナーに支払われるため、ショップオーナーは将来の売上を” 今すぐ ” 利用することができます。これが一瞬で資金調達ができる仕組みです。与信の都合で既存の金融機関を利用できずにいるショップオーナーも、資金調達のチャンスを得ることが可能です。

BASEカード

ネットショップの売上金をすぐに支払いに使えるカードです。
BASE カードには、インターネット専用のバーチャルカードと街のお店でも使えるリアルカードの2 種類があります。リアルカードは、「BASE」をご利用のショップオーナーさんが全国のVISA 加盟店で、ショップの売上金でお買い物ができるカードです。

お急ぎ振込

通常の振込申請では売上のお振込まで10営業日かかるところを、振込までの期間を最短翌営業日に短縮できる機能です。

なぜBASEが金融事業をやるのか

なぜBASEが金融事業をするのかということについて、端的に言うと個人が更にエンパワーメントされるためには、金融のパワーが必要だからということになります。
BASEは「Payment to the People, Power to the People.」というミッションを掲げ、決済の簡易化を通じて人々をエンパワーメントするということを日々体現しています。それを補完する手段の一つとして、金融の簡易化が必要であるという仮説を持っています。

「BASE」を使ってくださるショップオーナーさんには、様々な方がいます。その中でも個人でショップ運営をされている方が全体の7割(※)を超えており非常に多いです。

商売をする際に、お金というものは切っても切れないものになります。何をするにもお金は必要です。そのお金をどのように用意するか、例えば個人の蓄えからそれを用意するということも考え方としてはあると思います。ただ、他に選択肢があってもいいのではないだろうかと考えています。
特に金融になれていない人にとって、金融と聞くと、「お金を借りる」といったイメージを持つ人も少なくないと思います。例えば「借金」だったり、リスクのみが先行するように捉えがちかと思います。しかし「お金」はうまく使えばできることの範囲が非常に広がります。お財布が拡張される感覚とでもいいましょうか。この拡張部分を作ることと、そしてその拡張部分をどう使えばいいかということ、この部分がうまくつなぎ込めれば、「BASE」でショップを運営しているショップオーナーさんの選択肢は非常に広がります。

「お金」を使いこなすことが商売の力を上げることにつながり、結果としてショップオーナーさんのやりたいことの実現に深く寄与できると考え、私たちはショップオーナーさんが利用しやすい金融を設計しています。

※ オーナーズ調査2021 参照
https://binc.jp/press-room/news/press-release/pr_20211124

ECと金融事業の良好な関係

先ほどお話ししたお財布の拡張部分を作ることと、その拡張部分をどう使うかのつなぎ込みをするという作業ですが、ネットショップ作成サービス「BASE」があるからこそ設計できることがたくさんあります。いくつか抜粋しますと以下のようなものがあります。

  • 商売のコアデータを有効活用できる

  • ネットショップを運営するUXの流れを活用できる

  • ネットショップの売上が上がるところまでを見込んで事業設計ができる

商売のコアデータを有効活用できる

BASEグループはECを運営する上で必然的に生み出される情報というものを持っています。ショップの歴史とも言える商売のコアデータです。そのデータを有効活用して、与信を作ることが可能です。ショップの過去のデータから、未来を予測してサービスを提供するということが可能なので、たとえば業績のデータ等を追加でいただかなくても、与信が作れるという特徴があります。
たとえば「YELL BANK」においては、ユーザーの過去のショップ運営情報から売上を予測し、事前にその売上をショップに渡すということができます。他のサービスであれば、与信管理のためにショップオーナーからショップのデータを提供してもらうところから始めないと行けないところを、「YELL BANK」ではその段階を飛ばして、サービス提供することが可能となっています。これは金融のハードルをぐっと下げることに貢献しています。

ネットショップを運営するUXの流れを活用できる

「BASE」を使ったいつものショップ運営の流れの中に、金融を活用したキャッシュフロー改善の手段を埋め込むことができるというのも、ネットショップのアカウントを持ってくれている前提があるからこその部分になります。
これが全く新規のサービスであれば、ゼロからユーザーを獲得するところから始めないといけないという点で不利ですし、体験の取っ掛かりがないという点からも不利になります。特に金融のような、心理的ハードルが高いサービスであればあるほど、根幹となるサービスがあることの重要性は高いです。

ネットショップの売上が上がるところまでを見込んで事業設計ができる

「BASE」があることで、金融プロダクト単体の収益のみで考えずにサービス展開できるというのも大きな強みです。たとえばカードのイシュアリング事業。単体でサービスを実現しようとすると、とても多くのユーザーを獲得することが前提になります。「BASE」であれば、キャッシュフローが改善した結果、ショップ運営が軌道に乗り、売上が上がり、またBASE BANKのサービスを使ってもらうところまで考慮に入れて事業設計できるため、純粋に何をするのがショップのためになるのかという価値基準で事業設計することができます。単純に使いやすいサービス、必要とされているサービスを考えてプロダクト開発ができます。
逆に言うとユーザーが成長する形を実現できないと、サービスとして成り立たせることが難しいと言えます。「YELL BANK」は特にその思想がにじみ出ており、もしショップがこちらが予測した金額を売り上げることができなければ損失をすべて被るサービスになっています。うまく売れたら対価をくださいという意味で、商品が売れた時にはじめて手数料をいただく「BASE」のビジネスモデルと同じなので、DNAが色濃く現れている部分かなと思います。

どういうチームでミッションの実現を目指すのか

事業としてこの領域を伸ばし次の10年を作るということと同じくらい大事なこととして、組織の面でも次の10年を作るということが新規事業に課された使命だと思っています。
どうしても組織が大きくなると、その反動でスピードが落ちるということが起こりえます。いかにして力強くPDCAを回し事業を成長させるか、そこに再現性をもたせられるか。小さい組織で試すからこそ、BASEグループ全体に還元できることがあると考えて、いかに新規事業を成功させるチーム体制を構築できるかというチャレンジをしています。
チームの話はまた別の機会にお話しさせていただければと思います。

終わりに

BASEグループ公式noteでのBASE BANKに関する初めての記事ということで、事業について説明させていただきました。私自身非常にやりがいがあり、かつ簡単ではない事業であると日々感じています。ただ、それを一つ一つ実現していくのが非常に楽しいです。今後の記事で、各プロダクトの話や、実現していくチームの話ができればと思っております。

プロフィール

柳川 慶太(やながわ けいた)
1991年生まれ、神奈川県出身。横浜市立大学国際総合科学部卒業後、TIS株式会社に入社。クレジットカード基幹システムの開発に従事。その後、株式会社マイクロアドでのDSPシステム開発を経て、2017年7月にBASE株式会社に入社。入社後はショップコインや「YELL BANK」の開発を経た後に、2019年よりプロダクトマネージャーへキャリアチェンジ。現在は、BASE BANKのすべてのプロダクトの事業推進に携わる。

もしこの記事で少しでもBASE BANKに興味を持ってくれた方はぜひお話しさせていただきたいです。Twitterに気軽にご連絡ください。