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コロナ渦で、自分を高めるということ -2-   〜何が成長の糧になるのか〜

このコロナ問題は飲食店にとって本当に切実な問題である一方、自粛や休業によってできた空き時間は、見方を変えると自分を成長させる高めるための重要な機会であるとも言えます。
ではどのようにその時間を使うべきなのか、私は仕事において自分を高めることができる代表的な方法は3つあると考えており、その効果が高いものから順番に並べました。

自分を高めるのに有効な3つの方法
1、仕事上の特別な経験
2、読書
3、情報とネットワークの構築

の3つです。


1、仕事上の特別な経験

「仕事上の特別な経験」とは、新しい仕事への挑戦や、今までやっていないことに挑むことを指しています。これは私が成長にとって最も重要視している項目です。前回の記事 〜経営者のつもりになって考える〜 でも記載しましたが、経営者感覚を持って新しい提案を考え、それを経営者や上長に提案し採用されたら、もしあながたそれを実行するリーダーやメンバーになれれば、それはまさに通常業務では得られない「特別な経験」です。コロナのような問題はそうそう起きないでしょうし、日本史上初の緊急事態宣言です。これに対応する方策をあなたが考え、それが店を救う手助けとなったら、どれだけあなたにとって素晴らしい経験になるでしょうか。こういったことは平時のルーティーンワークだけでは経験することが難しいでしょう。カフェや飲食でも、新商品開発や、新しい販促計画、規模によっては新しい店舗のOPENを任されたり、新しい事業のスタートを任されるなどのケースもあります。私もこのようなことは一通り経験してきましたが、バリスタチャンピオンシップにおける世界大会優勝を目指したことも、この「仕事上の特別な経験」の1つでした。そもそも日本では誰も世界大会で優勝したことがなかったので、世界大会を制覇できた一連の取り組みは、日本における唯一無二のタフな経験と言えます。バリスタの育て方、豆の選び方、道のりとスケジューリング、農園との関わり方、現地での動き方、競技の進め方、その全てが私だけが知っている、私の持っている体験です。これは決してルーティーンワークでは得られないものです。

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私は別にルーティーンを否定しているわけではないのですが、同じことを毎日繰り返していれば成長できるほど、仕事の世界は甘くないと思っています。多くのトップアスリートやトップアーティストを研究し、本当のトップと、そうでない人との間にある違いは何か、という私たちにとって大変興味深い研究しているアメリカの心理学者アンダース・エリクソンは、自著の中でこう語っています。
「 一般的に何かが『許容できる』パフォーマンスレベル、つまり該当技術がストレスなくおこなえるレベルに達し、自然にできるようになってしまうと、そこからさらに何年「練習」を続けても技術の向上には繋がらないことが研究によって示されている。むしろ20年の経験がある医者、教師、あるいはドライバーは、5年しか経験がない人より、やや技能が劣っている可能性が高い。というのも、自然にできるようになってしまった能力は、改善に向けた意識的な努力をしないと徐々に劣化していくためだ。」 

これは彼の長年にわたる研究結果からくる結論で、私も全く同じ意見です。そしてこの文にある「改善に向けた意識的な努力をしないと」とある部分こそ、バリスタにとってのバリスタチャンピオンシップ出場と、それにともなう練習であると、私は考えているのです。私にとってチャンピオンシップとは、ルーティーンワークの向こう側にある「特別な経験」なのです。

それに多くの人が持っているスキルや経験より、誰も持っていないスキルや経験のほうが市場での価値も高くなります。「仕事上の特別な経験」をすることで、特別なスキルが身につき、その人の市場での価値が上がり、また次によりよい経験をさせてもらえることに繋がるはずだと思うのです。もちろんルーティーンワークもちゃんとできない人にそういったチャンスはまわってこないので、日頃からルーティーンがちゃんと出来ていることは大前提です。ルーティーンや課題をしっかりと日頃からこなし、「仕事上の特別な経験」を得るためのチャンスに常に備え、店や会社のピンチをチャンスと捉え、勝手に経営者になったつもりで、これを救う方法を考えましょう。これがあなたを最も成長させる経験になるでしょう。


2、読書

2つめに「読書」があります。結局のところ、1つめの「仕事上の特別な経験」は、「新しいことの体験」「新しいスキルを得る」というようにも言い換えられます。これを手軽に実現するもう1つの手段が読書です。不肖にも本を出版し、連載を持つ身として言えることですが、他人が書いた記事や本を読むというのは、新しい経験を得るうえで非常に有効な手段です。本はその人が何年も、何千時間もかかった経験をわかりやすくまとめたものであり、その人の体験を非常に効率的に得ることができるのです。仮にその人と同じ経験をしようと思うと、当然同じ時間を費やすことになるわけで、忙しい社会人にとって現実的ではなく、読書がどれだけ優れた学習手段なのかが、わかります。私はかつての上司から「新しい分野を学ぶ時には、最低5冊、まずはその分野の本を読め」と言われ、それを必ず実行してきました。本というのは書き手の経験や、何に重きを置いているかで、同じ初心者向けでもかなり書かれている内容が違います。つまり1冊だと知識に偏りも出るということです。やはり知識のない新しい分野において学習するためには、いくつかの本を取り揃えないと間違えた知識や、偏った知識を身につけてしまうことになります。職業バリスタならコーヒーの本でもいいです。プレゼンの本や、店舗経営の本でもいいかもしれません。今注目の新刊を読んでもいいかもしれません。購入に際しては、AmazonやGoogleで検索するのもいいですが、可能な限り調べて目星をつけたうえで、書店で軽く読んでみてから購入しましょう。軽く読んでみないと「読み切れるか」がわからないからです。
ちなみに私はほとんどの書籍を、iPadか、Kindle Paperwhite で読みます。重い分厚い本を持ち歩かなくてもいいですし、部屋に保管するのに場所を取りません。iPadは目が疲れるので、長く読むにはKindle Paperwhiteがおすすめです。1台で読書以外に仕事・動画を網羅したいならiPadです。

iPadなら複数の書籍を同時に持ち歩け、スクリーンショットなどで参考画像として保存することも。

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読書とは、執筆者の代理体験を手軽に得られる最良の成長手段なのです。
是非この機会に皆さんも本を読みましょう!


3、情報とネットワークの構築

3つめに「情報とネットワーク」があります。これは「有効な情報得るためのツールや人をおさえる」というものです。ネットでは沢山の情報が溢れていますが、中には今の皆さんにとって有効な情報を提供し続けてくれるサイトもあるでしょう。そういった場所を常に購読したり、必要に応じて見にいくことで、自分の中の情報をアップデートすることが可能です。そして1番有効な情報アップデート手段は、「人」です。今このご時世なので難しいことはありますが、わからないこと解消したり、新しい分野を学ぶ上で有効な手段の1つは、「わかっている人に聞く」ことです。自分の知りたいことをそのまま疑問として聞けるため、ネットや本のように調べる時間や手間が必要がありません。しかし問題なのは「あなたは、誰がその疑問に答えられる対象者か知っているのか」ということと、「その対象者に質問して答えてもらえるほどの関係性にあるか」の2点があります。そもそも疑問を解決できる人を知らないと意味がないですし、知っていたところで聞ける関係性にないと意味がないという話しです。なので自分が知りたいポイント、興味ある分野に強い人を日頃からリサーチしておく必要がありますし、いざとなれば何かお願いできる関係性にあるかは大事なポイントです。私も自分の弱い部分について強い経験や知識を持っている人には敬意を払い、必要であれば支払いや、その方のサポートも積極的におこなうことで、関係を維持しています。こういったことは、日頃からやっていると自分のためになりますし、いつでもあなたの疑問を解消する手助けとなってくれるでしょう。

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