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【映画】すずめの戸締まり

九州の静かな町で暮らす 17 歳の少女・鈴芽(すずめ)は、「扉を探してるんだ」という旅の青年・草太に出会う。彼の後を追って迷い込んだ山中の廃墟で見つけたのは、ぽつんとたたずむ古ぼけた扉。なにかに引き寄せられるように、すずめは扉に手を伸ばすが……。扉の向こう側からは災いが訪れてしまうため、草太は扉を閉めて鍵をかける“閉じ師”として旅を続けているという。すると、二人の前に突如、謎の猫・ダイジンが現れる。「すずめ すき」「おまえは じゃま」。ダイジンがしゃべり出した次の瞬間、草太はなんと、椅子に姿を変えられてしまう! それはすずめが幼い頃に使っていた、脚が 1 本欠けた小さな椅子。逃げるダイジンを捕まえようと 3 本脚の椅子の姿で走り出した草太を、すずめは慌てて追いかける。やがて、日本各地で次々に開き始める扉。不思議な扉と小さな猫に導かれ、九州、四国、関西、そして東京と、日本列島を巻き込んでいくすずめの”戸締まりの旅”。旅先での出会いに助けられながら辿りついたその場所ですずめを待っていたのは、忘れられてしまったある真実だった。

「KINENOTE」http://www.kinenote.com/main/public/cinema/detail.aspx?cinema_id=97144&key_search=%E3%81%99%E3%81%9A%E3%82%81

相変わらず画のきれいな映画をつくる監督だなと思う。冒頭12分が公開されているのでとにかく見てほしい。(配信期間:2023年1月31日まで)

今回の「すずめの戸締まり」はとてもスッキリしていてわかりやすかった。正直、恋愛や拳銃の演出などちょっとゴタゴタしていた前作「天気の子」と比べてわかりやすい映画になっている。どうしても「君の名は。」の大ヒットで肩ひじ張ってしまっていた(それはそれでいいところもあったのだが)「天気の子」と違い、恋愛要素もそれほど大きくないし、むしろ主人公のすずめが自分と向き合う点が押し出されたように思えた。たぶん、新海監督は過去作と比較されるのも嫌だろうなとは思うけど。。。

すごくスッキリしている一方で、はっきりと震災(3.11)を描いていたところに新海監督の覚悟が感じられる映画だった。

震災などで理不尽になくなってしまった場所や人、そこにあったものに区切りをどうつけるか。今を生きる自分たちが、過去と向き合い前に進む勇気を持つことで自分が救われるという物語はとても素敵だと感じた。いろんな土地に移動するものの、それぞれで懐かしさを感じさせる演出もよかった。色々と語りたくなるところは相変わらず新海監督の映画らしい。

映画の中でメッセージを込めようとすると何かとゴチャゴチャしてしまうけど、成長を描きつつスッキリとさせることができることを考えても新海監督の「集大成にして最高傑作」であることは大げさではないと思う。


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