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お客さんはワインソムリエの資格を持つSさん
「ヨーロッパに行くと、いつも文化の厚みに圧倒されますわ」とのこと
「そうでしょうね、ワインという深い部分に触れるんですから」
「そうですね、それを学びに行くのですから」
「そういう時には魔法の呪文があるんですよ」
「えっ、それは何ですか」
「それはスイリキョウドウタイと言うんです」
「なんですかそれ」😗
「漢字では水利共同体と書き、英語ではwater sharing communityでしょうか
稲作の水を分け合う共同体ですよ」😅
「はあ、なぜそれが呪文になるのですか」
「大陸の文明は畑作牧畜文明で、麦作は天水を利用し、土地の養分が無くなると牧場を畑にしたり、森を切り拓いたりしますが、稲作は水を下流まで分け合うでしょ」

見事な水利共同体の風景です

「なるほど」😅
「田植えも上流から中流、下流へと順番にやって、それが終わると中干しと言って、根を強くするために水を一旦止めるんです」
「なるほど、常に他に気を配りながら水を連携して分け合うんですね」
「常に周りの田や下流の田を考えながら、きれいな水を流すのです」
「そのシステムはいつ頃完成したのでしょうね」
「水源の水を太い血管から毛細血管に行くように水路を張り巡らし
どこでも米が穫れるようになったのは江戸末期でしょう」
「それまでは水争いなどがあったのでしょうね」
「ええ、上流と下流の争いが終わったら右岸と左岸の争いとか
大体1000年くらいは掛かっているようです」😅
「じゃ、大陸は水を独占する文明で、日本は水を分け合う文明なんですね」
「ええ、私はこれをエジプト人の学者やアメリカ人の教授や、外務事務次官の藪中さんなど20カ国の人に説明しましたが、皆「初めて聞きました、日本人とは何かが一番良く分かります」と喜ばれましたよ」😍
「そうか、この前フランスに行ったのに、水利共同体を知っていたらなあ」
「これを呪文にすれば、欧米の文化に負けない自信がつくでしょう
まあ同調圧力に弱いとか自己主張をしないとかの欠点もあるんですがね」😅
と言いましたが
日本酒を外国に売るときは
「これが水を分け合う文明が生んだ酒だ」と宣伝したらいかがでせう😅

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