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掃除のおじさんです

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えすろくろくまる

タバコと猫。 それが私に離れずいたものだった。 サリーと私の関係は恋人同士だ。大学2年どうしで、大学で出会った。 私は、学生棟の階段に座ってハイライトを吸っていた。そこにサリーがやってきた。 すごくハンサムだけど、彼女っている?唐突に聞いてきた。 いない。 私がそう言うと、サリーは横に座ってキャビンを吸い始めた。やはり私はその時、魔法使いサリーちゃんに似てるなとは思ったけど、特に、素敵だとは思わなかった。 サリーはよれたブルーのレターTに701を履いて、白いジャックパーセル

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      シティーとしては笑われたことには我関せずといった具合で、大の喜びに耽っていた。 私はハイライトを吸っていた。 サリーはキャビンを吸っていた。 2024年夏私はセブンスターを吸っている。スタジオジブリの宮崎駿さんもセブンスターだ。 タバコにはアッチに行く手前で我に返させる効果があると思っている。今ではそこそこの意志がないと、タバコも吸い続けられなくなった。 個人的にはタバコが再評価される日が来て欲しい気もするが、マイノリティになっていくことで、個の主張のアイテムとして、光って

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        シティーとしては満更でもないと言った感じでアパートを嗅ぎ回った。 やがて落ち着きがなくなってニャー!と鳴いて、部屋の隅に行って、小便をした。 サリーは子供の頃猫を飼っていたことがあったので、 あー!猫には猫の砂のトイレが必要なんだった! と言った。 夜中だった。トイレは段ボールで代用するにしても、砂は朝まで買えなかった。 私は朝7時にゼブンイレブン開店と同時に猫の砂を買った。 段ボールトイレに砂を入れると、シティーはすぐさま小便をして、出てからまた入り、大便をした。この世のも

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          そんなサリーちゃん似の彼女と、サンリオピューロランドもまだ出来てなかった多摩ニュータウンを散歩し続けた。 秋もいつの間にか深まろうとしていた。 その年は確か夏に手持ちの花火をサリーとやったが、その時私達は水を用意しなかった。 夏草なんか燃えるものなら燃えてしまえと思っていた。夏草は焦げさえしなかった。 私達のような読書好きは、バブル期の中、その輪の中に入れずジュリアナにも行かず、501の左後ろのポケットに、何かしらの文庫本を突っ込んで夜の街を散歩するしかなかった。 まだ本当

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          1970年代の終わり頃の晩秋、まだ私には希望らしきものが、あったんだと思う。まだ20歳で、希望とか絶望とか考えたこともなかったけれど。 あの頃の私へ 色んな選択肢は出てくるので、後悔しないように。別の道を選んだら、還暦前の人生は変わっているかも知れないよ。 サリーちゃんのような彼女がいた。私の20歳の頃の恋人は魔法使いサリーちゃんのような、子だった。赤い服も着てなかったし、髪の毛も黒かったけど、爆撃を潜り抜けたきたような、変なパーマがかかっていた。 当時はバブルでワンレンボ

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