えすろくろくまる
タバコと猫。
それが私に離れずいたものだった。
サリーと私の関係は恋人同士だ。大学2年どうしで、大学で出会った。
私は、学生棟の階段に座ってハイライトを吸っていた。そこにサリーがやってきた。
すごくハンサムだけど、彼女っている?唐突に聞いてきた。
いない。
私がそう言うと、サリーは横に座ってキャビンを吸い始めた。やはり私はその時、魔法使いサリーちゃんに似てるなとは思ったけど、特に、素敵だとは思わなかった。
サリーはよれたブルーのレターTに701を履いて、白いジャックパーセルを履いていた。
私は夏物のVANのブレザーの下に、フレッドペリーの白いポロシャツ、501に青いスエードのケースイスを履いていた。
9月の中旬。まだ2人とも汗ばんでいた。私はそれでもネイビーブレザーは羽織っていた。
時はDCブランドが流行りで、アメリカントラッドスタイルは、熱心なアイビー好きを除いて、壊滅状態だった。
ねえ、古文の山根教授って、ゲイらしい。毛はかつららしい。
サリーはいきなりどうでもいいことを話し出した。
そうなの?確かに、私はお尻を良く見られている気がすると言った。
それから2分ばかり沈黙。
また唐突に、真田くんは、私の事知ってた?と聞いてきた。同じクラスとのことだった。
知らなかった。
言葉としては、ああ、時々いるなあと思っていたと、伝えた。