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Zoojaそして「言の葉は、残りて」(20-50)

昨日は夫と少し外出、夫の好きなラーメンを食べ、先日友人が教えてくれた喫茶店に行きました。少し気分転換になりました。

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面白い名前だなと思っていたら、夫が申すには業界の方はひっくり返し表現されるのが通例とか。譜面をメンフのように。

このお店も店内で流す曲はジャズと決め、ジャズをズウジャ→Zooja とされているようです。その上メニューはなく、店主が「珈琲とチャイしかありませんので、どちらにされますか?」と尋ねられるだけというシンプルなお店です。ある意味潔いと感じました。田舎町ではきっとこの方が長く続き感じがします。

店内にいた時流してくださったアルバムはこちらでした。

そして今日は夫が早朝からゴルフに出かけ、青空も見えてきたので思いっきり洗濯をし、家中を掃除したら気分スッキリです。

さて本日紹介するのはこの作品です。

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海沿いの地にある鎌倉幕府。美しい景色とうらはらに、そこには陰謀、嫉妬、憎しみが渦巻いていた。そんな中、若き三代将軍・源実朝のもとに、摂関家の姫・信子が嫁いでくる。突然の縁談と異国の地に不安を覚える信子だったが、実朝の優しさと生まれて初めての海の匂いに包まれ、次第に心をゆるしていく。一方の実朝も、信子が教えてくれた和歌の魅力に触れ、武の力ではなく言の葉の力で世を治めたいと願うようになる。しかし、殺戮さえいとわない醜い権力争いが、ふたりを否応なく悲しみの渦に巻き込んでいく―。第32回小説すばる新人賞受賞作。(「BOOK」データベースより)

文学の新人賞が、歴史の実在する人物によるフィクションとは珍しいと手にとった作品でしたが、とても心優しい作品で心がほぐされました。

主人公は鎌倉幕府三代将軍源実朝とその妻信子。ご存知のとおり実朝は武家の棟梁でありながら金槐和歌集の元を作った人であり、この作品によれば摂関家の姫であった信子の影響で和歌に対して真摯に向き合い、信子との情も深くなったとあります。

物語はフィクションですが、和歌集や彼らが読んだ作品は現存しており、母 北条政子の圧力に苦しみつつも鎌倉幕府を懸命に守った実朝にも、不幸にも我が子を迎える事なく夫を亡くし、尼となりその後承久の乱を見守ることになった信子の人生に歴史の人物としてでなく、人間を慈しむ著者の思いが伝わってきました。

まだまだ文章的には深い表現が欲しいところもありますが、今の時点で満足点を得られる作品だと思いました。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
日曜日のあと半日を有意義に過ごし、明日への活力を養ってくださいね。


いつも読んでいただき、ありがとうございます。これからも励みますね。