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ババガヤの夜(49-50)

今週も始まりましたね。冷たい雨の降る月曜日の昼下がりです。
今日は1昨日読み終えた、王谷晶さんの作品を紹介します。

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お嬢さん、十八かそこらで、なんでそんなに悲しく笑う――。暴力を唯一の趣味とする新道依子は、腕を買われ暴力団会長の一人娘を護衛することに。拳の咆哮轟くシスターハードボイルド!(Amazon内容紹介)

王谷晶氏の作品は初読みでしたが、今回の作品はタイトルや寺田克也さんのカバーイラストからして編集者の力が入っているであろう作品であり、またそれに違わぬ読み応えのある作品でした。

混血児で両親もいないまま、喧嘩術のみを祖父から叩き込まれた依子。祖父母を亡くして身寄りのないまま、ヤクザの娘尚子の用心棒をする羽目になります。
本来なら関わりがまったくないであろうはずの依子と直子ですが、いつしかお互いを知り交流を経て、ヤクザの父親や拷問を快楽とする婚約者といった腐臭の漂う男からの暴力に立ち向かっていくことになります。

帯や各種の紹介どおり、強い女性たちの話なのは間違いありません。がそんな先入観なしに読んでも十分楽しめます。文章のキレがいいし人物像も際立っていて、後半に思わぬ驚きもあって、読後感は満足、面白かったです。

読み初めに感じた登場人物への戸惑いは読むにつれてどこかにいき、言い訳がましさや被害者意識を一切感じさせなくなる、清々しい小説でした。

今モヤモヤ感のあるこの時期にスカッとした作品を読みたい方におすすめです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。今日という日があなたにとってかけがえのない1日となりますように

今日のバックミュージックは映画「猟奇的な彼女」の主題歌で知ったシン・スンフンの今年発表したアルバムです。


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