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作家藤野可織氏が描く世界(32-50)

今週後半入って、自分の気持ちに逆らわず過ごすことにしました。しっかりと寝坊をして、ゆっくりとブランチを楽しみ、洗濯をこなしつつ読書していました。

そうして読み終えたのは芥川賞作家藤野可織氏の作品です。

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すぐそばにいる誰かの物語。あたしの前世はおっさんだった(「前世の記憶」)、体が腐らないよう冷蔵庫の中で眠る少女(「れいぞうこ」)、切手占いに夢中で男の子の存在を忘れた女の子たち(「切手占い殺人事件」)、軽蔑する親友からの電話にじっと耳を傾ける私(「時間ある?」)、凶器を持って怪獣を虐待しに森に入る少女たち(「怪獣を虐待する」)、理想のかばんと出会い旅立った非正規雇用の女性(「いつかたったひとつの最高のかばんで」)…ささやかでひんやりしていて、それでいてあたたかなよろこびすべての感情が詰まった輝ける物語たち。芥川賞作家がエールとともに贈る寓話。(「BOOK」データベースより)

2014年から2019年にかけて色々な文芸誌や文芸広報誌に掲載された、19の短編と書き下ろし1編が収録されています。

1980年生まれである著者の作品は、同じく芥川賞作家村田紗耶香氏とともにデビュー当初からその世界観が好きでした。

今回の短編も不思議な世界を描いているようで、実は現代社会を鋭く描いている作品が集められていました。

書き下ろし作品「いつかたったひとつの最高のかばんで」もcovid-19で揺らぐ非正規雇用の方のみならず、正規雇用の方の心情さえ汲み取ったかのように巧みに描かれた作品で心に残りました。

少し早いけれど、今日もお疲れさまでした。
明日もあなたにとってかけがえのない1日となりますように。

バックミュージックはこちらでした。


いつも読んでいただき、ありがとうございます。これからも励みますね。