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2019年ノンフィクション本大賞受賞作(27-50)

やっと予約していた本が順番回ってきて、昨日読み終えたのは最近著者がTVにも出演、話題になったこの本です。

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優等生の「ぼく」が通い始めたのは、人種も貧富もごちゃまぜのイカした「元・底辺中学校」だった。ただでさえ思春期ってやつなのに、毎日が事件の連続だ。人種差別丸出しの美少年、ジェンダーに悩むサッカー小僧。時には貧富の差でギスギスしたり、アイデンティティに悩んだり。世界の縮図のような日常を、思春期真っ只中の息子とパンクな母ちゃんの著者は、ともに考え悩み乗り越えていく。大人の凝り固まった常識を、子どもたちは軽く飛び越えていく。世界の縮図のような「元・底辺中学校」での日常を描く、落涙必至の等身大ノンフィクション。(Amazon内容紹介より)

2019年本屋大賞ノンフィクション大賞を受賞し、多くのメディアや作家たちが絶賛しているので、読まれた方も多いと思います。

福岡市で生まれ英国でアイルランド人と結婚、息子を授かったことで保育士になった著者が、英国ブライトンで当初カトリックの小学校を通った息子が公立の「元底辺中学校」と呼ばれる中学校に通ったことで、息子が直面した世界中で問題となっている多くのことと、息子とともに成長する母親の気持ちを雑誌に2019年4月まで連載されていたものがまとめられています。(この連載はつい先日終わったようです)

目次は以下のとおりです。
はじめに
1 元底辺中学校への道 
2 「glee/グリー」みたいな新学期
3 バッドでラップなクリスマス
4 スクール・ポリティクス
5 誰かの靴を履いてみること
6 プールサイドのあちら側とこちら側
7 ユニフォーム・ブギ
8 クールなのかジャパン
9 地雷だらけの多様性ワールド
10 母ちゃんの国にて
11 未来は君らの手の中
12 フォスター・チルドレンズ・ストーリー
13 いじめと皆勤賞のはざま
14 アイデンティティ熱のゆくえ
15 存在の耐えられない格差
16 ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとグリーン

アイルランドと日本という2つの国を持つ息子を通じアイディンティティについて考えさせられ、英国教育が取り入れている「演劇」と「ライフスキル教育」でシンパシーとエンパシーを学び、バンド活動も楽しみつつ環境問題を考える息子とその友だちの成長を感じる著者の気持ちに、この年齢で日本の田舎町でしか暮らしたことのない世間知らずの私は、ハッとさせられることが多かったです。

まだ未読の方はぜひ手に取っていただきたい作品です。




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