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読書備忘録

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#講談社

水墨画作家が描く青春小説

今日は。相変わらず、お家でのんびり。姑の洗濯物があり、午後、雨の予報だったので早朝洗濯を済ませました。おかげで、結構乾きました。 さて、今日は水墨画作家さんの小説をご紹介します。 読み終えた作品 2023年12月13日に講談社から352ページのソフトカバー単行本として発売されています。 あらすじ この作品を選んだ理由 筆先から生み出される「線」の芸術、水墨画。それを題材にしたデビュー作「線は、僕を描く」は、あの漫画「BLUE GIANT」同様に、紙面上で描く筆の穂

多崎礼著「レーエンデ国物語〜喝采か沈黙か」

2月2度目の三連休、最終日をいかがお過ごしでしょうか? 今日も読み終えた本を紹介していきます。 読み終えた作品の紹介 2023年10月18日に講談社より352ページのペーパーバックの単行本として発売されています。 あらすじ この作品を選んだ理由 現在「レーエンデ国物語」として発売されている第3巻を、これまで読んできた作品を越えるのか、期待して読みました。 感想 「レーエンデ国物語」はレーエンデの英雄を主題に、それぞれの時代の中で、真実を解き明かす形へと移行して

多崎礼著「レーエンデ国物語〜月と太陽」

今日も読み終えた本を紹介します。最後までお付き合いください。 読んだ作品の紹介 2023年8月9日に講談社より608ページのペーパーバック単行本で発売されています。 あらすじ この作品を選んだ理由 前作の「レーエンデ国物語」が面白かったので、続きが読みたくて読み終えて、すぐにこの作品を手に取りました。 感想 608ページという長編に、時間がかかるだろうなと思っていましたが、あの「指輪物語」のように、主人公の一人テッサの活躍がとにかく気になって、あれよあれよという

多崎礼著「レーエンデ国物語」

今日も本屋大賞候補作を読み終えたので、紹介します。 読み終えた作品 2023年6月14日に、講談社より496ページのソフトカバー単行本として発売されています。 あらすじ この作品を選んだ理由 今回の本屋大賞候補作品であるだけでなく、ファンタジー小説は、日本でも上橋菜穂子さんの「守り人シリーズ」に始まり、小野不由美さんの「十二国記シリーズ」最近では阿部智里さんの「八咫烏シリーズ」白川紺子さんの「後宮の烏」と良作がたくさん発表されており、どれも好きな作品です。今回多崎礼

本屋大賞の続編は成功したのか?

今日も本屋大賞候補作を読み終えたので、紹介していきます。 読んだ作品の紹介 2023年11月8日に講談社より288ページの単行本として発売されています。 あらすじ この作品を選んだ理由 第20回本屋大賞受賞作『汝、星のごとく』続編であり、今年の本屋大賞候補作でもあります。私は著者が最初に本屋大賞を受賞された「流浪の月」に衝撃を受け、著者の今後の活躍に期待した一人です。 感想 最近の傾向として、第1作が好評で続編が出るというのが多くなりました。その書き手として1番

原田マハ著「黒い絵」

3日連続の本の紹介です。図書館の本なので、ざっと読んで返却しました。 読みが浅い点はご容赦ください。 読んだ本の紹介 2023年11月1日付けで、講談社より224ページの単行本(ソフトカバー)で発行されています。 あらすじ この作品を選んだ理由 原田マハさんの著作の評価は、だいたい高いので、この作品がなぜ低いのか読んでみようと思いました。 感想 著者お得意の美術、特に絵画を中心に置いた作品は、著者の絵画作品、絵画の作者への理解が深いので、全て成功してきたと思いま

東野圭吾著「あなたが誰かを殺した」

こんにちは。 早速ですが、今日は読み終えた東野圭吾作品について紹介します。 この本を選んだ理由 言わずと知れたミステリー作家として、日本だけでなくアジア圏でも人気の高い東野圭吾さんですが、数あるシリーズの中で、加賀恭一郎シリーズも私は好きなシリーズです。 読んだ本の紹介 2023年9月21日より発売した312ページの単行本です。 あらすじ 感想 他の方も書いておられましたが、その登場人物を家族ごとにメモ、さらに事件後のまとめられた疑問点を自分なりに要約して、読

じわり、たゆたうように心に届く物語

こんばんは。今日は色々と用事をしていたらこんな時間になってしまいました。 昨日なかなか読めなかった川上弘美さんの作品を読み終えました。 読んだ本の紹介 出版社 ‏ : ‎ 講談社 発売日 ‏ : ‎ 2023/8/24  単行本 ‏ : ‎ 296ページ この本を選んだ理由 以前から著者の作品が好きで、発売されると手に取っています。 あらすじ 感想 著者の「センセイの鞄」「水声」「3度目の恋」などが好きな私。 この作品も嫌いではなかったけれど、コロナを背景

金閣寺の燃やし方

おはようございます。このnoteを読んでくださる方の中には、故郷に帰省されている方も多いかと思います。故郷はいかがでしょうか? さてお盆に向けてしっかり借りてきた本もわずかになりました。 1読んだ本の紹介 出版社 ‏ : ‎ 講談社 初版 :2010/10/29  単行本 ‏ : ‎ 262ページ  文庫 ‏ : ‎ 256ページ 発売日 ‏ : ‎ 2014/2/14 2この本を選んだ理由 本の題名のインパクトに惹かれました。現在は文庫が発売されていますが、私は

連続して絡み合う絶妙な伏線

おはようございます。窓を開け放っていたため、雨音に早朝から目が覚め、早起きできました。 エッセイを連続して読んだ後、今度はミステリーを読んでいます。 昨夜はこのミステリーを読み終えました。 読んだ本の紹介 出版社 ‏ : ‎ 講談社 発売日 ‏ : ‎ 1997年5月14日  文庫 ‏ : ‎ 314ページ 私は図書館にあった1994年に発行された双葉社が発行した単行本を読みました。今はこの講談社文庫しか手に入らないようです。 この本を選んだ理由 まちの広報の図書

母という呪縛、娘という牢獄

こんばんは。今日はとても暖かだったのですが、頭痛がひどくて、食器をかなり割ったりして、落ち込んだ1日でした。 このところ眠れないので、読んだ本がノンフィクションです。 この本を選んだ理由 私は両親に普通に育てられましたが、一人娘ということで、若干親子関係が近かった気がしています。今母が介護が必要になって、この題名を見て恐る恐る読んでみました。 読んだ本の紹介 出版:2022年12月16日 講談社 単行本:288ページ あらすじ 感想 あかりさんの「母親の期待

肉体ベースのぶっ飛んだ比喩にご注意を

おはようございます。霞んだ天気で耳鳴りのする中書いています。この天候でみなさんはいかがお過ごしでしょうか? 久々に図書館に行って、しっかり本を借りてきたので、これから順次読み終えた作品を紹介していきます。 今日は文学賞も受賞している作品です。 この作品を選んだ理由 図書館で題名に惹かれて、手に取って読んでみました。 読んだ本の紹介 出版:2023年1月26日講談社 単行本:144ページ あらすじ 感想 「冷え性」と「脂肪吸引」を題材のした、なんとも不思議な

死ぬべきなのは誰?

いよいよ本屋大賞候補作も最後1冊となりました。どんで返しがすごい、と口コミが広がっているので、期待して読みました。 読んだ本の紹介 出版:2022年9月8日講談社 単行本(ソフトカバー):304ページ あらすじ 感想 ミステリーを解決したかに見せて、最後の最後に犯人が真相と心境を明かす場面には、震えがきました。見事などんでん返しです。 2019年にメフィスト賞を受賞してデビューされたそうですが、私はこの著者の作品は今回が初読みで、こんなに力のある方と知りませんで

正しさに縛られ、愛に呪われ、それでも生きていく

2019年に「流浪の月」本屋大賞を受賞。映画化にもなって話題になった作家の今回本屋大賞候補作を読み終えました。 読んだ本の紹介 出版:2022年8月4日講談社 単行本:352ページ あらすじ 感想 本屋大賞受賞作「流浪の月」の衝撃が強過ぎて、今回の作品はメディアが絶賛しているほど、私には響きませんでした。私も教育現場に勤務していたので、子どもたちの家庭環境の格差には、驚くことが多かったです。まさに現実は小説より壮絶な場合も多くあるのです。 本作は主人公の暁海と櫂が