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個人事業主、これは経費にできます5選

年末も徐々に近づき、そろそろ確定申告を考え始める時期ではないでしょうか?
この記事では、経費として認められる項目とはそもそも何かをご説明し、所得税の計算方法、そしてクリエイターやアーティストの方々が経費として認められる意外な費用項目についてご紹介します。

【10秒で分かる記事のまとめ】

  • 経費として認められるものは、完全に業務上の出費である「必要経費」と、事業・プライベートに関係ある「家事関連費」の2つ

  • 経費をきちんと申請することで、節税になる

  • クリエイターは事業の内容によって、様々な費用が経費として認められる


経費として認められる費用、認められない費用

言うまでもなく、経費は自由に申請できてそれが認められるものではありません。
ここではそもそもどのような費用が経費として認められ、どのような費用が経費として認められないかをご説明します。

事業に関わる費用は経費として認められる

事業や生活に係る費用は次の3つに分類されます。

  • 必要経費

  • 家事関連費

  • 家事費

そもそも経費として認められる費用は「必要経費」と言われる自分の事業に関係するものです。例えばお客様のところに行くまでの交通費や、借りているレンタルオフィスの家賃などがそれに該当します。

そして、もう1つ「家事関連費」というものがあり、これは事業とプライベートの両方に関係するもので、自宅で仕事をしている場合の家賃や光熱費、インターネット費用などがそれに該当します。これらは、事業の支出とプライベートの支出とをはっきり分離できている状態のとき、認められるようになります。

生活費に関しては経費として認められない

もう1つ「家事費」と言われるものがあり、これは完全にプライベートな出費が当てはまります。個人での旅行や、家で食べるための食事にかかる費用などの生活費が該当し、これは経費になりません。

所得税の計算

所得税を計算するためには、まず事業所得を算出する必要があります。
図のように、「売上」から「必要な経費」を差し引き、さらに青色申告特別控除などの「控除」を差し引きます。
ここから出てきた事業所得の額に応じて、所得税率をかけて所得税額が決まります。

所得税率は累進課税(るいしんかぜい)と言って、課税所得の金額に応じて増えていきます。
たとえば事業所得が600万円とすると20%、4,000万円を超えると45%にもなります。

経費の節税効果

経費を適切に申告することで、節税の効果が生まれます。
課税所得が600万円で、所得税率が20%だったとします。この時に何か経費として支出すると、その金額だけ税金が減るので、基本的に「支出額×20%」だけの節税効果があります。例えば20万円のノートパソコンを買うと20万円×20%で4万円の節税になります。ただし、節税目的であれこれ不必要な物まで買ってしまうのはかえって利益や現金が減ってしまい本末転倒です。あくまでも事業に必要なものを購入し、正しく経費として計上しましょう。

経費にできる意外な項目

クリエイターの皆さんは、ご自身の得意な分野で様々な活動をされています。事業内容によっては「こんなものが経費になるのか」というようなものがあります。少し見てみましょう。

注意していただきたいのは、同じ項目でも事業内容によっては経費にできない、ということです。具体的に言うと、社会通念上妥当と認められた場合に経費となります。ここでいう社会通念上妥当とは「常識の範囲内」と捉えてください。
また、最終的な判断をするのは税務署になります。そのため、判断に迷った場合は税務署に問い合わせてください。

1. 衣装代

アーティストが舞台やライブで着る衣装代は経費になります。アーティストにとって舞台やライブは仕事のため、経費として認められます。
ただし、プライベートでも着用してしまうと経費として認められない可能性があるため、注意が必要です。また、念のため、舞台やライブで着た証拠として写真を残しておくと安心です。

2. 地方への旅費・宿泊費

作曲家が作曲のインスピレーションを得るために、地方に行った際の交通費や宿泊費は経費として認められます。
ただし、これも仕事のためであるため、年に何度も行くことはよくありません。あくまでも一般的に認められる範囲であることが必要です。

3. 漫画代

漫画家が、自分の作品の参考にするために購入した漫画代は経費になります。
ただし、自分の作品の参考にすることが目的であるため、あまりにも漫画のジャンルが異なっていたり、購入金額が多すぎる場合は経費として認められない可能性があります。もちろん、漫画を書かないクリエイターの漫画代は経費として認められません。

4. 打ち上げ代

同人作家のコミックマーケット(コミケ)後の打ち上げにかかった費用は経費になります。コミケは年2回の開催と決まっており、同人作家であればそこへの参加は明らかに事業であるため、終わった後の打ち上げ費用も経費として認められます。
関係者と行っている日常的な懇親会は、開催頻度や内容によっては経費として認められるケースもあるため、気になる場合は税務署に相談してみてください。

5. オンライン飲み会代

YouTuberが行うオンライン飲み会にかかる費用は経費になります。YouTuberはライブ配信を行うことも仕事と考えられるため、ファンの人たちと行うオンライン飲み会の費用が経費として認められます。

まとめ:必要な経費はきちんと申告しましょう

この記事では、所得税の計算方法から経費を申請することで節税になる理由、そして、個人事業主の職種によって経費にできる意外な項目の5つをご紹介しました。

これら以外にも業務上必要な出費があり「これは経費にできるのだろうか」と疑問に思うものがあると思います。気になるものはきちんと税務署に確認し、必要な経費はしっかりと申告するようにしましょう。


YouTube「駆け込み寺VTuberまっちゃんのBansouチャンネル!!」でも経費についてゆる~く、分かりやすく解説しています。
ぜひ、ご視聴ください。

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