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2050年に日本の総人口は8000万人を切る? 


その時、日本は今まで通りのやり方で、今までやってきたことを全部こなせる「はず」がない。年金・医療・介護その全てを見直して準備しておかない限り、日本の仕組みは瓦解する。そうならないために私たちは今、先を想定して準備するしかないのだ。


社会保障システムの限界

社会保障とは、国民の誰もが安心して暮らせるための基盤です。いわば、暮らしのセーフティネットとして、子どもから高齢者まで全ての人を生涯にわたって支えていくもの。しかし、2025年には団塊の世代全員が75歳以上の後期高齢者になる超高齢化社会が到来することもあり、まる洗いすべき課題が山積しています。

まずは年金。高齢化による受給者の増加と少子化による支払者の減少で財政が圧迫されています。保険料は年々引き上げられ、若い世代の負担は増える一方ですが、それでも状況は改善していません。このままの状態で将来の給付水準は維持できるでしょうか。高齢者からは不安の、現役世代からは不満の声が聞こえてきます。

医療・介護についても、同様で高齢化によってサービスの需要が増加しており、現役世代の負担が重くなっています。介護については、それに加えて介護サービスの質や安全性の確保、介護職員の不足や離職率の高さ等の問題も抱えており、効率化や待遇改善などの改革が必要になっています。

社会保障のシステムは世代間相互扶助を前提にしており、あらゆる課題の原因は人口減少と少子高齢化に集約されます。社会保障を維持するために必要なお金は毎年増えるのに、稼げる人は減っていくからです。2050年には日本の人口は8000万人を切ることが予想され、現行のシステムはもはや限界を迎えています。社会保障を持続可能なものにしていくためには労働人口を増やすしかありません。異次元の少子化対策を実行し、成功したとしても労働人口が増えるのは20年後です。ならば、海外から若年労働者を呼び込み、日本で働き、日本で暮らして、日本の社会保障を支えていただくという手もあります。


日本で働きたい人を増やす

早急に考えるべきは、海外の若者に如何にして「日本に住み、働きたい」と思ってもらうかです。当然、日本の賃金を上げていく必要があります。他の国に比べて賃金の低い国にわざわざ働きに行こうとは思いません。そして、賃金に代表される労働条件だけでなく、言語や文化の違いにおけるストレスを緩和する生活支援が必要です。ただの働き手ではなく、一人の人間や一家族として地域社会で受け入れていくために、日本語や日本の文化、ルールなどが学べる場を提供することで、相互の暮らしやすさにつながります。

日本には外国人が働きながら技術を学ぶ「外国人技能実習制度」があります。発展途上国への技能移転という国際貢献を目的に1993年に始まったこの制度。実態は外国人を低賃金労働者として搾取し、国際的な非難の対象になっている制度なのです。こんな制度は即刻廃止して、外国人にとっても、日本人にとっても働きたいと思える魅力的な社会を構築していかなくてはならないのです。

改めて言います。社会保障とは、国民の誰もが安心して暮らせるための基盤です。その基盤が揺らいでいる国では安心して暮らせないのです。人口減少、高齢化はすぐに止めることはできません。それを正面から受け入れた上で、安心して暮らせる社会を実現していきたいと思います。

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