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銀行の法人営業を「見える化」してみました|3年目のカベ

法人営業の迷路に迷い込んでいませんか?

日々の活動が成果に結びつかない、上司に言われた通り動いているのに。

はい。それは「地図がない状態で動いている」から。一度俯瞰してみてみましょう。あなたの日々の活動にはどんな意味があるでしょう?

法人営業可視化

それぞれ簡単に解説しておきます。

01|リレーション構築・情報収集

案件の成否はこの下地づくりの部分がカギを握るといっても過言ではありません。

提案後にひっくり返される、なぜか決まらない、最悪他行にやられてしまう。

そうした事象はこのパートに原因があることが多いです。

実態把握|雑談|情報提供|捨て案|工場見学|本業支援|事務手続

これらは4つの不でいうところの『不信』の解消です。

自社を分かっている人に提案してもらいたいし、日頃のやり取りで信頼のおける方から提案をしてもらいたいですよね?

キーマン探し~接待

決裁権者でもない人ばかりに会っていても進展はありません。

しかし、一見決裁権者に見えなくても、実際は社内発言力の強い方がいらっしゃいます。

案件を進めるにあたって発言力をお持ちの方々をキーマンと呼びます。

全てのキーマンがアグリーとなるよう懐柔したり、社内で調整をしておいてもらう必要があります。

課題探し~たたき台

ニーズと微妙にズレている提案をしていませんか?

しっかりと課題を把握して、少なくとも担当者間では認識のズレがないところからスタートしましょう。

行内根回し

敵は本能寺にあり。自分が話の中心にいないと、途端に期限が悪くなる方がいます。

「おれ、聞いてないから。勝手にやるな。」

そう言われてせっかくのネタが腐ることも。

各所『おうかがい』を立てておきましょうね。

02|提案・稟議

もし、リレーションがきちっと構築できているなら、提案・稟議においての取引先とのやり取りはあまり負荷はありません。

少なくとも担当者間では、同じ方向に向いているはずです。

ここで大事なのは、『段取り力』です。

案件の大小で関係者の数は変わりますが、基本的に複数の事柄が同時並行で走り、それぞれをきっちり仕切る必要があります。

PM(プロジェクトマネジメント)みたいなものです。

ガントチャートのような形で見える化し、自分も稟議や折衝などで手を動かしながら、本部や事務方、ときには上司を動かしていかなければなりません。

融対物件調査|必要書類収集|稟議

与信を取る案件の場合、融対物件(融資対象物件)の現地調査は基本中の基本になります。

このとき、大口の案件になれば、支店長や本部の審査役も連れていくといったアレンジが必要になる場合もあり、取引先側も社長か役員のアレンジが必要になるなど、日程調整だけでもくらくらします。

必要書類の手配も重要で、銀行取引に慣れていない相手の場合、受注明細がすぐに出せない、売買契約書のリーガルチェックが終わっていない、といった事象は頻発します。予め、これとこれが必要です。と伝えておきましょう。

事前審査|本審査|提案・調整|顧客の稟議(取締役会・株主総会)

大口の案件では、最後の最後でハシゴ外し(=稟議が通りませんでした)にならないよう、事前審査をしておくことがあります。

また、金利や担保などの条件交渉を同時に進めなければならない場合もありますので、案件発生当初から、審査サイドときっちりコミュニケーションを取っておきます。

また、忘れてはいけないのが、顧客側での承認プロセスです。100%株主の社長だとしても、一存で決められないような体制にあえてしている事もあります。

会社の規模が大きくなれば、取締役や株主(または委任状)の召集に時間がかかる場合もあります。特に、取締役会や株主総会の決議事項にあたるかどうかは確認しておきましょう。

03|実行・契約

双方承認が下りたら、実行は書類のデリバリーだけ、と思っていませんか?

実行時には様々なトラブルが起きますので気を引き締めておきましょう。

土壇場になって、社長が連帯保証を嫌がる、いつの間にか先順位で担保設定されていた、金利を他行と比較すると言ってきた、市場金利をおさえた後に社長が日程変更したいと言い出した、など枚挙にいとまがありません。

貸金なら着金して支払いのために出金するまで、運用なら預金が振り替わるまで、気を抜かずに中腰の姿勢でいることが大事です。

また、実行のタイミングでは事務方に負担をかけるので、ケアが必要なのは言うまでもありませんが、その他にも「おれも案件に絡んだ」という人々が多数発生します。

親戚が突然芸能人になったようなものです。

各所に報告と御礼を言っておきましょう。次からの対応が楽になります。


いかがでしたでしょうか?大口の貸金案件を想定して作りましたが、他の項目でも、小さな話でも基本は同じかと思います。ご自身なりに応用してみてください。

より案件推進について具体的なことが知りたい方はこちらをご参照ください。


また、セールス心理に興味が出てきた!という方はこちらもどうぞ。


最後までお読みいただきありがとうございました。よかったらスキしてください!

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