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笑顔でいて

君が涙を流しても
僕にはどうすることもできない
頬を伝って落ちてしまう前に
すくい上げることも叶わない

時が経ち色あせてしまうペンキのように
大切にしたい記憶もやがて薄れてしまうだろう
そこにしか僕はもういないから
どんな声をしていたのかも
やがて思い出せなくなるかも知れない
体温も匂いも当たり前に存在していたのに
もう感じることはできない

でも悲しみも苦しみも同じようにいずれ薄れゆく
その存在が薄れても一緒に悲しみも
どこかへ消えてくれるのなら
その方が僕は幸せだ

生きることは進むこと
現在という駒が時間に押され未来に進まされる
立ち止まることはできない
僕との距離はどんどん開いてしまうから

君を求めてしまっても
僕にはどうすることもできない
だから君が見えなくなってしまうまで
ずっとその背中を見守ることしかできない
たまに振り返るときは笑顔を見せてほしい
そう願いながら

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