『君の名前で僕を呼んで』(91点)
これは、ただのラブストーリーではないですね。
あらすじ
17歳のエリオ・パールマンは、今年も両親と共に北イタリアの別荘で一夏を過ごしていたが、
ある日、アメリカからオリヴァーがやってくる。エリオは、オリヴァーを疎ましく思っていたが、次第に彼に対して特別な感情を持つようになり、徐々に惹かれあっていく物語。
たしかにメインは同性愛だったり、LGBTQ+の話ではあるのだけれど、
この映画は、もっと大きなテーマを扱っていると思いました。
それは、「周囲の人のやさしさ」です。
まずは母のアネラ。
いち早くエリオの感情に気づき、抵抗や反対をせずにエリオの恋を応援し続ける姿が素敵でした。
こんな器の大きな母親になりたい…
心からそう思いました。
そして、エリオの(元)恋人のマルシア。
自分が1番ではないと心のどこかでは知りつつ、
彼をずっと愛し続けるマルシアに惹かれました。
最後のシーンでの、「一生友達」という言葉も、
よかったですね!
きっとアネラに何かを言われたのだろうけど、
全てを受け入れて友達に戻れるって、
なんて素敵なのだろう…と思いました。
最後は父。
最後のエリオにかけた言葉に、涙腺が崩壊しました。
「普通の両親なら、早く終わらせたいと願い、息子が普通になることを祈るが、私はそうではない。」
「今は(オリヴァーと別れて)ただひたすら悲しく辛いだろう。だが、それを葬ってはいけない。お前が感じた喜びをその痛みとともに葬ってはいけない。」
「人は早く立ち直ろうと自分の心を削り取り、30歳までにすり減らしてしまう。そして、新たな相手に与えるものが失われてしまう。だが、何も感じないことや、感情を無視することは、あまりに惜しいことだ。」
こんな父親が欲しいですね。
この時感じたのは、知識の量は愛の深さに比例しているということです。
愛が大きい人は、経験から得た知識の量が、
人よりはるかに多いと思いました。
そして、なんといってもこの映画の見どころは、
エリオ(Timothée Chalamet)の演技力でしょう。
17歳の思春期ならではの感じの演技が、
もう、ほんとうに、最高に、上手でした。
エリオの若さゆえの無邪気さと愛らしさ、
そしてオリヴァーの大人の雰囲気が、
相性抜群でした♡
また、北イタリアの田舎町を舞台としていて、
ゆったりとした時間の中で描かれるストーリーは
終始素敵でした。✨
水着でビーチバレーをしたり、
裸足で歩いたり、川で泳いだり、
イタリアの人って、結構タバコを吸うんですよね。
観た後に心があったかくなる映画でした。😌
最後までお読みくださり、感謝いたします🍀
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