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渦の目

リーダーを直訳すると、「導くもの」といった意になるでしょうか。リードという単語にerがついたものかな? とすると、そんな感じのニュアンスなのかなと思います。

ですが実際のリーダーたちは、そんなに「引っ張って行く人」感がないようにも思います。むしろ、トナカイに引っ張ってもらうソリの上に乗ったサンタさん的なイメージです。「はいはいありがとう。がんばってね」と微笑みつつ要所要所で「はいや!」とむちを打つ。なんか気持ちがよくて、痛いんだか苦しいだかもよくわからず、がんばっちゃうトナカイ。子どもらを笑顔にするきっかけとなるプレゼントと、それを配るサンタさんを乗せたソリは世界中を旅する。ああ、これがリーダーなのか。間違ってもそれはトナカイじゃない。サンタさんなのだ…なんて妄想です。

でも、けっこう、実際に、妄想でなくて、リーダーってそういう感じのものなんじゃないかと思います。私が身近な存在として思い浮かぶのは、フェスやおまつりの実行委員長です。顔役ということばも浮かびます。この催しときたら、この人の顔! が浮かぶネ! という。それ、リーダーです。象徴といいますか。シンボル、偶像…なんていうと、アイドルということばも思い浮かびます。あるいは、アイコン?

バリバリ仕事ができて、だれにでもわかる明快な方針を掲げて、先鋭的なアイディアでもって具体的なミッションをきびきびと指示する…そういうリーダー像とは、いまわたしが想像しているリーダーはだいぶ違うものです。180度、といっていいかわかりませんが…。

愛する役、とでもいいましょうか。あるいは、愛される役、でしょうか。で、まわりの人は、その人を愛しているし、愛されているのがわかるという関係。いえ、なんか、身近な実際のあなたの周りの「リーダー」を思い浮かべて「気色わるっ!」なんて思うかもしれませんが、でも、案外、本質を思うとそうなんじゃないかな…その存在によって、結びつき、結びついた人たちが、がんばって仕事できちゃう。あるいは、(愛をもって)ばかにされるくらいの存在なのかもしれません。「リーダー? お茶のんでるよ(私たちがあくせくはたらいている間に!)」「リーダー? どっかで誰かと遊んでんじゃない?」なんて言われるくらいの人が、ちょうど務まる役、それがリーダー…ちょっと違うかな?

もうちょっと、腹の底で何を考えているのかわからない…なんてニュアンスもあるかもしれません。ニコニコして見える。その笑顔は、深く遠い。下がった目尻の奥に光る目。徳川家康みたいな…(会ったことも見たこともありませんが)でしょうか?

こう、ビシバシと引っ張っていく感じでなくとも、はたらくひと、ずんずん前に出て方々へ出かけて行って活躍する人たちの中心にいる人。その人を中心にして毎日をがんばることで、なんとかみんなが「生き残っていける」、その確信がなぜだか持てる存在。そのリーダーに頼ってちゃ、なにも進まなそうなのに、なぜか頼れる存在といいますか…こまごました専門的なことをこなせるとは思えないので、まわりがはたらく。で、真ん中に「ありがとお」と言いつつどっかり座っている。もちろん、リーダーだって人間だから、立ち歩いてどこかへ行ったり、ほかのリーダーと会って話をしたり、リーダー以外と話をしたりします。ときにはひとりでいますし、家族を持っていたりもします。

こう、いろんな人がいるから、その中にリーダーも「現れる」。そんな感じでしょうかね(どんな感じや)。

お読みいただき、ありがとうございました。

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