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理学療法士が伝える!ボーカルのための声知識〜歌う仕組みと筋肉を知ろう!〜

はじめまして!

元バンドマンで現在理学療法士(※)として
働いてるやまねと申し訳ます。
記事を読んでいただきありがとうございます!

※脳、筋肉、生理学、運動学などの知識を学び
 病院やクリニックなどで
 身体の痛みを取り除き、身体が動かしやすく
 なるように指導している職業。国家資格。



今日はボーカルについてのお話です!





ボーカルは腹式呼吸がいい!
横隔膜を意識して!!




腹式呼吸がいいものという印象であったり、
横隔膜を意識する指導をされる方は
多いのではないでしょうか?




もちろん腹式呼吸も横隔膜の意識も大事です。

皆さんはなぜ
腹式呼吸や横隔膜が大切かご存知でしょうか?




結論からいうと
胸式呼吸でも、腹式呼吸でもなく、


胸腹式呼吸が最もボーカルには良いです。




今回は胸腹式呼吸の仕組みと
胸腹式呼吸しやすくするために
整えるべき筋肉の説明をしていきます!




それではいきましょう!




①歌う仕組みと胸腹式呼吸



歌う仕組みとは以下の通り。


①呼吸
吸った空気を肺からだす

②声帯振動
喉にある声帯が振動して音になる。

③共鳴
喉、鼻、口で音に響きが生まれる。

④口で構音する。
母音、子音が出来る。



このように入ってきた空気をだすまでに
喉や口で空気を加工して音色を作っています!




この仕組みの中で
なぜ腹式呼吸が大事になるのか。



それは、
腹式呼吸だと喉への圧迫感が少ない
からです。



どういうこと!?
と思わはる方は多いと思いますが、
胸式呼吸と腹式呼吸での、
身体が動く部位の違いを理解すると
わかってきます!




そもそも前提として、
実は、
肺自体には膨らんだり縮んだりする能力は
ありません。


以外と知らなかった方も多かったのでは
ないでしょうか!


肺は周囲の筋肉が働くことで
肺が膨らんだり縮んだりします。




まず、胸式呼吸だと
背骨、肋骨、胸骨、鎖骨、肩甲骨が
息を吸う時に広がり、
吐く時にもどっていきます。

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腹式呼吸だと
背骨、肋骨、胸骨が息を吸う時に広がり
吐く時にもどっていきます。

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お気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、
胸式呼吸だと、
鎖骨や肩甲骨も動きやすい
呼吸方法になってしまうのです。




鎖骨や肩甲骨が動きやすい胸式呼吸だと
何が良くないのでしょうか?




そもそも胸式呼吸はその言葉の通り
胸をメインに行う呼吸法なので、
お腹側の筋肉をあまり使いません。




お腹側の筋肉をあまり使わない分
肋骨全体がよく膨らみ、
肩甲骨や鎖骨も一緒に動きます。




肩甲骨や鎖骨には首の周りに着く
筋肉がいくつかあるので、
肩甲骨、鎖骨が動くことで
それらの筋肉が太くなり、喉を圧迫
してしまうのです!!



喉の圧迫が起こりやすいため、
胸式呼吸では喉が疲れやすかったり、
ロングブレスしにくかったりしにくいのです!




逆に腹式呼吸では
腹筋群や横隔膜によりお腹をメインに
使う呼吸法なので、胸あたりの筋肉は
あまり使いません。



胸式呼吸と違って鎖骨や肩甲骨が動きにくい
呼吸法なので、筋肉による喉への圧迫が
少ないのが利点です!!



利点はもう一つあります!



胸式呼吸だとどちらかというと
横向きの力が生まれるのですが、
腹式呼吸で横隔膜を使うと喉の方向への
力が生まれやすいので、
声に力強さがでたり、ロングブレス
しやすくなったりします!




そして理想なのは胸腹式呼吸です。

胸式呼吸→横方向への力→肺が膨らみやすい
腹式呼吸→上下方向への力→声が力強くなる



この2つをうまい具合に掛け合わせると
沢山息を取り込めて、力強く息をだせる
胸腹式呼吸ができるわけです!

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具体的には
横隔膜を使いながらも、
胸あたりや、お腹寄りの肋骨を
膨らませるイメージで行うと良いです!




解剖学的に
頭側から1〜7肋骨は胸骨に付きますが
8〜10肋骨は7番目の肋骨の軟骨に付きます。




なので、
8〜10番目の肋骨(お腹寄り)が膨らむと
連動して7番目の肋骨も動くので
肺が全体的に広がりやすくなります!




さらに胸の高さくらいまでであれば
鎖骨や肩甲骨が連動して動くことは
少ないので、イメージとしては
5番目(胸の高さくらい)の肋骨からお腹寄りの
肋骨を膨らませるイメージが良いでしょう!
(腹直筋が5〜7の肋骨につくからです。)




是非皆さんも
横隔膜と、5〜10番目の肋骨を広げる
イメージで呼吸してみてください。





②ボーカルはここの筋肉を整えて!


胸腹式呼吸を行いやすい身体に
するにはどのようなことを
すれば良いのでしょうか?



胸腹式呼吸
→腹筋と背筋の筋膜、肋骨、横隔膜が膨らむ


つまり、
腹筋、背筋、肋骨、横隔膜の
柔軟性が必要になります!

(細かく言うと骨盤底筋群もですが今回は割愛します。またの機会に…)




腹筋、背筋、肋骨周囲には沢山の
筋肉がありますが
いくつか代表的な筋肉を紹介します!



❶腹直筋
❷広背筋
❸斜角筋
❹横隔膜




❶腹直筋

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腹直筋は胸骨や第5〜7肋骨についてるので、
硬いと胸腹式呼吸がしにくくなります。

なので、しっかり柔らかくしておきましょう!



腹直筋ストレッチ

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20秒ストレッチ(理想は3回)




❷広背筋


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広背筋は背骨や背中の膜からついてるので
硬いと背中全体が硬くなり
肋骨が広がりにくくなります。

柔らかくしといたほうがロングブレスに
有利ですよ!


広背筋ストレッチ

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20秒くらい(理想は3回)




❸斜角筋


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斜角筋が硬いと喉が圧迫
されやすくなり、
声が出しにくくなります。

柔らかいほうが喉が楽だよ!!



斜角筋ストレッチ


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20秒くらい(理想は3回)




❹横隔膜


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横隔膜が硬いと
腹式呼吸しにくくなりますよ!!

ちょい痛いですがチャレンジ!



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左右15回ずつ(理想は3セット)





最後に


いかがだったでしょうか!?



まとめると、
・肺自体には膨らんだり縮んだりする能力はない。

・筋肉が肺を膨らませたりしてる。

・お腹、背中、肋骨柔らかくしとくと有利!




はじめてボーカルに関する本を
読んだのですが
すごく面白い。



まだ全部読み終わってないのですが
もう少し良い知識を皆さんに
共有できそうです。



ポリープについての記事も書きたいな
と思ってます!




僕自身多くのバンドの

ボーカルの声に
救われたり、背中を押されたり
してきました。



ボーカリストの方々にはいつまでも華々しく
堂々と表現していただきたいのが
僕の本望です…!


ボーカルも身体が資本です。

ボーカルの方々は
是非コンディショニングしてください…!!




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