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秋に思う(事故で亡くなった従兄に寄せて)

あなたとの別れが始まったのは
初夏の日の夕暮れ
あなたは自転車に乗って
ちょっと出かけただけ

それがどうして

あなたは病院の白い部屋の中
チューブで機械につながれて
意識が戻るかわからないと

長い別れのはじまり

毎日会いに行った
もう目覚めないかと
ありがとう
気がついてくれて
最後の日々をありがとう
でも
最期のひと息までは短かった
もっと長く一緒に
生きていたかった

秋彼岸
あなたを思い出す
あの病院の日々は夢で
あなたは自転車に乗って
ちょっと出かけただけなんじゃない?

日は巡る
日常は
あなたがいた日々と
よく似ていて

こんな夜に帰って来て
他愛もない話をして
笑い合える気がするの

思い出は消えないけれど
明日あなたが
いないのが寂しい

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