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自費出版と自己出版(セルフパブリッシング)とかその他雑記

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私は、自費出版も共同出版も自己出版もやったことがあります。できればオンデマンドもやってみたい。だから、記録をまとめてみました。 自己出版のノートを入れるために作ったマガジンですが… もっと読む
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2020年7月の記事一覧

太陽とわに

太陽とわに

あなたの空が
たとえ雨でも
分厚い雲の上
太陽は輝く

あなたが
満ち足りた鰐なら
森の中の樹のように
静かに雨にうたれる
わずかに口を開いて

世界は不機嫌な鰐でいっぱい

重い雨雲の上には
太陽がある
見えないだけだ

やがて雨は止み
あなたは光を浴びて
小鳥が止まって歌うだろう

死の種

死の種

無限の空間にうごめくものがあった。

そこに光がやってきた。

光は言った。
「お前に”命”を与えよう。
それは、すべての喜び、すべての輝くものであり、
お前の中で育ち、老い、枯れるであろう。」

次に、薄闇がやってきた。

灰色の薄闇は言った。
「お前に”性”を与えよう。
それは次の命の器を用意するためのものだ。
多くのものは、肉体の器に合わせて育ち、
開花し、枯れるであろう。
しかし、肉体の器

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また夢の話

また夢の話

私は保険の外交員だ。
古びたマンションの階段を、最上階まで上がっていく。
その階に訪問先があるのだ。
片手には書類ばさみを持っている。
契約更新の書類であろう。

ドアを開けると、色とりどりの布きれが畳にちらかっていて、
老女が裁縫をしている。
私が行くと「ちょっと待って」と、必要な書類を捜し始めるのだが、
見つからないらしく、奥に行く。

やがて、私を手招きして、探すのを手伝ってくれ、と言う。

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夢の話

月夜だった。

私は恋人と約束がある。
映画を見に行くのだ。

歩いていくと、井戸がある。
昨日、また人が死んだのだそうだ。
「いくら埋めても落ちるんだよ。」と、作業員がこぼす。

さて、地下通路の入り口は狭い。
産道のような狭い階段を下りて、羊水のような生ぬるい水に入る。
水にもぐって泳いでいくのだ。
そして通路の出口はまた狭く、やっと頭を出すと

私の恋人の”妻”が立っていた。

彼女は私の親

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キューピッドになった話

キューピッドになった話

あれはまだ私がイケイケにナイスバディだった遠い昔<死語
オフィスでエンジニアをしていたのだ。
日本人って、シャイね。
あんまし、口説かないのよね。
アタシ、好みがはっきりしてるから、
顔はどーでもいいの。

目当ての男性がいるフロアは下。
用事つくっちゃー行ってたんで、そこの先輩とも親しくなった。

でも、私の目当ては別。そっちの先輩も私には恋愛感情なし。
だから気楽に冗談のつもりで
『いい娘がい

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貧困はすぐそばに #私と健康で文化的な最低限度の生活 #マンガ感想文

貧困はすぐそばに #私と健康で文化的な最低限度の生活 #マンガ感想文

私の家は貧乏だった。

でも、それは村に大きな団地ができて農地を売った土地成金が多かったのと
新しい団地にハイソな若い夫婦が多く引っ越してきて
リカちゃん人形が買ってもらえないとか
母の古着を仕立て直して着ているとか
そういうのが目立っただけで、

すき焼きの肉はちくわ

そうすれば「健康で文化的な最低限度の生活」より少し上を暮らしていけた。大学にも行かせてもらえたし。(母がそれこそ爪に火をともし

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