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【初心者トレーダーの振り返り】2024.03 売買記録

2024年3月上旬に米国株の個別銘柄トレードを始めて3ヶ月が経過したので、最初のトレードから振り返りをしてみたいと思います。
仕掛けた銘柄ごとに損益、仕掛け・手仕舞いの理由とタイミング、その時の相場状況や自分の心理状況、成功・失敗要因、など何かしら覚えているものを取り上げます。あまりにも意味のないトレードは省略します(下記の倍くらいあります・・・)

ちなみにこの記事の対象である3月はトータルで+7.1% 、S&P500を+4.0%上回るというビギナーズラックを達成しましたが、基本的に全てのトレードで直感・思いつき・誤った情報に基づく売り買いを行っおり、私の認識ではほとんどが失敗トレードになりました。



3/5:NVIDIA ($NVDA) / 【損益】 +4.1% / 【保有日数】 12日

選定理由:とあるきっかけがあり、これまでのインデックスETF投資やNASDAQ上場企業である所属企業から付与されたRSUの含み益を使って個別株トレードを始めてみようと思い、思いつきでいくつか買ってみた銘柄のひとつ。どんな情報や考え方に基づいて何の銘柄を買えばいいか、何の手がかりもなかったので、その時値上がりが話題になっていたからという理由で適当に買ってみた。
仕掛けの理由:特に何も考えず、酒を飲みながら見ていたテレビがCMに入ったタイミングで買ったと思う。なぜか損切りの知識はあり、たしか-3%近辺に逆指値のストップロスを入れていたはず。(ちなみに、この振り返りには含めないが、この前日にもNVDAを買っている。買った直後にストップロスを入れようとしたところ、指値と逆指値の違いを知らずに売り指値を入れてしまい、即売るというアホトレードをしている。)
保有中の心理・相場状況:買ってから2,3日は順調に上げていたのに、数日後に大きく値下がりし、ハラハラしながらその後数日のちゃぶつきを眺めていた。
手仕舞いの理由:価格が戻ったところで手仕舞いした。改めて振り返ると、仕掛けのタイミングも手仕舞いのタイミングも特に意味のないもので、若干でもプラスになったのは単に相場の勢いのおかげだったようだ。
学び:せめて仕掛けのタイミングくらいは何か考えてから仕掛けよう。


3/5:MICROSOFT ($MSFT) / 【損益】 -0.1% / 【保有日数】 7日

選定理由:MicrosoftもNVIDIAと同様、適当買い。AI相場だとは分かっていたので、OpenAIを抱えておりAI銘柄の本命ではないかと思って確か買ったのだと思う。
仕掛けの理由:思いつき。急落した日の日中最高値で掴んでいる。たぶん寄り付きで買ったのだと思う(市場が開いてから30分はトレードするべきではない時間帯だと、今は知っている)。
保有中の心理・相場状況:数日間、含み損を眺めながら、なぜ有利なニュースも不利なニュースも出ていないのに、意味もなく価格が上げ下げするのだろうと思っていた。大昔に読んだ『ウォール街のランダム・ウォーカー』に書いてあった市場は効率性であるというアイデアを疑問に感じ始める。
手仕舞いの理由:買値に戻ってきたタイミングでトントンで手仕舞い。振り返ってみれば、せめて同じ日の引けで買っていれば7日で+3.3%ほどの利益が出ていたはずで、まずまずのトレードだったはずだ。ちなみにこの銘柄は本日6/2時点で上記トレードと同じ価格に戻ってきている。
学び:適当に仕掛けるにしても、せめて買いのタイミングには注意を払おう。市場が開いて30分間は基本的にトレードするべきではない。


3/5:ARMホールディングス ($ARM) / 【損益】 -14.3% / 【保有日数】 14日

選定理由:株価が上がっているとニュースで聞いた半導体企業の中で、数少ない名前を知っている企業だったから。SoftBank Vison Fundがオーナーだと知っていて、伸びそうだと思ったから。
仕掛けの理由:思いつき。
保有中の心理・相場状況:実はこの時、ARMはIPO後6ヶ月を経過しようというところで、前オーナーであるSoftBankのロックアップ期間終了間近だったため、その利益確定売りが警戒されている状況だった。そんな状況で買いが増えるわけもなく、緩やかに値下がりしながら売り時を見失っていった。
手仕舞いの理由:『新マーケットの魔術師』でトム・バッソというトレーダーが言っていたことに勇気づけられたので、損切りした。

それぞれのトレードは、これからする1,000のトレードの最初の一つだ、と考えるようにそのトレーダーに言いますね。その後に1,000のトレードが控えていると考えたら、一つ一つのトレードが、途端に取るに足らないものに思えてくるのです。ある一つのトレードが成功したか、それとも失敗したか、そんなことは気にする必要がないのです。ただのトレードなのですから。

トム・バッソ - 『新マーケットの魔術師』

学び:短期トレードを仕掛ける時は、価格変動に直結しそうな直近のイベントを確認しよう。なお、このトレードの後も、決算発表や経済指標発表などの直前にトレードをしてしまい、何度か同じ失敗を繰り返す・・・


3/6:Super Micro ($SMCI) / 【損益】 +15.0% 【保有日数】 6日

選定理由:半導体業界の企業で、前日の出来高ランキングの上位に入っていたから。
仕掛けの理由:特にないが、あとから見ると、日中最安値でエントリーしており、偶然良いタイミングで仕掛けることができていた。もし日中最高値で買っていたら+2%の利益にとどまっていたはずなので、(何も考えていなかったが)結果的によい仕掛けだった。
保有中の心理・相場状況:マーケットのチャート入門』を読んでいて「ヘッド・アンド・ショルダー」というチャートパターンが何やらかっこいいと感じ、この銘柄に当てはめてみたらピタリとハマったので、気分が良かった。
手仕舞いの理由:ちょうどヘッドからの反転が始まったので、おおっ、これは!と思って手仕舞い。このトレードから3ヶ月たった今では、こういった古典的なチャートパターンは使わないようにしているが、このケースでは教科書通りにハマっていたのは事実であった。後から考えれば、ヘッド・アンド・ショルダー・パターンの有効性というよりは単純にモメンタムの良い銘柄であり、上昇トレンドのクライマックスのちゃぶつきの中で良いタイミングをたまたま捉えられただけだったように見える。
学び:モメンタムの良い銘柄を買うべし。今回はたまたま良い手仕舞いができたが、普通、自分には反転タイミングは予測できない。ヘッド・アンド・ショルダー、ダブルトップ、エリオット波動の第X波、その他諸々のパターンの区別をつけるのは一般に困難。


3/7:Z Scaler ($ZS) / 【損益】 -1.8% / 【保有日数】 5日

選定理由:成長性の高いAI銘柄で、何やらインフルエンサーっぽい人が推薦していたから、試しに長期保有ポートフォリオに加えてみようと思って買い。ただし、ポートフォリオの設計などこのときは何も持ち合わせていなかった。
仕掛けの理由:前日に急落しており、押し目買いのよいタイミングだと思ったから。決算後の下落だったことには気づいていなかった。
保有中の心理・相場状況:買ってから数日間ほとんど値動きがなく、退屈だった。$MSCIや後述の$MRAIを見ている方が面白かった。
手仕舞いの理由:動かない値動きを眺めるのに飽きたのと、チャートから根本的に勢いを感じてこず、持ち続けていると嫌なことが起きそうな予感がしたため、売り。この銘柄はこの後も下げ続け、200日移動平均線を下に交差して推移し続けている。おととい木曜日の決算も悪く、翌金曜日にさらに大きく下げた。たまたまだがこのトレードでの悪い予感はあたっていた。
学び:嫌な直感は当たる、と安易に過学習するべきではない。戦略も戦術もなく、知らない他人の意見を鵜呑みにしてトレードしているのだから、その時点で失敗だろう。あと、チャートの動きが退屈かどうかは、恐らく、利益と関係ない。


3/7:Marpai,Inc. ($MRAI) / 【損益】 +29.6% / 【保有日数】 3日

選定理由:前日の出来高急騰ランキングに入っていて見つけた。調べると生成AIを活用した法人向けプラットフォーム事業をやっていると分かり、将来性を感じた。さらに、イスラエル企業であることも分かった。イスラエルは優れたスタートアップを排出するテックカントリーと知っていて、個人的にもイスラエルとは縁があり、彼の地のテック業界人の優秀さも知っていたので、これは伸びるんじゃない?と思って買い。また、「投資初心者には小型株が大儲けのチャンスが大きい」という不確かな謎情報をネットで見ていたのも影響した。
仕掛けの理由:前々日のARMやMicrosoftでの寄り付き30分以内の高値掴みの負けパターンを学習していたので、日中安値圏に入ったのを見極めてエントリーした。
保有中の心理・相場状況/手仕舞いの理由:仕掛けた当初、半年以上保有しようと思っていたのだが、買って3日後に30%以上も急騰し、ラッキーだなと思って衝動的に利確した。
いまだったら絶対にこの銘柄には手を出さないだろう。200日移動平均線を大きく下回って長期下落トレンドだし、1株$10以下の小型株はボラティリティが激しすぎて失敗しやすいと知っているから。
なお、それまで平均出来高10万ほどだったこの銘柄が3/6に600万以上の出来高をつけた理由は長らく謎だったが、つい先週、NASDAQ上場廃止し店頭取引に移行するというニュースが出て、-50%以上暴落した。当時他にニュースは出ていなかったので、上場廃止の内部決定を知ったインサイダーかそれに近い人物/グループが大きな買いを入れたのではないかと思っている(なぜ、買いの判断を彼らがしたのかは依然わからない。この後別のポジティブな展開があるのか、インサイダーも素人投資家にすぎないという話なのか、現時点ではわからない)
学び:想定外の急騰で急いで利確するのは悪くない。
しかし、そもそもAIを活用したXX事業をやっていること、イスラエル企業であること、等は株価の推移予測とは何の関係もない。
イスラエルに何度か出張し、イスラエル企業複数社と仕事をしたことがあるという自分の過去の経験も相場には何も関係がない。
また、小型株は乱高下する。
出来高の急増を伴う株価上昇はたしかに何かを意味しているケースが多いが、必ずしも自分に有利な展開の暗示であるとは限らない。


3/12:NIKE ($NKE) / 【損益】 -0.7% 【保有日数】 2日

選定理由:「セクターローテーション」という概念を知り、低金利・好景気から低金利・不景気に移ろうとしているタイミングで強くなるのが「一般消費財・安定消費財」セクターだと知ったため、何か保有してみようと思い、適当に目についたNIKEを買い。
仕掛けの理由:特になし。数日前に学習したはずの日中高値掴みをしている。
保有中の心理・相場状況/手仕舞いの理由:買ってから途端に値動きが止まり、退屈だった。この時、200日移動平均線の下にある銘柄は下げ続けていく傾向があるということを知り、数日後の決算が心配になったため、買値のまま売ることにした。
学び:200日移動平均線の下にある銘柄は買うべきではない。これは正しい。金利・景気循環に基づくセクターローテーションも恐らく正しいが、2~3日で効果が出るわけがない。


3/14:アドバンスド・マイクロ・デバイセス ($AMD) / 【損益】 -5.7% / 【保有日数】 11日

選定理由:$SMCIの成功の再現を狙って、やはり今は半導体セクターに集中するべきだと考えた。いくつかチャートを見ているうちに、$AMDのチャートはフィボナッチ・リトレースメントを当てはめると良好なリスク・リターン比率を期待できる、勝てる可能性の高いトレードが出来そうだと考え、エントリーした。
仕掛けの理由:高値掴みしているが、まさに次のフィボナッチエリアに入っていく上昇トレンドが戻ってきたと感じて仕掛けた記憶がある。また、ストップロスの逆指値を入れ忘れている。
保有中の心理・相場状況:おっと、下げていくパターンか・・・賭けに負けた、多少戻したタイミングで損切りしようかな、と思いながら反発を待ち続けていたが、下げていくのみだった。ストップロスを入れ忘れたことに気づき、なおさら戻り売りの機会を待つしかなくなった。
手仕舞いの理由:数日前と比べると多少は価格を戻したので、降参して手仕舞いした。損を出しているにもかかわらず、なぜかこの時は、数日前と比べるとマシなのだから、と考えながら売り注文を出した記憶がある。
ちなみに、この後も今日に至るまで下がり続けている。
学び:何もかもが間違いのトレードだった。$SMCIのトレードでの成功要因は、半導体銘柄だからではなく、良好なモメンタムがあったこと、上昇セクターの先導銘柄だったこと、仕掛けと手仕舞いにおいて(偶然ではあったが)規律があったことだった。$AMDのトレードではそのどれもが不足していた。さらに、ストップロスをかけ忘れ、アンカリングやディスポジション効果など典型的な行動バイアスに捕らわれて、手仕舞いできずぐずぐずと穏やかな下落を待ち続けてしまった。フィボナッチ・リトレースメントが機能する背景や条件を十分に理解していないのに安易に使用した。
このトレードの失敗によって、自分はチャートから無意識な株価の動きを感じ取り、しかも行動バイアスを超越できるような、生まれながらの勝ち組トレーダーではない、したがって、明確な仕掛けのシグナルと事前に準備された手順に沿った規律に基づくなトレードをしたほうが後味が良い、と気づき始めた。


3/19:Super Micro ($SMCI) / 【損益】 +11.0% / 【保有日数】 5日

選定理由:前回の成功を踏まえて、ヘッド・アンド・ショルダーの右肩に差し掛かるときに2度目の仕掛けをしようと決めていた。
仕掛けの理由:ヘッドの底のネックラインに近い日中安値圏を狙ってエントリーした。
保有中の心理・相場状況:しめしめ、思ったとおりに動くぞ。俺は株価の動きをマスターした! ・・・とまでは思わず、逆指値を細かく動かしながら(楽天証券では米国株で自動トレイリングストップができない)淡々と株価の動きを見ていた。
手仕舞いの理由:ヘッド部分にあたる前回高値の半分辺りまで戻したため、手仕舞い。オート・トレイリングストップが使えていれば、翌日の日中高値まで待ってでもう4%くらい利益を追加できていただろう。
学び:3/4にトレードを開始して初めて、計画的かつ自分の狙い通りに利益を出せたトレードになった。この後、ヘッド・アンド・ショルダーや他のチャートパターンでトレードを積極的に行っているわけではない。しかし、あらかじめ準備された、かつ腹落ちする手順に従って、システマティックにトレードを遂行するのが自分の性格にも合っているし、そうであれば規律を守ることがしやすいので結果も出るんじゃないか、と考えるようになった。


3/22:Micron Technology ($MU) / 【損益】 +10.9% / 【保有日数】 7日

選定理由:$MSCIでの2回の成功から、何かしらシステマティックな基準に基づくトレードをしようと考えていた。ちょうど『タートルズの全貌』を読み、チャネル・ブレイクアウト戦略を試してみたいと思っていたところ、好決算によって窓を開けて新高値をブレイクしたこの銘柄を見つけた。
仕掛けの理由:寄り付きの価格変動がかなり激しかった。1時間ほど経った頃から、$111.2付近で膠着するようになり、翌日早起きしなければならないのでもう寝なければならず、高値掴みにはならないだろうと判断してこの価格でエントリーした。
保有中の心理・相場状況:翌日から順調に上げていき、手応えを感じていた。カップ・ウィズ・ハンドルのパターンをこの頃に知り、まさにそのパターンに合致する銘柄であることを確認して、なおさら自身がついた。
手仕舞いの理由:2度目の新高値を付け、出来高の勢いもよいところで、トレイリングストップの逆指値にひっかかった。
学び:成功確率の高いセットアップに基づき、システマティックに仕掛けて、短期間で十分な利益を作ることができた、良いトレードだった。
『マーケットの魔術師』シリーズでウィザードたちが度々繰り返す「誰もが自分に合ったトレード手法を見つける必要がある」という命題に、トレーダーデビュー1ヶ月目にして、ある程度追いつけた気になった。重要なことは、この学びを忘れないことだ、と固く信じようと考えた。



3月最終週は、地合いの悪さを感じたのと、初月としては十分な利益が出せたと感じていたので、翌月に向けてさらに良いトレードをするために、勉強と振り返りに専念していて、トレードをしませんでした。

一方で、4月は、かなり難しい1ヶ月を経験することになります。。。
次回の記事で、4月分の振り返りを行います。

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