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【初心者トレーダーの振り返り】2024.04後半 売買記録

2024年4月後半のトレード振り返りです。
↓前回の記事



4/17:MicroStrategy ($MSTR) / 【損益】 +1.1% / 【保有日数】 8日

仕掛けの理由:4/15から相場の反転が始まったと考えた(後に間違いだと分かった、上昇相場の一時的な調整期間であった)ため、空売りの練習をしようと思って、直近1ヶ月で最もモメンタムの高い銘柄群の中で、業績に実態がなく急降下が一気にきそうな銘柄として選定した。この会社は資産のほとんどをビットコインとして保有しているため基本的にBTCの価格に連動する。日本と同様に米国でもBTCより株式のキャピタルゲインの方が税負担が低いため、BTC価格の変動に1.3x ~ 2xくらいのレバレッジがかかった動き方をする。
仕掛けのタイミングは特に考慮しなかったが、あとから見れば、3期間RSIが30を下回っており、ショートを仕掛けるタイミングとしては良くなかった(3期間RSIが30を下回っている場合、更に下げた後に反発して平均回帰する確率が高い)。約2週間後の決算発表までに手仕舞いを考えていた。
保有中の心理・相場状況:仕掛けた翌日の日中に+10%ほどの含み益が出たが、そこでは手仕舞いしなかった。その後の保有中ほとんどの期間、横ばいで推移した。
手仕舞いの理由:決算発表の前日となったため、仕掛けのときに決めた計画に沿って手仕舞った。
学び:短期トレードの手仕舞いの規律をどうするべきか。利益目標を決めていなかったため、仕掛け翌日に+10%の利益を取り逃した。この点は時間を取って検証し考える必要があるかもしれない。現時点では、5日で5%の利益が取れれば累積で月間20%になるため、十分な水準だと考えている。そして5%乗ったら1~3%下を追随するトレイリングストップを設定するのがよさそう。

【損益】 +1.1%
【保有日数】 8日


4/17:Direxion Small Cap Bear 3X ETF ($TZA) / 【損益】 -9.6% / 【保有日数】 34日

仕掛けの理由:MicroStrategy ($MSTR) と同様に、4/15からベア相場に入ったと勘違いしたため。大きく下げていた中小型株(Russell 2000)の3倍インバースのETFを買った。
保有中の心理・相場状況:仕掛けた翌日を底(このETFにとっては天井)に、再び相場は順行に戻ってしまった。前回の記事で書いた通り、この頃にレバレッジ型・インバース型のETFの欠点を知ったが、もはや手仕舞いできる状況にはなかった。
手仕舞いの理由:相場が逆行したタイミングを見計らって、3回に分けて手仕舞いした。最終的に処分が終わるまでに34営業日かかった。
学び:このトレードも、前回の記事でのS&P500 Bear 3X ETF($SPXL)と同様、間違ったトレードを訂正できる機会はめったに来ないので、そうできる時はすぐにするべきだ、という学びの授業料を払う形になった。
また、相場のサイクルを勉強する良い機会にもなった。財政環境(金利や景気)と技術革新(現在で言えば生成AI)に裏打ちされた上昇相場はそう簡単に反転しない。一方で、上昇の途中に-10%程度の調整ステージは頻繁に訪れる。2023年11月以降の今の上昇相場のように、調整がほとんど行われない上昇相場のほうが稀のようだ。また、下落相場になったとしても1週間やそこらでそれまでの上昇を吐き出すほどの暴落が起きることはめったに無く(ありえないわけではないと思うけど)、例えば下記の2008年世界金融危機でさえ、1年以上かけて下げていく。

バブル崩壊のステップやシグナルについては、勉強を進めているのでそのうちnoteにまとめる。また、株式相場のシーズナリティについては『アノマリー投資』で勉強したので、それも近いうちにまとめる。とりあえず大雑把には、S&P500が200日移動平均線の上にあるときには中長期のショートは行うべきではない、と心得ておく。

【損益】 -9.6%
【保有日数】 34日


4/19:Oscar Health ($OSCR) / 【損益】 -3.1% / 【保有日数】 2日 

仕掛けの理由:20日間最高値をブレイクしたため。2日前にブレイクしたが、翌日は下げたため、念のために反発するのを確認してから仕掛けた。仕掛けのタイミングは高値掴みとなってしまった。これは、寄り付きから勢いよく上げていたため、取り残されることを心配して早めに仕掛けてしまったため。注文が通った後、買値の3%下にストップロスを入れた。
手仕舞いの理由:翌日に価格が下がり、ストップロスにヒットした。
学び:この銘柄はストップロスで手仕舞いした2日後、1日で+7.5%上昇し、その後も上げ続けている。この記事を書いている6/6までに最高で+40%上昇、今日時点で見てもやや戻して+18%の上昇になっている。
この頃から、ストップロスを買値の近くに入れすぎることで細かく損切りを重ねてしまう傾向に気付いた。しかし、短期トレードでストップロスをあまりに遠くに置くこともできない。さて、この問題はどう解決すべきだろうか。

問題は、買値が悪いこと、だろう。日中高値圏で掴んでしまうと、このトレードの時期のようなレンジ相場では、日中の上げ下げが激しくなる傾向があるので、すぐにストップロスに引っかかってしまう。チャネル・ブレイクアウト戦略でうまく成功できたMicron Technology ($MU)、Super Micro ($SMCI)、ROOT ($ROOT) の時は、偶然だったけど、日中最安値でしっかりエントリーできていた。また、一般的な傾向として、ブレイクアウトの翌日は反転して下げることが多いような気もする。その背景の推測としては、シンプルに利確売りが増えること、大勢の新規参加者のストップロスを狙う経験豊富なトレーダーがたくさんいること、あたりだろうか。なお、後で知ったが、後者の戦略は「タートル・スープ戦略」として大昔から有名な手法らしい(1999年『リンダ・ラリーの短期売買入門』)。この時、私は簡単にスープにされていたみたいだ。がっくり。

これを解決するには、ブレイクした日の終値から数%下方に買い指値をいれるしかないと考えた。例えばその指値を3%下とおいて、その買値からさらに3%下にストップを入れれば、ブレイク日の終値から-6%下がストップロスのレベルとなり、無意味な短期のボラティリティに対して十分な余裕を持つことができそうだ。恐らくこのルールを設定することで、買えないブレイク銘柄も出てくるだろう。でも、20日間高値をブレイクする銘柄は毎日いくつでも出てくるので、例えば条件を満たす5銘柄でこれを行い、1~2銘柄が釣れる、という期待値を持つのでよさそうだ。たくさん釣り餌を垂らしておいて、引掛かかったものを育てれば良い。

これを明確なルールに落としてみる。

チャネル・ブレイクアウト戦略 - 2024.04 ver

<セットアップ>
・仕掛ける日の株価が200日移動平均線より上にある(明確な上昇トレンドにある銘柄をトレードする)
・過去30日間の平均出来高は100万以上(十分な流動性のある銘柄をトレードするため)
・20日間最高値をブレイクする
・その日の出来高は直近10日間の平均出来高を50%以上上回る

<仕掛けのルール>
・セットアップ条件を満たした日の終値の3%下に買いの指値を入れる。このルールは2日間有効にする(その設定ができないブローカーを使っている場合、当日限り有効にする)
・注文が通ったら、買値の3%下にストップロスを入れる

<手仕舞いのルール>
・ストップロスにヒットせず、5日後に+5%に達していない場合、その時点で手仕舞いする(動きの悪い銘柄に資金が拘束されるのを防ぐため。+5%上昇しなければ、ダマシのブレイクの可能性が高まるため。)
・5日後に+5%に達している場合、その時の価格の3%下にトレイリングストップを置く。それにヒットしたら手仕舞う。

【損益】 -3.1%
【保有日数】 2日 


4/25:Echo Star ($SATS) / 【損益】 +5.8% / 【保有日数】 4日

仕掛けの理由:チャネルブレイクアウト戦略のセットアップを満たしたため。$OSCRでの失敗を踏まえ、前日終値と同じ価格レベルで仕掛けた。
保有中の心理・相場状況:仕掛けた当日は大きく上げたものの、その後数日はほとんど横ばいだった。あとから見ると、この期間は3期間RSIが大きく「買われすぎ」の状態になっている。また、200日移動平均線が仕掛け値のすぐ下にあることを見落としており、買い持ちし続けるのはちょっと危ないか・・・と考えながら値上がりを待っていた。
手仕舞いの理由:翌週の決算発表日までに手仕舞いしようと考えていた。この日から旅行に出かけ、マーケットに関われない可能性があったので早めに手仕舞った。
学び:手仕舞いの翌日にも+5%上げていたので、上で作ったルールの通りのトレイリングストップを使っていれば、決算日まで待たずとも5日で+10%以上の利益を取れていたはずだった。

【損益】 +5.8%
【保有日数】 4日


4/25:IQIYI INC ($IQ) / 【損益】 +3.2% / 【保有日数】 4日

仕掛けの理由:チャネルブレイクアウト戦略のセットアップを満たしたため。仕掛け値は今見るとやや悪く、200日移動平均線のあたりで仕掛けてもよかった。
手仕舞いの理由:$SATSと同じく、旅行に出かけるため手仕舞った。さっき作った「チャネル・ブレイクアウト戦略 - 2024.04 ver」を当てはめても、手仕舞いのタイミング・価格は妥当だった。

【損益】 +3.2%
【保有日数】 4日


4/25:SEA LIMITED ($SE) / 【損益】 -2.4% / 【保有日数】 5日

仕掛けの理由:チャネルブレイクアウト戦略のセットアップを満たしたため。これもあとから見ると$IQと同様、仕掛けの水準が悪い。
手仕舞いの理由:同上。

【損益】 -2.4%
【保有日数】 5日


4/27:ANTERO RESOURCES ($AR) / 【損益】+3.1% / 【保有日数】2日

仕掛けの理由:チャネルブレイクアウト戦略のセットアップを満たしたため。これも同じく仕掛けの水準が悪い。仕掛け位置が良ければ、あと5%高く利益が取れていた。やはり短期トレードでは仕掛けの水準をいかに低く取るか、がかなり重要だと学んだ。
手仕舞いの理由:同上。

【損益】+3.1%
【保有日数】2日


4/27:FULL TRUCK ALLCE ($YMM) / 【損益】 -0.7% / 【保有日数】 2日

仕掛けの理由:チャネルブレイクアウト戦略のセットアップを満たしたため。これも仕掛けの水準が悪いが、$OSCR で作ったルール通りに仕掛け・手仕舞いができていても+1%で終わっていたはず。そういうこともあるのだろう。
手仕舞いの理由:同上。

【損益】 -0.7%
【保有日数】 2日


【4月のトレードまとめ】悪かったところ

  • 決算発表前の軽率な仕掛け($PVH)

  • レバレッジ型・インバース型ETFでの手痛い失敗($SPXL, $TZA)

  • 景気サイクルの勘違い($CDE, $ROOT)

  • 短期トレードでは仕掛けの位置をいかに低く保つかが重要($OSCR, $SE, $AR)

【4月のトレードまとめ】良かったところ

  • 時間を取って設計したセットアップ・仕掛け・手仕舞いのルールに基づく、規律のあるトレードをすれば、大失敗は起きないし、むしろ成功する確率が高まる($ROOT, $SATS, $IQ, $YMM)



米国株トレードを始めた3月には、長期投資と短期トレードの区別もつけておらず、何をやれば利益が出るのかもわからず、そもそも自分が何をやっているのかも全く理解していませんでした。
そこから比べると、4月のほうが失敗も多く大きかった一方で、自分のトレードが従うべき規律がある程度見えてきて、高確率で利益が出るトレードルールの枠組みも作ることができた。反省のレベルや粒度が具体的になってきたのは、個人的にはかなり大きな前進だと考えています。

続いて、5月のトレードものちほど振り返ります。


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