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2020年2月29日、ここから始まる
4年に1度の閏年。
わたしは今、オーストリアはウィーンにいる。時刻は22時を回ったところだ。
ヨーロッパに滞在し、半年後に帰国する。
学校の留学制度などでなく、個人で手配した。(保険は学校加入のものにしたけれど)
こんなことしたことない。わたしの人生で初めての経験となる。
なぜ休学?
絶賛春休み中の大学だが、4月から始まる2020年度の大学は年間まるまる休学することにした。きちんと、あっさり受理された。
「交換留学にしないの?」
本当は友達の誰にも知らせず行きたかったけれど、ますます時期の早まる就活にみんなが取り組むタイミングで、そんなことはできず。
色んな人に訊かれた。「何しに行くの?」「交換留学じゃないの?」
そのたびわたしは申し訳なさと恥ずかしさを覚えた。なぜなら、大学の提供する選考(夏季集中の語学留学だけど)を受けていたから。
この大学で通用するだけの英語力がなかったから?
成績が良くも悪くもないレベルでしかなかったから?
その選考に残ることはできなかった。
そもそものレベルがそれなりに良くないと、この大学から交換留学はさせてもらえない。もちろんじぶんが努力すれば良いだけの話だったのは百も承知の上だ。
落ちたから諦めて、普通に就活をするなんて、わたしには無理だった。アピールすることなんて思いつきもしない。やりたいことだって見えてないのに。
「行かなきゃ」
このまま大学3年のうちに就活を始めて4年間で卒業して社会人になるというビジョンがどうしても描けなかった。
決断
わたしには2つ歳上の姉がいる。彼女はとても賢くて、自分の軸をまっすぐ持っている人。良くも悪くも、振り回されることばかりだけど。
間違いなくわたしが今ここにいるきっかけは姉だ。
2018年の夏休み、姉が連れてきてくれたのがオーストリアとチェコだった。
あの誘いがなければ、その誘いに乗っていなければ、わたしは今ここにはいないのだ。
英語や雑学の学びに関して、わたしは姉に劣等感を持っている。サボってしまう自分への甘さが原因だと分かっていても、気まずさが胸に渦巻いてしまう。
わたしだって外で学びたいことがある。知りたいことや考えたいことが確かにたくさんあるはずなのだ。だけど、行けるまでに十分な英語力を身につけるのは時間がかかる。それまでずっと行かないとしたら、いつまでも行かないまま歳を重ねるだけだと思った。
こういうわけで休学して留学します、なんてそんな簡単な話ではない。それだけの金額をバイト代で貯金できていたわけもない。資金援助してくれた祖父母と両親には本当に感謝しかない。
わたしへかけてくれた期待と同等の重さ。わたしはその1円たりともを無駄にせず、糧にするほかない。
正直、不安でいっぱいだ。
行くまでに英語が話せるようになったわけではないのだから。
こんな時期だし、アジア人差別があれば辛いかもしれない。
だけど強くなるって決めた。
やりたいことだって、ちゃんとある。
さぁ、行こう。
Mai
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