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「イマ」のあなたにBUMP OF CHICKEN③

この記事は、 #いまから推しのアーティスト語らせて のタグのもと、最推しのバンドBUMP OF CHICKENについて、筆者が鼻息荒く語らせていただいているもので、こちらはあまりに長くなった記事の分割3つ目である。
たまたま見かけたからここから読み始めたよという方がいらしたら、続き物の最後ですので、前回までも読んでくださると吉です。私が。
(前の記事はこちら)

ざっくりおさらいさせてもらうと、初回では「音」の話、2回目は「歌詞」の、わたしが思う魅力について語らせてもらった。
最後の今回は、というと。

魅力その3:中の人達のこと

もしかしたら、ハマったのが音楽だけだったらこんなに好きにならなかったし、これだけの熱量を持って文章を書くこともなかったと思う。私は歌だけではなく、作り手その人たちのことも心から本気で推している。

彼らは自分たちの音楽と、聴き手に対してとても真摯だ。
魅力の1つ目に楽曲の多彩さを挙げた。これは彼らの、「生まれてくる音楽が望む音で鳴らしてあげること」というこだわりによるものだ。
1つのスタイルにとらわれず、その曲毎にどんな風に鳴らすか最適化する。そのためには知識と技量がいるし、都度アップデートしていかなきゃならない。
そうしてテイストの違うものが出来上がったとして、必ずしも聴き手に受け入れられるとは限らない。
それでも彼らは、生まれた音楽に丁寧に向き合って、形になったものを大事に大事に、聴き手ひとりひとりに届けようとする。
「みんなに」じゃない、「ひとりひとりに」だ。
私は社会人の一人として、彼らのそういう姿勢をとても尊敬しているから、贔屓目も大いにあると思う。でも、不思議とそうだと信じられる。騙されたと思ってライヴに行ってみて欲しい。彼らがいつも言う、「4人対1人が沢山」というのがよく分かると思う。
……というのは、実は結構無責任な発言で、惜しいことにちょうどツアーが終わったばかりなのと、本当に、本当ーーにチケットが取れないのだ。その点はごめんなさい、機会があれば是非。

もう一つ。
彼らはとても仲が良い。
単に仲が良いというだけではなくて、お互いへの強い信頼と尊敬で結びついている。
「歌は普遍的でなければならないと考えている」と語る藤原氏が、つい自分たちのことを意識してしまったのだろうと言った"リボン"という歌には、こんな歌詞がある。(この"リボン"は、20周年イヤーの最後の日にライヴ配信された)

僕らを結ぶリボンは解けないわけじゃない
結んできたんだ
(リボン)

仲が良いのは、幼馴染が組んだバンドだからというだけの理由ではないと思う。むしろ、友達からスタートしたことで、それ故の葛藤や苦悩や衝突もあったろうと思う。それでも4人で、と結び直して、今の彼らがある。
そして、他のメンバー3人がきっと誰よりも藤原氏の書く音楽のファンだし、藤原氏の書く音楽のことを、3人が誰よりも理解している。
(歌のことを説明するにあたり、どうしても、フロントマンでソングライターである藤原氏の名前ばかり出しているけども、メンバーである直井氏、増川氏、升氏も、それぞれ個性の塊でとても素敵な人たちである)
先日ファイナルを迎えたツアー"aurora ark"の最終日、そのアンコールで、藤原氏は「俺のバンドかっこいいだろ!!」と誇らしげに言った。
正しい意図はご本人から語られるのを待つのみだけれども、その自慢したくて仕方がない声は、最高の仲間への、3人への最大の敬愛の表れだったんだと思う。

バンド、格好いいです。本当に本当に格好いいです。
そんなあなた達が大好きです。

おわりに

暑苦しくも記事3つに渡って語らせていただいたわけだが、実のところまだまだ語り足りない。とはいえどんどん細かい話になっていくので、この辺りで遠慮しておこうと思う。
この記事を見てくださった方は、BUMP OF CHICKENという名を初めて見るかもしれない。名前だけ知っているかもしれないし、彼らの音楽が青春だったけど、今はよく知らないかもしれない。
もしもそうなら、彼らの音楽は、「ここにいるよー」と手を挙げれば、時空を飛び越えて飛んできてくれるから。
これをきっかけに、イマのあなたがちょっと聴いてみよっかなーと思ってくださったのなら、私はとても幸せである。

#エッセイ #邦楽 #連載

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