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不正のトライアングル

 今日は、企業の中で起こる不正について書きたいと思います。不正の内容としては、なんらかの金銭に関わる内容、重大な過失、虚偽報告、ハラスメントなどがあります。発生すると事実調査からヒヤリング、就業規則に沿った手順の実行と業務としてはなかなかのボリュームになってしまいます。また、心理的にもなかなか負担がかかる場合が多々あります。起きてしまったことは、対応するしかないのですが、その前の予防や教育がしっかりできていれば防げた内容がたくさんあります。

 また、個人に資する場合もありますので、こちらは採用段階でなんとかするしかないのです。

 不正のトライアングルという理論があります。詳しくは以下です。

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 人が不正行為を実行するに至る仕組みについては、米国の犯罪学者であるD.R.クレッシー(1919-1987)が実際の犯罪者を調査して導き出した「不正のトライアングル」理論が、広く知られています。この「不正のトライアングル」理論は、企業不正対策の国際的資格である公認不正検査士の会員組織であるACFE(Association of Certified Fraud Examiners)の教育体系にも取り入れられているものです。「不正のトライアングル」理論では、不正行為は、①機会、②動機、③正当化という3つの不正リスク(「不正リスクの3要素」)がすべてそろった時に生起すると考えられています。

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 実際の対応をする中でもこの考え方は非常に的を得ていると感じていました。特に、一通り対応が終わった後、機会を与えないようにするにはどうしたら良いのかというのが一番難しいことでした。何もしなければ、また同じことが起こってしまうし、共有するだけでは、具体的なライブ感が伝わらない。端的に起こった内容のポイントをまとめ、再発防止につなげるというのはなかなか難しい。

 不思議と1件案件が発生すると、次々と報告が入ってきて、気づいたら同時並行で3〜5件動いてたなんてこともありました。いまだにこの流れは、原因不明です。反対に何もないときは、不思議なくらい何もありません。

 罰を与えたいから、対応しているのではありません。あくまで企業としての再発防止や不正をきっかけとした体制の見直しや業務フローの改善などのために対応しています。

 対応方法を変更して、その後同様の案件が発生しなくなると直接ではないにせよ、関わることができたと意識が醸成されます。同じ内容で同じ事する人がいなくなるとほっとします。

今日も企業を良くするためにがんばろう。




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