【G.O.A.T2024 #3】中国サッカー事情 その 1
その 1と書いたからにはその2、3と続くのか?というとまだ未定^^;
今日は現在2年目を迎えている(実質は2019年にも 1年いたので3年目)
中国のサッカー事情について話そうと思う。
明日2024年10月 1日から7日まで国慶節という休日になります。
もちろんサッカー業界は休みなし...
それは日本もそうですね。
今日はそこに因んだ話を書きます。
この休日というのがまた厄介なのですが、今も中国では質より量を重視していて休みとなると年代に関係なく2部練なんです^^;
中国のスポーツ文化は日本と比べるとまだまだ2、30年遅れているんですよね、
考え方が。
当然今私が担当しているU11年代(小5、小6)も例に漏れず2部練。
ちなみに言うと、普段の練習も日曜以外は全て練習なので週6で練習しています。
これに関しては中国内の組織のトップは絶対なので、いくら説得しようとも無理
だし、言い過ぎると自分の首が飛ぶ....
なので、選手の疲労などもコントロールしながら練習メニューを組んでいきます。
またこれも中国的なのですが、表面上や結果しか見ないのでスケジュールを組んでさえいれば現場にチェックに来ることもないので、提出したスケジュールでなく内容を変えたものをやってもそれを咎められることもないし気付かない。笑
その辺はうまくやっていくしかないところです。
国慶節での練習スケジュール
1日 午前 8:30−10:00 午後 14:30−16:00
2日 午前 8:30−10:00 午後 14:30−16:00
3日 午前 8:30−10:00 午後 14:30−16:00
4日 午前 8:30−10:00 午後 14:30−16:00
5日 午前 8:30−10:00 午後 OFF
6日 OFF
7日 午前 8:30−10:00 午後 14:30−16:00
午前中は主に技術トレーニングをし体力的負荷があまりかからないようにし
午後に戦術的要素の入ったトレーニングを行います。
具体的な例を挙げると、
午前 パス&コントロールに特化したトレーニング
午後 ポゼッション
普段のトレーニングのWーUPとTR 1を午前に、TR2、3を午後にやる感じですね。
特に午前練は練習間のレストを多めに取ります。
中強度有酸素系なら 1:4(8分やって2分休み)を目安にしますが、午前はそれ以上の割合でレストを取り、なるべく疲れさせないように配慮しています。
それでいて集中し選手たちにとって学びの多い練習にしなければならないので、
かなり気を使います。
質より量の根強い妄想
先にも述べましたが、年代に関係なく普段の練習が週6回、休日には2部練というのが当たり前の文化の国なので特に育成初期小学生や中学生の年代を担当すると戸惑いを感じると思います。
私も最初はそうでしたし、日本のこの年代の育成事情を教えたり、日本以外のサッカー先進国の事情も伝えるのですが、中々聞き入れてもらえない。
中国はこうだからで話は終わります。
それと練習強度に関しても素走りをさせると、練習強度の高い良い練習だったと言われる。笑
いや〜強度ってそういうものじゃないんやけどな〜
とにかくきつい練習を毎日やる=うまくなる
という昔の日本の図式が今なお色濃く残る中国。
俺が小学生の時は日本と中国であまり実力差がなかった気がするけど、
数十年経った今大きな差が開いている。
その原因はなんなのか?
またそれをいつか気づいてもらうために今多くの日本人コーチが中国にいるし、
スペインやスロベニア、ポルトガルからもコーチが来ている。
結果主義
ただそれも、もう一つの中国の良くないところなんだけど、
『極端な結果主義』であるため、選手たちが成長しているのに大会で結果が
出ないと即解雇....
これを繰り返しているため、結局長く良い指導が受けられない中国の若い選手たち。
継続性がないんですよね。
これではやはり良くなるのは一過性のもので長くは続かない。
1番良いのは、外国人コーチがいる間に中国人コーチたちがしっかり勉強し、
仮に外国人コーチがいなくなっても残った中国人コーチたちが継続していく。
これができれば良いんだけど、そんなことはごく稀で多くは外国人コーチが
来る前に戻ってしまう。
じゃあ、どの程度の結果を求められるかというと、
例えば今自分が求められている結果は、12月か 1月に行われる予定の全国大会の第3段階で全勝すること。要は全国優勝です。
あ、中国の大会形式を説明しますね。
↓
移動は新幹線や飛行機、中には夜行バスで移動なんてのも聞きましたが、私は今まで運が良いのか飛行機もしくは新幹線での移動です。
でも新幹線といえども侮るなかれ!笑
中国はバカでかい国です。
時速300km近く出る新幹線での移動が12時間とかザラです。
あ、話を戻しますね。笑
基本的に契約時に結果の話はされますし、育成に時間がかかるのも理解している
とは言ってくれます。
しかし後者の育成に時間が...は、信じないでください!笑
結果が出なければアウトです。
それと結果なんですが、彼らの要求は基本今の自分たちの現状を加味した上での要求ではありません。基本的には。
実際自分の経験上と他の指導者から聞いた話だと、全国ベスト8に入ること、ベスト4、優勝、この3つが大体言われることが多いですね。
しかし現地に着き選手たちの力を見ると、まじか....と思うことが多々あります。
ちょっと一年でベスト8は難しいよね。とか。
あと怖いのが、練習試合でも0−5、0−6など大差で負けると着任して 1ヶ月でも解雇もあります(^^;;
まあ、日本では決して味わえないいつクビ切られるかわからない緊張感の中での指導の日々は良い意味でたまらない感覚で楽しんでいますがね。
育成年代の中国人選手たち
一方選手たちはどうなのか?
俺は中国の選手たちは、物凄い可能性を秘めていると日々感じています。
まず1番に目につくのはフィジカル。
みんな背が高い!
国民の平均身長は日本より全然高いんじゃないかな?
少なくとも190近い選手多いし、女子もGKも180cmある選手は当たり前にいる。
小中学生も全体的に大きい選手が多い。
足元のテクニックも上手な選手が多くびっくりさせられる。
それに加えてプレーがめちゃくちゃ激しい!よくいえばインテンシティーが高い。
悪くいえば荒い。
このまま日本へ行って試合したら間違いなく批判される。
それくらい男女とも球際は激しい。
育成年代の選手たちを見ていると、なぜ年齢が上がるたびに勝てなくなるのかが
不思議に思う。
練習も
日本:週4回〜5回(平日2回〜3回+週末) 中国:週6回(平日5回+週末)、
練習時間は大体同じ90〜120分
日本:2部練しない(小中学生) 中国:2部練する。
日本:基本自宅から通う 中国:小学生から寮生活が多い
明らかに量は中国が圧倒している。でも差がついてしまう。
日本と全く同じことをする必要もないです。その国の文化的背景もあるし国民性もある。よく日本でもスペインでは...オランダでは....ブラジルでは...
とか言っている指導者いるけどあれも違う。
他国の文化をそのまま入れれば良いわけではない。
例えば今挙げた国と日本の違いは何か?
1番大きいのは高校サッカー、大学サッカーです。
そんなものはヨーロッパの国々ではない(ここで「ない」というのは日本ほど重要視されていないということ)。学校に体育なんて科目もないですしね。
でもこれは明らかに他国と違う日本のスポーツ文化です。
これを無くそうとしても無くなりはしない。
大事なのはそういう部分も含めてどう日本にフィットさせ取り入れるか?
ということです。
中国でもそう。中国のこの現状の中でどうフィットさせ取り入れてもらい発展させるか?だと思います。
その一つがやはり「結果」なんですよね。
結果が出なければ耳を傾けてくれない。
当然違う国の文化、国民性ですから毎日の大なり小なり葛藤はあります。
でも真摯に取り組んでいる姿勢、練習の進め方、話し方、選手との接し方、
オフザピッチでの振る舞いなどを見てもらい自分自身継続していくことで、
いずれ理解してくれ自分にも取り入れてくれる。
そう信じて日々取り組んでいくしかないです。
確実に将来有望な選手たちはたくさんいます。
その中のほんの一握りですが指導させてもらっている選手たちに、夢のある未来を実現してもらえる一助になる、そんな指導を目指して頑張ります。
不定期ではありますが、youtubeも細々とやっています。笑
練習の様子や中国の観光地の紹介などもしています。
お時間がある時に見ていただけたら嬉しいです〜
https://youtube.com/@bamuxiuyi10?si=E9DNmbFwhpXAT7MU
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