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店舗の家賃上限ってどうやって決めるの?②(店舗の収支から割り出す)

昨日は坪単価や月坪売上の簡単な考え方をお伝えしました。

今日は、具体的な店舗の収支から見る家賃設定についてお伝えします。
ただし、結論から言いますとこれという答えはありませんので、考え方の参考にぜひご一読ください。

まず、収支構造というのは、その業態により異なりますが、一般的には、
収支=売上(収入)と支出で、売上-支出=営業利益です。支出の中に原価、人件費、家賃、水道光熱費、通信費、広告費、備品等の経費があります。

その中で主な指標となるのが、FLコストやFLRコストなどと呼び、このFLRの比率が70%以内に収めるのが理想と言われています。

F=原価(Food cost)
L=人件費(Labor cost)
R=家賃(Rent cost)

例えば、原価Fが25%、L人件費が35%なら、FLコストが60%となり、FLRを70%におさめようとするなら、家賃Rは10%以内に収めないといけないといった具合です。

飲食店2店舗を例に挙げると

--居酒屋A--
○売上 720万円
●原価F 252万円 35%
●人件費L 144万円 20%
●家賃R 60万円 8%
●その他経費 86万円 15%
○償却前営業利益 156万円 22%

●FLR比率 64%
○償却前営業利益率 22%

--居酒屋B--
○売上 1000万円
●原価F 255万円 25.5%
●人件費L 205万円 20.5%
●家賃R 100万円 10%
●その他経費 109万円 11%
○償却前営業利益 331万円 33%

●FLR比率 56.5%
○営業利益率 33%


と、AとBを比較しても、FLRの比率が7.5の差があり、営業利益率は11%も差があります。
(Bの業態はとても魅力的ですね笑)

Bは売上想定が高い分、家賃も高い設定でも利益が出ますが、仮に売上が下がったとしても、FLコストが低い分、家賃が高くても損益分岐点は高くなりますので、
出店時の家賃想定としては、家賃が高くてもリスクが低くいので、良い立地に出店しようという決断ができます。

Aの場合も、家賃比率が8%でFLR比率は64%なので、理想の収支です。

このように、収支を分解し、売上想定とFLR比率の設定を決め、損益分岐点を割り出すことで家賃の上限が設定できます。
※損益分岐点の出し方は検索すればたくさん出てきますので割愛させて頂きます。

今回は飲食店を例に挙げましたが、アパレルなら原価は50%近くだけど人件費は10%に収まるとか、さまざまなパターンがあります。

なので冒頭にお伝えした通り、これと決まった答えはありませんし、最終的には、その時に出てきた物件から判断するしかないというのが結論です。

ただ、このように前回の記事と合わせて坪単価、月坪売上、FLR比率など基本的なことは抑えて頂き、今後の出店の参考にして頂ければ幸いです。

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