純度の高い自分色

生まれ持って自分が好きなはずなのに
それをなかなか認められなくて
自分の中の愛がずっと歪んでいた

性格が悪い、気が利かない、金食い虫…
そんな母の言葉を真正面から受け取って
こんな私を好きではいけないと信じていた

母から認められない、受け入れられない自分
そして自分自身まで自分を否定していたから
将来は尼になって隠居したいと願うような
人生を諦めた子どもだった

そこでだけれど、
その母に言われた言葉を掘り起こしてみよう
私は性格が悪いのか、だけれど
性格にいいも悪いもないねん
人は平面ではない、いろんな形をした立体だから
見る角度、見た時の心の状態、見た時の状況云々で
人の印象は変わる

もしも母が自由奔放で家事もほっぽりだして
遊びに出かけ浪費するタイプだったら
私の性格が気になっただろうか
金食い虫などという、産んどいて何やねんという
嫌味を口にしただろうか
だからその言葉は一部正しくて
おおむね外れている

私の性格が母にとって
好ましくない性格だったということ
あんた嫌いと言われているようなもの
母に嫌われるのは悲しいけれど
相性が悪いのは仕方がない

私の過ちはそれを許せなかったこと
愛されたくて受け入れられたくて
執着してしまったこと
子どもを受け入れ愛さない親が悪いと
憎み、そして恨んだこと

親から愛されない私は不幸だ
ダメな存在だ
生きる価値などない
でも私は悪くない
悪いのは親だー
私は世界で一人ぼっちだ

自ら洞窟の奥へ奥へと潜り
悲しみと不幸に浸って生きた

随分と恨みに捉われた時間を過ごした気がする
若くて可能性のあった時期を無駄にしたのかもしれない

けれど、執着して恨んでも何も生まれないことを知った
誰も幸せにしないことを知った
何より自分がずっと苦しかった
それも一つの愛の形であり愛ゆえの行動なのだけれど

親だからといって子どもを愛さないといけない訳ではないし
当時30歳そこらの年齢で悟っている人間なんてそういない

そして恋愛も同じ
執着しても何も生み出さない
自分が苦しいだけ
あの時言いたくても言えなかったこと
それらの多くは幼い頃に傷ついた子どもの私が
親に対して言いたかったこと

私は私が当たり前に大好きだ
人から否定されると悲しいけれど
人は私を嫌ってもいいのだ
私の色を誰がジャッジしようと
私は私にしかなれないのだから
どうせなら私色100%に近づけて
純度高く圧倒的な私として生きたい


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