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理想と現実。失恋ができない私。



本当はKPOPに関することだけ書き溜めていくはずだった私のnoteによく登場してしまう、彼。


私が人生で1番傷つき、1番泣いて、1番悩み、1番幸せで、1番好きだと思える、彼。


今また、彼と一緒に生きている。


ドラマ《初恋》を見て、也英を見て、「何もせず後悔するくらいならやってしまえ」と思い何となしのLINEを送った。そしたら割とすぐに返事が返ってきて、本当に一言二言だけ、やり取りした。


彼と繋がるのは約1ヶ月ぶりだった。知り合ってから、こんなにも完全に接触しないのは初めてだった。ただそこから生まれた喪失感を埋めたかったのか、彼と繋がっている感覚を持ちたかったのか、彼とまた一緒にいたいのか、何に向かっているモヤモヤなのか分からないまま、LINEを送ったから、時間をかけてやり取りをしながらずっと私はふわふわしていた。


LINEは続くことなくあっさりと終わったけれど、私の心はグンと落ち着いた。何も話してないし何も伝えてないけれど、とにかくすごくホッとした。


そして2日後、仕事中に震えたApplewatchの画面には彼の名前とYouTubeのリンクが表示されていた。体の中でハッキリと心臓がドクンとなってリンクを見ると、ある有名なラブソングだった。すぐに歌詞を調べれば、それはいつもの彼の気持ちだった。


ああ、戻ってきたんだ


そう思いながら何度もその歌詞を読み返していると、彼の送信は取り消された。


ああ、まだ迷ってるんだ


傍から見れば何も言わずにラブソングのリンクだけ送ってくるのも、それをものの10分で取り消すのも、なんだか変な人で馬鹿にしてしまいたくなるような行動かもしれない。


でも私にはそんな彼の気持ちが手に取るように分かった。だから、既読にしなかったこともリンクが消えてしまったことも、すぐに返事をしないことも、全く焦らなかった。そして私はそこから1日近く、何もしなかった。


彼はどこにも行かない、何も変わらない


今までにない、そんな自信があった。
1日近く経って、私から無言でYouTubeのリンクを送った。そしたらしばらくして別の曲のリンクが送られてきたのでフッと笑ってしまった。何とも彼らしい。そして私も、また別の曲を送った。


この世に溢れるラブソングで、私達は気持ちを伝えあった。どう?気持ち悪い?


数曲やり取りをしたら、彼からSEVENTEENのリンクが送られてきた。彼はSEVENTEENなんて興味が無いのに。私この曲は教えてないのに。よく見つけてきたな。そう思いながら久しぶりにその曲を聞いていたら、彼からテキストが送られてきた。


「初めて教えてもらった曲が思い出せない」


SEVENTEENの曲だと言うのだけど、彼が言う特徴のPVは全く思い当たらないし、似通った曲も教えた記憶が無い。CARATの友達にも「ねえこんなPVの曲あったっけ?」と聞いてしまったし、候補で出てきた曲を「いやでもこの曲をBambiがおすすめすると思えない」とも言われてしまった。全くもってその通りだ。


なんやかんや彼の要望に必死こいて頭を働かせていたら、彼がうろ覚えの一節を送ってきて一瞬で謎が解けた。NCT DREAMのオルゴールだった。



メロディがすごく好きで教えたのだけど、人生を歌う歌詞がすごく響いたみたいで彼のお気に入りだった曲だ。にしてもこれは「海辺の芝生で歌ってるやつ」ではない。絶対にどこかの「丘」だ。まあうろ覚えだから仕方ない。


ありがとう!!


そう返してきた彼に、


おかえり


と返した。
なんとなく、そう言いたくなった。


彼からは


ただいま


と返ってきた。



私達はもう何も話し合わなかった。
何事も無かったかのように電話をして、最近どうだったの?なんて近況報告をした。彼はこの1ヶ月に考えていた生き方について話してくれた。よりを戻すとか、どこを直すとか、ここが嫌だったとか、そんな事は一言も話さなかった。話さなくても、もう私達は一緒に居ると分かってたから。


彼と一緒に生きれば、私が今まで望んでいた幸せはほぼ実現しない。
金曜日の夜に手を繋いで帰ることも、会社帰りにサクッとお酒を飲みに行くことも、週末に映画を見る約束をすることも、今日起きたくだらない小話を報告することも、連休の旅行を計画することも、ほとんど実現不可能だ。
私はずっとその理想と現実で揺れてもがき悩んでいた。彼とだからそうやって生きていきたいのに、彼だからそれが叶わない。それで苦しんでいた。


彼と離れてから、これは失恋だ、世の中の多くの人がこんな痛みを経験し、乗り越えて生きてるんだと言い聞かせていた。だから私にも乗り越えられると。


でも結局わたしは、失恋ができない。
何度離れても彼に引かれているし、彼から離れることはできない。また苦しむかもしれないのに。傷つくかもしれないのに。この先二度とあんな思いをしない保証なんてない、しない可能性の方が遥かに低いのに


丸一日連絡が無くても、私の電話に出なくても、「よりを戻そう」の言葉がなくても、いつ会う?なんて言葉が出てこなくても、何も苦しくない。


だって、一緒に生きているから。
会える時に、会えるから。


正直いってなんの証拠も無い。行動もなければ、今回は言葉すらハッキリもらっていない。好きも愛してるも何もない。そして私も何も伝えていない。


またまた傍から見れば、都合のいい関係と言われるものかもしれない。本当に好きならすぐ会いに来るでしょ、そう言われれば「まあねえ」としか返しようがない。



でも今の私はすごく幸せを感じている。


世間の型とか、関係性の名前とか、お互いの肩書きとか、そんなものは必要ないと思っている。かっこよく言えば、そんなものじゃ収まらないのだ。


彼が居て、私が居る。


ただそれだけ。


今やっと、彼が何を言おうとどんな態度になろうと全く傷つかない私が出来上がった気がしている。わかんないけど。実際またトゲトゲしくなった彼に直面したらウエーンピエーンって言うかもしれないけど。でもそれでまた距離ができても、私達が離れてしまうことはもうきっと一生無いと言いきれる。


それ程に、お互いにとってお互いの存在が大きいことを認識して自負している。


だからなにもこわくない。離れたくなったら離れればいい。また1ヶ月でも2ヶ月でも、フッと1人で過ごせばいい。


とにかくもう、「それって幸せなの?」「本当に信じられるの?」なんて言葉は聞き飽きた。私の幸せを心から望んでくれる友達は本当に感謝してるし、彼のせいで何度もぶつかって余計な心労をかけてしまったことは申し訳なさと情けなさの極みだけど、とにかく私は今がいちばん穏やかで幸せなのだ。他人の幸せの基準で私たちを計らないで欲しいし、一般的な物差しで彼の善し悪しを決めないで欲しい。


だからもう、彼とのことを誰にも深く話すことはないと思う。理解しがたい関係性だから。私も説明しにくいし。


きっと彼も、同じ感覚でいてくれてると思う。
だから今は目の前のことと向かい合っている。
そんな彼が好きだ。
不器用でも、真っ直ぐ生きようとする彼が。

今朝ふと、

「出会ってくれたことも、今一緒にいることも、ありがとう」


と伝えてみた。


彼は


「珍しく素直だね、どうしたの」


と返してきた。


んん。私は割と頻繁に色んな気持ちを伝えてきたはずだった。でも彼にとっては珍しく感じたのだ。なるほど。今まで全く彼に届いてなかったんだ。
何やねん、お前ホントに…とほんのちょっぴりだけ思ったけど、今日の言葉が届いたことの方が嬉しかった。


そんな今があればいい。
今日の言葉が伝わればいい。



明日もし死を迎えたら、彼に会えていないことだけはとてつもない未練となって確実に怨霊になるだろうけど。やっぱり私は顔が見たいし触れていたい。


だからちょっとでも早く会いに来てね。
あけましておめでとう、を言わなきゃ。


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