パパ、なんで れんが のおうちにすまないの? Q
なんでってキミ、レンガのおうちに住みたいのかい?
そういうことか。
オオカミが来たら、恐いもんね。
あー、でもね。
もうオオカミは…来ないんだ。
オオカミさんは、もうニッポンに、いないの。だから来れないんだよ。
オオカミっていう動物、種族が、ニッポンからいなくなっちゃったんだ。捕まえられたり、お病気になったりして。
うそじゃないよ〜。
絶滅、ゼ ツ メ ツっていうんだけど。動物や、昆虫、虫さんだね、お花なんかも、色んな理由で、もうなくなっちゃう、いなくなっちゃうってことも、あるんだよ。
おおおお、なんで泣くんだ。感受性豊かだね。よしよし。
オオカミさんが恐かったんじゃないの? いないのはいないので嫌なの?
わかんないけど、哀しいんだね。
よしよし。わかる気がする。パパも、いたら嫌だけど、恐竜がいたらどうだったんだろうな、とかは思うもの。
いたい! 恐竜は嫌でしょじゃない。たたいたらダメじゃないか。
いいよー。ちゃんと謝れたね。パパもちゃんと、嫌だけどって言ったんだから、ぱちんしないね。
よし。
でも、恐竜と、オオカミじゃ、絶滅の理由が違うか。
恐竜はね、誰かが悪さをして、死んじゃったんじゃないんだね。大きなお星様が、地面にぶつかって、爆発して、暑くなったり、寒くなったりして、生き残れなかったんだって。
でもオオカミさんは、お病気もあるけど、恐い生き物だから! っていって、人間がやっつけたりし過ぎたんだ。
うーん、本当は、こっちが悪さをしなかったら、オオカミさんも何もしなかったんじゃないかな。
オオカミさんが食べ物をとる場所に、人間が入っていったから、怒った、というか、困ったんだと思うよ。
キミも、いつも遊んでる公園に、おにいちゃんおねえちゃんが来て、遊べなくなっちゃったって言ってたでしょ?
オオカミさんも、公園から出ていって欲しかっただけなんじゃないかな。でもいつのまにか、オオカミは恐い! 悪いヤツだ! ってなっちゃった。
それが、御伽話で悪さをするのはオオカミだー! って、どうせ悪いことをするのはオオカミだよ! ってなっていったんじゃないかな。
もしかしたら、御伽話が理由で、退治されちゃったオオカミも、いるかも知れないな。そんなことをしてるうちに、気がつけば、オオカミさんは、一匹もいなくなっちゃったんだよ。
おお! 確かに! オオカミも頑張って、レンガのおうちに住めばよかったのかも知れないね!
でもそれでオオカミがいっぱい・たくさんになって、食べる物も必要だからって、人間を襲うようになってたら、また同じ事になってたかもね…。
大丈夫だよ。キミのおうちは、レンガよりもつよーいおうちだから。ま、窓とか突き破ってきたら、わかんないけど。
ほらーじゃない。そもそも襲ってくるオオカミがいないんだから。
そこに居続けるっていうのは、やっぱり大変なんだね。どっちも。
逃げる勇気も大切だったり、共存のためには戦いも必要だったり。
あ、大丈夫。キミのことは、パパが護ってあげるからね。って、言っちゃうと、狼少年になっちゃうか。可能な限り、頑張るね。
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