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美しい 物語「ゴジラ-1.0」

美しい物語、だと思いましたんですよ。

以下、「ゴジラ-1.0」の感想です。
内容に激触れしていますので未見の方はご認識を。

最後に"こういう内容だったらもっと興奮できただろう"という二次創作を記していますので、そちらだけでもご覧になってみて下さい。

美しい物語、だと思いました。

ええ。

生意気にも4K対応テレビ(TBS「世界遺産」を美しく見たいがために購入した)でご拝見。

冒頭の着陸シーンからその鮮明さ故にか、CG(っつうんですか、VFX? っつうの?)なのか、実写なのかが所々で気になってしまいました。良くない習性。美しさは罪…。

ジュラシック・パークばりにゴアするゴジラと、その後の死体の美しさにも目を見張りました。綺麗な死体(肢体)してるだろ? 死んでるんだぜコレで(ゴジラにめちゃめちゃにされたけど)。というタッチなの!? てなったんですが、まあ、酷いと年齢制限受けたりしますもんね。

全体的に、なんと言うんでしょう、美しい物語にするためにキャラクターも出来事も配置されてて、その地図をオリエンテーリングしている感じがしました。登場人物が、与えられたセリフを吐き、やってくる困難に立ち向かう。某大怪獣の後始末をする映画が如く、エクスデウスマキナな香りが、僕的にはしてしまったんです。物語のための物語だなと。

神木隆之介さんも浜辺美波さんもお美しゅうて、おそらく、人が死に過ぎた戦争の後の話だからこそ、誰も死なない映画にしたかったのかなって思いました。まあゆうてもいっぱい死んでるんですけど。ファイナルファンタジーXみたいな。

敷島浩一が、生き残ってしまった、死のうとして死ねない、という設定なら、どことなくゴジラとの親和性(=神話性)を帯びるのにな…とかおもいつつ、なんや、登場人物も軒並み良い人で、裏表なくて、対比もなくて、ついでに奥行きもなかったように感じて。ええ。IMAX4Dとかで観てたら、立体感あったのかしら。

例えば、両親に「生きて還りなさい」って(おそらく)言われたからその通りにしたのに、わざわざ危険度の高い仕事を選ぶとか、もっとデカくなったゴジラは撃てんのんかいとか、矛盾してるの? そういう人なの? ってなったり。

典子・明子とも、なんや、ゆきずりのまま、なんとなく暮らし続けたんですかね? そのあたりの説明が、他の狂言回しや謎のシーンの多さの割に全然見えて来なくて、ただのザイオンス効果やったら、いったん冷めさせてもらいます、ってなります。どうなのよ?

でもだからこその良さもあったんだと思います。ドラ泣きできたみなさんには、こういう感じが丁度いいんだって、全然、皮肉でもなんでもなく、思えはしています。ほんとにほんとに。

しんどくなることが映画の良さやエンタテインメント性ではないですからね。気にせずに見れば、大筋の物語の邪魔にはならないわけですから。

ただどうしても気になってしまったのが、時間経過ですね。それこそドラえもんは、永遠にも思えた日々が、急に終わりを告げる、ということが絶句になるのに、「STAND BY ME ドラえもん」では(仕方ないんでしょうけど)ゆうてるうちにさっさといなくなろうとするので、哀しみが深くならないんですよ。

それとは逆(?)で、海神作戦第二攻撃終わりから、水島四郎の連れて来た漁船(?)を舫(もや)う時間(そもそもあんな船で馬力補えますのん?)や、ゴジラが熱戦吐こうとして、敷島が震電で突入するまでの、キャプテン翼ばりのスローモーショナブルな台詞回しなどなど。世界が物語のために待ってくれてるの、なんやなあてなりました。

ざぶざぶに「シン・ゴジラ」に感動してしまった(物語も物語の造りにも)ので、向き不向きに合わなかったんだと思います。物語があって、人がいるのではなく、人の形成が物語を創り上げてる(ように出来ている)作品の方が、僕は好きだったんだなと認識できた次第にございます。(映像)凄かったし、感動しなかったわけではないんですけど、そこが物足りなかったんでしょうね。

というわけで、偉そうな事ばっかり言っててもどのツラ提げてゆうとんじゃい、なので、こういう感じだったら良かったと思ったんだろうな、という文章を、小説の書き出し風とWikipedia解説文(一部抜粋させて頂いております)風を織り交ぜながら書き連ねてみた次第にございます。

典子大車輪(未遂)は入っておりませんので悪しからずです。あのシーン、めちゃくちゃ笑ってしまったので、映画館で観なくてよかったと思いました。や、映画館で観たら、もっと違う感想(映像的にも)が得られたのかもなとも、思うんですが。


シソ・ゴジラ-1.0」←クリック

偉そうなタイトルですが只々下劣な二次創作みたいなもんです。イントネーションは始祖ではなく、紫蘇です。

そして心の底からアカデミー賞おめでとうございます。この映像が造れて、かつ、お茶の間で表現・再現できる機器が存在するという現実に、土下寝の最敬礼でございます。
ありがとうございます。



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