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ドローンを採用したCMの妥当性

紙面媒体とは異なりCMのように当時残された良い演出を現代に繋げられるのであれば、ドローン撮影やメッセージも未来に生かされていくのだと痛感した。

“A New Era on Advertising”
— Baku Osawa

どんな媒体でも写真や動画が必須な時代に生きている現代。表現方法の手段として定点の写真だけではなく様々なアングルや演出で、ユーザーから注目されるような制作物に満たされています。新商品開発用のロケーション撮影、モデルを採用した奇抜なグラフィックや動画を採用した媒体もご覧になった事があると思います。供給する側と受け取る側の「感覚的なやり取り」を純粋に考える時、現代の演出手法は妥当な方向に進行しているのか、を考えてみました。

The present age where a medium of photography and moving pictures is essential for any medium. Not only fixed-point photographs but also various angles and renditions as a means of expression, they are filled with the creations that users are watching. I think I have seen a location shoot for new product development, and a medium that uses weird graphics and videos that use models. When thinking purely about "sensory communication" between the supplier and the receiver, I considered whether modern-day rendering methods are proceeding in a reasonable direction.


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- 広告上のドローン撮影映像のメリット -

意外に安価で購入することが常識的になった過去5年の間に、どれほどのドローンで撮影されたショットを含むCMなどが公開されたでしょうか?YouTubeやVIMEOなどの動画系SNSでも多くのプロフェッショナルがドローンを使用した映像を公開しています。


- 今までに無かった周辺環境のスケール感を伝える -

レンズを通して表現されてきた特定の建物や商品の規模感だけではなく、商品の背景にある立地や自然環境などを取り込むだけで、更にその商品を躍動させるような広告展開をすることが出来るようになりました。手元だけの商材紹介ではなく、物語を見せるようなシネマティックな映像が主流ですよね。

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・迫力がある映像を捉えることができる
・商品となる被写体を360°見渡すことができるので立体的な演出をすることができる
・室内空撮にもドローンを使い、素材や登場人物の表情を多面で紹介できる

上記のような項目がメリットのように思います。当然3D処理などへ推移することができるため、大きな4K画面で映像を見ると、とても迫力がありコマーシャルという視点では成功する例が多くあります。


- 広告上のドローン撮影映像のデメリット -

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撮影素材をもとにテレビコマーシャルを汲み上げて行く際には、スクリプトを元に制作しますが、CM尺が決まっているため、ドローン素材を使った優雅な雰囲気を伝えきれない場合があります。30秒CMであればまだしも15秒CMであれば、ドローンを含めて6カット程度が限界でしょうか。広告主が一番伝えたい箇所へ盛り上げる役であるはずのドローン撮影素材が、15秒CMの場合にはどうしても「お荷物」になる事があります。

どんな編集者でも「この映像を長く綺麗に使いたい!」という意欲があっても、重要な商品の印象が薄くなってしまうのであれば採用されません。残念ですが諦めて、以前からあるようなCMの構成に逆戻りするケースも多々あります。


- 演出手法の妥当性 -

地上波での問題点は広告枠の長さが決まっていること、また、その予算によって尺も決まっているので、演出範囲がどうしても偏ってきてしまいます。第一線のクリエーターによるCGやタレントの起用によってその商品の価値を向上させる技法がまだ汎用されていますね。

ネットの世界ではどうでしょうか?上記にあるような動画メインとしてSNSでは、基本的に公開動画の長さには規制がありません。有名ではなくても動画の途中でスポンサーのロゴを入れたり、商材紹介の10秒を滑らせたりと、TVでは常識ではない広告展開が新しくうまれてきています。

この2つの演出方法に違いはあれど、経済やビジネスとして円滑に商品を伝えるという本来の広告の意図は一緒であって、今後も様々な展開でその姿が変化してゆく事と思います。

テレビCMは期限がありますので、一定期間が過ぎればテレビに登場しなくなります。ですが、ネットでは昔の良いテレビCMやfootageを今でも見ることができるのです。この2つのメディアを上手く利用した広告展開が既に始まっていることも、デジタル時代の面白さとも思います。

Volkswagen Corporate Double Checked AlmapBBDO Sao Paulo Brazil 1999

過去のCMとしてヴォルクスワーゲンのCMから学んだ、企業からのメッセージは映像も含めて印象に残っています。「ドイツ人らしい」哲学が含まれていて、なるほどなぁと思いました。結果と同じくらいその工程を大切にするドイツ人の気質は日本人と似ていると言われています。教科書通りそのプロセスに趣をおくのは今でも素晴らしい製品を作っている証だと思います。

CMの尺に捕らわれず、このCMのように当時残された良い演出を現代に繋げられるのであれば、ドローン撮影素材やメッセージも未来に生かされていくのだと痛感しました。

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