91日目 酒呑み日記「だだちゃとチーズと遺伝」
ずんだ餡の豆大福を食べていたら冷酒が恋しくなり、ちょっと一杯。
ついでに熟成チーズも出してきてかじりながら、ちょびちょびお酒を呑む。
父方の祖父が結構なお酒好きだったそうで。彼女とお寿司屋さんでお酒を飲んでいる時に倒れて運ばれ亡くなったので一応事件性がないか調べてからしか遺体を引き取らせてもらえず大変だったと父から聞いたことがある。
物心つく前のことだったので祖父がどんな人だったのかよく知らないけれど、体質的にはそちらの系譜を継いでいる気がする。
父方は祖母も祖父も早くに亡くなったので、私が成人してから父の親族に会って、祖母に目がよく似てきた、なんて言われるとなんだか不思議な気持ちになった。
確かにアルバムの中の祖母の目は形だけじゃなくて視線の雰囲気まで少し私と似ている。手掛かりのない人に似ている、ということの覚束なさ。自分の体がふいに自分の知るよしもないもののような気がしてくる。
そんなことをうつらうつら考えながらお酒を呑んでいる。
かと思うと、秋冬物のあたたかくて綺麗な色の靴下を新調したいな、と唐突に足元へと意識が引き戻される。
気持ちはあちらこちらへと移ろいながら、夜が深まってゆく。
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