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持久力を高めるための低酸素トレーニング!その指標と実績データを公開

低酸素トレーニング、コッソリ継続してます。2014年秋から試行錯誤を開始、ちょっとお休みする期間もあったりしましたが、なんだかんだ続けてます。

そもそも、なんで低酸素トレーニングをやるか?はっきり言って、根源的には自分が超ウルトラミーハーな性格だからです!そもそもトレイルランニングですらミーハー魂から始まってますからね。こればっかりはしかたありません。なんか強くなれそうじゃないですか、低酸素トレーニング……。

でも、本当に効果あるんでしょうか?最近は常圧低酸素室を利用したトレーニング施設も増えてきました。ここらへん、どうやって活用したらいいんでしょう?そもそも利用する目的はなんでしたっけ?

というわけで、今回は低酸素トレーニングについて、これまで調べたり考えたり経験した内容と、この半年間の取り組みを共有したいと思います。

●ここでいう低酸素トレーニングとは

低酸素トレーニングというより「高所トレーニング」が学術的な単語としては正しいかもしれません。自分の知識のバックグラウンドとしては、主に「高所トレーニングの科学」や「ダニエルズのランニング・フォーミュラ(第3版がおすすめ)」といった書籍やミウラドルフィンズやNEUTRALWORKS.に通った際に見聞きした内容、ネットでの学術論文等の検索、高所トレーニングを実践している仲間(友人や知人)との会話等になります。

高所トレーニングの歴史や学術的な変遷は上述の「高所トレーニングの科学」がとてもよくまとまっているので、興味ある方はぜひ読んでみてください。

どこでどのようにやるかという点で、高所トレーニングは様々なタイプがあります。実際に標高の高いところに滞在するようなタイプのトレーニングが、そもそも高所トレーニングの発祥になりますね。で、これを平地でも同じような効果を求めて作られたのが常圧低酸素室(ざっくりいうと、酸素濃度を低くした精神と時の部屋です)です。今回話をするのはこういう施設(自分が行ってたのはNEUTRALWORKS.)でのトレーニングで、これを便宜上(常圧低酸素室で行う)「低酸素トレーニング」と呼ぶことにします。

**●低酸素トレーニングに期待すること・期待できること **

さて、高所トレーニング(低酸素トレーニング)による運動生理学的な効能としては、血液の酸素運搬能の向上とか筋緩衝能を高める(超ざっくりいうと、疲れにくくなる)みたいなものが研究結果として報告されているようです。また、高所登山のための順化トレーニングも効果があるといわれています。

よって、低酸素トレーニングに期待することとしては、レースなどのコンペや高所登山などのエクスペディションを念頭におき、主に以下の2点かと思います。
1)高所順化(を事前に行うことによる現地でのパフォーマンス向上)
2)いわゆるスタミナ・持久力の向上

●高所順化のための低酸素トレーニングについての振り返り

1)についてはLAVALEDOというレースに出場するため(イタリアで行われた120kmほどで標高2400m付近も通過する山岳レース)昨年2016年5月初めから6週間ほど、NEUTRALWORKS.の低酸素トレーニングルームで週1回インターバルトレーニングを実施し、また週末は標高2,000m以上の山で8時間前後長時間動くような練習をしました。

結果、主観的にはトレーニング以前は1800m程度でキツさを感じ始めていましたが、そのラインが2300mくらいまであがった感じです。高度や酸素の薄さに敏感になった感じがありました。具体的には、高度をあげていったときに酸素の薄さ(呼吸のキツさ?)から、今だいたい標高何mか当てられるような感じです。Sp02(動脈血酸素飽和度:動脈血中の総ヘモグロビンのうち、酸素と結合したヘモグロビンが占めている割合)の値もだいたい当てられるようになりました。こうした客観的指標値と主観一致させられたことで、標高が高いエリアでは気持ち抑えめに走るといったことで、全体のパフォーマンスアップができたとは思います。

●スタミナ・持久力の向上のための低酸素トレーニングについての振り返り

今シーズンに関しては上述の2)を狙ってトレーニングをしています。先日、基礎構築期間に関するエントリーを書きました。この期間は持久力を高めるために心拍ゾーン2のボリュームを如何に増やすかが命題でした。平地のランニングだけだと限界があり故障リスクもあるため、クロストレーニングを積極的に活用していく方針でした。よって、ジムでバイクやエプリティカルマシーン等を活用したクロストレーニングを取り入れていました。同時に、低酸素トレーニングでのランやバイクについても、ペースが遅くても平地よりRPEも心拍数もあがることから、クロストレーニング的な位置づけで取り入れたという感じです。BE RUNも最も標高が高い地点で1800m程度と高所ではないため、あくまで平地での走練習をメインにはしつつも、効果的に心肺機能を追い込む位置づけでの活用を念頭において低酸素トレーニングを取り入れた形になります。

●低酸素トレーニングのプランニングにおける、理論的な背景や実践的な指標について

さて、個人的な振り返りの意味も兼ねて、もう少しこの半年間の取り組みを、理論と実践という観点で、振り返ってみたいと思います。

多くの人にとって、また個人的にも、高所順化よりもより一般的な持久力の向上を目的とした低酸素トレーニングに興味があるのではないでしょうか。

高所順化に関しては、目標とする山やレースの標高や運動強度を意識して、Sp02を落とさないようようなトレーニングをしていくことが肝になりそうです。では、持久力の向上を目的とした場合の指標値はどう設定するとよいでしょうか?RPE?心拍数?Sp02?これの、一つの回答になりそうな論文があります。それを元に、自分もトレーニングプランを立てて実行していきました。ここら辺の理論的な背景と、半年間に行なったトレーニング内容を共有してみたいと思います。

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