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朗読で、宮沢賢治の"息"を感じる

最近、宮沢賢治の作品の朗読が、ちょっとしたマイブームになっている。宮沢賢治といえば岩手を代表する人物であり、仏教に根差した世界観はからは私も大きな影響を受けている。
特に、震災以降の復興期には、すがるような気持ちで作品を読んでいた。

お寺でワークショップやイベントをする機会が時々あるのだが、その時に宮沢賢治の作品の朗読をしている。

特に農民芸術概論要項という作品は私たちが里山で、あるいはこの世界で生きる上で多くの示唆を含んでいる作品でもある。

おれたちはみな農民である 
ずゐぶん忙がしく仕事もつらい
もっと明るく
生き生きと生活をする道を見付けたい

宮沢賢治「農民芸術概論綱要」

しかし、朗読にはあまり興味がなかった。私だがいざ野外でタブレットの青空文庫を開き、宮沢賢治の作品を朗読してみると何とも言えない環境がある。
岩手は宮沢賢治が生きた土地そのものであり、僕たちが見ている里山の風景はきっと検事が見たものとそう変わってはいないだろう。

そう思うと、賢治の言葉一つ一つが、朗読によって音になり、岩手の自然という背景の中で賢治の「息」になって聞こえてくる。

世界がぜんたい幸福にならないうちは
個人の幸福はあり得ない
自我の意識は個人から
集団社会宇宙と次第に進化する
この方向は古い聖者の
踏みまた教へた道ではないか

宮沢賢治「農民芸術概論綱要」

正しく強く生きるとは
銀河系を自らの中に意識して
これに応じて行くことである
われらは世界のまことの幸福を索ねよう 
求道すでに道である

宮沢賢治「農民芸術概論綱要」

Amazon の青空文庫で宮沢賢治の作品は全作品が一つの電子書籍としてもまとめられ、無料で読むことができる。何といういい時代なんだろう?皆さんも宮沢賢二のあるいは自分の好きな作品の朗読してみてはいかがでしょう?

芽出しを待つ陸羽132号の籾

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