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(後編)勝利だけではない価値 ~ スフィーダ世田谷FCは世田谷をもっと楽しくする! (加筆修正)

(2022/8/13) この記事がnoteから削除されてしまったので、ダッシュボードからコピー&ペーストで復活させました。

スフィーダ世田谷ブラインドサッカーチーム選手兼GMの鈴木康夫です。

この話の前編はこちら
(前編)勝利だけではない価値 ~ スフィーダ世田谷FCは世田谷をもっと楽しくする!(前編)


今回は、ブラインドサッカーチームをスタートさせてからの話の後編です。

スフィーダ世田谷トップチームの樫本芹菜選手のnoteで述べられている通り、スフィーダ世田谷は今年に入ってクラブのビジョン・ミッション・バリューを改定している。
クラブパートナーの皆さんにその想いについて順次説明が行われている最中です。

樫本芹菜背選手のnote
スフィーダ世田谷FCは世田谷で試合をしなければならない

スフィーダ世田谷BFC創設までの流れ


本題に入る前に、サポーター活動を終了してからスフィーダ世田谷BFC創設までの流れを簡単に述べておこうと思う。

2019年東日本リーグ開幕戦 GLAUBEN FREUND TOKYO(黒のユニフォーム)
2017年西日本リーグ 岡山デビルバスターズ
2015年日本選手権 コルジャ仙台


2014年夏にサポーター活動を終了したのち、ベガルタ仙台レディースサポーターのUさんからの紹介で、東京にできたばかりのブラインドサッカーチームGLAUBEN FREUND TOKYO(ドイツ語で仲間を信じるの意)に選手として加入。

コルジャ仙台(Uさんのチーム)や岡山デビルバスターズに短期間在籍をし、2019年シーズンをもってGLAUBEN FREUND TOKYOを退団。GLAUBENでは元スフィーダ世田谷の山本摩也選手(現在INAC神戸レオネッサ)の元チームメイトや元スフィーダ世田谷の廣瀬コーチの後輩GKや吉備国際大学シャルムOGの金森彩加選手(かなもん)とプレー。

2019年の春先にバルサ財団FutbolNet指導者講習多様性専門コースでスフィーダ世田谷の張副代表と出会う。(当時はまだスフィーダ世田谷の役員ではなかった)

2020年からブラインドサッカーチーム創設のプレゼンを開始。創設に向けて準備を進め、2021年7月6日に創設。


吉備国際大学シャルムOGの金森彩加(かなもん)さん
フットサルスペイン女子リーグでもプレーした金森彩加さん
MSV Duisburg時代の樫本選手のメッセージカード

創設までの間、樫本芹菜選手と下山田志帆選手が気にかけてくれたのが心強かった。

樫本芹菜選手との出会いはドイツのMSV Duisburg所属時代に遡る。ブラインドサッカーのチームメイトだった吉備国際大学シャルムのOGのかなもんがきっかけだ。味噌ラーメン屋のバイトとガムテープのシューズの話を聞いたことで応援するようになったのだ。

余談だが、2013年加古川陸上で行われたなでしこリーグ入替戦(対吉備国際大学シャルム)ではそのかなもんと横断幕設置の質問でニアミスしてたらしい。

2013年なでしこリーグ入替戦第2戦 兵庫県加古川市
2013年なでしこリーグ入替戦第2戦 兵庫県加古川市

次の動画はなでしこリーグ入替戦第2戦の会場入りをする選手スタッフを迎えたときの様子です


スフィーダ(挑戦)を通じて、世田谷をもっと楽しくする

本題に入ります。

スフィーダ世田谷FCは今年に入ってからクラブのビジョン・ミッション・バリューを改定した。以下が新たなビジョン・ミッション・バリューだ。

【スフィーダ世田谷ビジョン・ミッション・バリュー】

定義
「女子サッカーを核とした、世田谷に根ざすみんなのスポーツクラブ」

ビジョン
「スフィーダ(挑戦)を通じて、世田谷をもっと楽しくする」

ミッション
・スポーツの楽しさ(する・観る・支える・極める)の提供を通じ、その力でクラブに関わる全ての人生を豊かにしていく。
・地域活性化のプラットフォームとして、人と地域の架け橋(集める・繋げる・育てる)となる。
・女子サッカーチームが核であることを活かし、スポーツを軸に多様性社会推進に貢献する。

バリュー
・全ての活動において、未来を見据え失敗を恐れずに挑戦し続ける姿勢
・関わる人々の情熱や思いを大切にし、継続性を重視したクラブ運営
・育成を全てのベースとし、憧れ(目標)となり、明確なスタイルがあるトップチームづくり

ファンを増やしていくには?
いままでもクラブのビジョン・ミッション・バリュー(以下MVV)はあった。

しかし、時間とともに社会情勢は変化し、実際とのずれは起きてくるもの。

そして、強いチーム、試合で勝ち続けるチームを目指すだけではファンが増えないこと、スタジアムの観客が増えないに気づく。増えていないことはおおよそわかっていたが、もうこのアプローチでは限界があることに気づく。

昨年からクラブフロントでMVVについての議論がスタートしたという。

昨年秋に開催された川崎フロンターレの天野春果氏の講演会はその流れのひとつだ。スフィーダ世田谷のトップ、アカデミー、ママ、ブラインドサッカー、ウォーキングサッカーの全カテゴリーの関係者が聴講した。

スフィーダ世田谷ママチームとブラインドサッカーチームもMVV改定とこれからのスフィーダ世田谷の在り方についての議論の輪に加わり、何十時間もの議論を重ねた。


もし仮に公式戦で全敗したとしても、毎試合スタジアムが満員になり応援されるクラブになるには?
試合を観るだけではない価値を生み出すには?

地域密着なのか、それとも、そうではないのか?
地域密着するのなら、これからずっと継続して世田谷に暮らす人々に密着し続けられるのか?

一度地域密着で動き出したら、続けなければならない。クラブが継続できないことは許されない。

このMVVが形になるまでに、長い時間の議論を尽くした。

クラブに関わる全員が新MVVについての説明を受けた

ビジョン・ミッション・バリューが新しくなっても、行動が伴わなければ意味がないし、絵に描いた餅だけにしてはいけない。そのための第一歩として、新MVVと込められた思いをクラブ内の各カテゴリーの関係者を集めて共有された。

クラブがこれから変化していくこと、将来的にWEリーグに参入するために、そして、世田谷で暮らす人々から必要とされ愛されるクラブになっていくことの大切さが語られた。

地域で、スタジアムで起きているイベントの変化

クラブの外側から見るとスフィーダ世田谷の変化はわかりにくいかもしれない。しかし、内側を知る立場として、そして、応援をリードしていたサポーター時代の立場からみても、今年に入ってからのスフィーダ世田谷は大きく変化している。

ホームゲームの会場で行われているイベントも変化している。各節のテーマも変化している。これは川嶋コーチと窪田コーチの獅子奮迅の努力の賜物です。

みなさん、川嶋コーチと窪田コーチに会った際には激励をお願いします!

直近の地域イベントとしては、今日から始まる 昭和女子大学 x スフィーダ世田谷 x サミット によるサミット野沢龍雲寺店限定でのあやめマルシェの定期開催です。生産量の関係であやめマルシェは野沢龍雲寺店限定開催です。

なでしこリーグの中断期間後のホームゲームでは、参加型・体験型イベントの準備が進んでるのでお楽しみに!
世田谷区内でのイベントも続々と計画進行中なので、公式の発表をお楽しみに!

スフィーダ世田谷BFCのビジョン・ミッション・バリュー

スフィーダ世田谷ブラインドサッカーチーム

スフィーダ世田谷ブラインドサッカーチームとしてのMVVは次の通り。

スフィーダ世田谷FCのクラブビジョンのもとブラインドサッカーチームのビジョン・ミッション・バリューは次の通りに定めました。

【ブラインドサッカーチームのビジョン・ミッション・バリュー】

ビジョン
「目がみえる人とみえない人がいつも笑いあえる社会を世田谷につくる」

ミッション
・ブラインドサッカーを通じて人と人がつながる機会を提供すること
・運動を通じて心身ともに健康になる機会を提供すること・絵本の読み聞かせを通じて一人一人の違いを知る機会を提供すること

バリュー
・チームに関わる全ての人が世田谷から信頼される存在であり続けること

トップチームだけが頑張ればいいというわけではないということ


SFIDA ZAFFIRO、スフィーダママ、ブラインドサッカーチーム

新しくなったMVV。
これはなでしこリーグで戦っているトップチームだけが実行すれば良いものなのか?

いや、それは違う。

クラブビジョンの実現のためには、スフィーダ世田谷というクラブの全カテゴリー関係者が取り組まなければならない。総力戦なのだ。

ブラインドサッカーチームは次のことを主な地域活動として2021年度がからスタートさせている。

未就学児世代を主な対象とした、対話型の絵本読み聞かせと見えない世界を感じる体験プレゼント活動

iroToriDori様
煌心会空手道場様

スフィーダ世田谷ウォーキングサッカー体験会でのブラインドサッカー体験時間


ブラインドサッカー体験時間

各種団体から依頼されるブラインドサッカー体験イベント

スポーツ・オブ・ハート2021
J:COM東京わくわくスカウトキャラバン


なでしこリーグホームゲーム会場でのイベント

2022年武蔵野陸上競技場・絵本の読み聞かせ
2021年駒沢陸上競技場・ブラインドサッカー体験コーナー withまゆちゃん

今後も様々なイベントの準備が進行中。
現時点で発表できるものは

スフィーダ世田谷ウオーキングサッカー&ブライドサッカー体験会
荒川区社会福祉協会ボランティアセンターサマースクール
世田谷区内小学校サマースクール
世田谷区内小学校体験授業
世田谷区内保育園絵本読み聞かせ
東京タワー敷地内イベント


スフィーダ世田谷ウォーキングサッカー体験会

将来的にはブラインドサッカー公式戦をホームゲームとして世田谷区内で毎年開催していき、世田谷で暮らす人々に気軽にブラインドサッカーを見てもらえるようにしたい。そのために、スフィーダ世田谷が主管として開催できる体制を構築していくつもりである。

当面、ブラインドサッカー東日本リーグと日本選手権出場を目指しているが、日本ブラインドサッカー協会正登録年数と公式戦の好成績の実績を積んで、新しくできた有料開催の最高峰リーグのLIGA i(リーガ・アイ)への参入を果たし、世田谷区内で試合を観てもらいたいと思っている。

それと同時に、世界的にも定期的なリーグとしては存在していない(鈴木調べ)女子リーグを日本国内に誕生させて、日本の女子ブラインドサッカークラブをスフィーダ世田谷BFCがけん引していきたい。

世田谷区出身の日本代表選手を誕生させ、パラリンピック出場を実現できたらうれしい。スフィーダ世田谷からパラリンピアンを誕生させたい。

新MVVの実現に向けて頑張っていく先に

スフィーダは世田谷をホームタウンとするクラブなのに、2022年度のホームゲームはすべて世田谷区外の開催。AGFフィールド、武蔵野陸上競技場、江戸川陸上競技場や西が丘サッカー場など。

これでは世田谷で暮らす人がスフィーダ世田谷の試合を気軽に観に行くことができない。特にスフィーダ世田谷を知ったばかりだったり、ライトなファンにとって心のハードルが高いと思う。

スフィーダ世田谷の事務所がある祖師谷から、これら2か所の公共交通での距離はほぼ同じ
①西が丘までの距離とニッパツ三ツ沢球技場の距離
②江戸川陸上競技場までの距離と大和なでしこスタジアムの距離

世田谷のための地域活動をどんなに頑張っても、ホームゲームのスタジアムで戦うトップチームの選手たちの雄姿を世田谷区内で観ることができないのは大きな痛手だ。

では、スフィーダ世田谷東京やスフィーダ東京という名称にして使用可能なスタジアムを増やすのか?

それでは意味がないし、世田谷区の女子中学生がサッカーをする場所を作るために創部したスフィーダ世田谷のアイデンティティに反する。

世田谷区内でなでしこリーグ基準を満たすスタジアムは駒沢のみ。WEリーグ基準を満たすスタジアムは駒沢のみ。(照明基準が追加された場合は駒沢はNGとなってしまう可能性がある)

WEリーグから現在公開されている規約では駒沢のみだが、将来的に規約にナイトゲームなどを求めらてくると駒沢は照明設備がないからWEリーグでは利用できない。そして駒沢の施設保有者は東京都であり、東京都スポーツ文化事業団が指定管理者。

つまり、駒沢では世田谷の自治体と協力関係を構築して試合をすることができない。駒沢陸上競技場開催では、世田谷区や外郭団体の世田谷区スポーツ振興財団と力を合わせることができない。

世田谷区や世田谷区スポーツ振興財団と力を合わせて世田谷を盛り上げていくためには大蔵総合運動場があるが、大蔵は素晴らしいメインスタンドに作り直されて新しくなったが、ピッチがなでしこリーグ開催基準を満たしていないため、現状は試合開催が不可能。

これがスフィーダ世田谷のホームゲーム開催を取り巻く環境だ。

嘆いてもしかたがない。

これからスフィーダ世田谷がクラブビジョンのもとに地域活動を充実させていき、世田谷で暮らす人々に寄り添っていき、 
 スフィーダ世田谷は絶対に必要な存在  
だと誰からも言われる存在になっていくしかない。

その先に世田谷区内でスフィーダ世田谷が毎試合ホームゲーム開催ができる未来があると信じている。

世田谷のいつものあの場所で、スフィーダ世田谷の試合を観たい
そういう環境を実現できたらうれしい。スタジアムで生れるコミュニティーは大切。

世田谷をもっと楽しくするために、スフィーダ世田谷と伴走していただけませんか?

世田谷をもっとよくしたい、老若男女障害の有無問わず誰もがスポーツに参加できる街にしたい、スフィーダ世田谷と一緒に社会課題の解決に取り組みたい方がいましたら、ご一報をおまちしています。

スフィーダ世田谷のビジョンと取り組むことを語りに参ります。

スフィーダ世田谷トップチーム、アカデミーはもちろんのこと、ブラインドサッカーチームもユニフォームスポンサーを募集しております。

ブラインドサッカーチームの場合は、広告としての意味よりも、ブラインドサッカーを通じて障害や違いを知ってもらうための地域活動、そして、視覚障害者の活動の場を広げていく活動を共に創っていくパートナーとして伴走していただけたら嬉しいです。

スフィーダ世田谷ブラインドサッカーチームのユニフォーム


今現在、ブラインドサッカーチームのユニフォームは5社パートナーがあり、シャツ6か所、パンツ1か所に空き枠があります。また、競技用品のアイマスクには1か所空きがあります。

ブラインドサッカー競技用アイマスク

スフィーダ(挑戦)を通じて、世田谷をもっと楽しくする


【鈴木康夫について】
ニッパツ三ツ沢球技場の目と鼻の先で生れ、日本サッカーリーグ(JSL)に夢中になる。幼少期は野球とサッカーを楽しむが(大人になってから判明し手術で完治する)心臓の病気が原因で競技レベルに参加できず。

1998年株式会社横浜フリエスポーツクラブ(横浜FC)を創設し取締役に1年間就任。取締役同期は現在エスペランサSC役員(関東リーグ)。2011年2月スフィーダ世田谷FCと出会い、試合を見始める。夏から応援リード活動を一人で始める。2014年夏応援リード活動終了。

ブラインドサッカー競技と出会い選手として活動。GLAUBEN FREUND TOKYO、コルジャ仙台、岡山デビルバスターズなどに所属し、2019年からブラインドサッカー新チーム設立活動開始。2021年7月スフィーダ世田谷BFCを創設し選手兼GMとして活動中。日本初の女子クラブチームとしてリーグ参入を目指している。





ブラインドサッカーについて綴っていきます。 日本初の女子ブラインドサッカークラブが出来ていく歴史を見守ってください!がんばります!