読書感想文「世界で一番やさしい会議の教科書 実践編」

はじめに


ご覧いただき、ありがとうございます。バイスマンです。
以前書いた下記の記事でも触れましたが、転職してから自身のファシリテーション力に課題を感じておりました。

そこで書店に行き、良さげな本を探してたところ、こちらの書籍に出会い、読んでみました。感想としては非常に勉強になったの一言です。もっと早く出会いたかった一冊です。20代の若手はもちろん、意味の無いダラダラ報告会議ばっかりセットするおじさん管理職にも是非読んでいただきたい一冊です。
この本の素晴らしいなと思ったところは、基本動作を実際にどのように活用するかを、会議のファシリテーターだけでなく、参加者目線でも実例を交えて紹介しているところです。私のような若手社員だと、まだまだファシリテーターより参加者側の立場で会議に出ることも多いですよね。そのような日々の会議を、明日から効率化したくなる一冊です。
せっかくなので、アウトプットも兼ねて簡単に書籍の内容をご紹介します。
全部書いてしまうと作者の方に申し訳が無いので、一部だけ。興味が出た方は是非買ってみてください。

特に勉強になったところ

作者によると、社会人は生涯で3万時間を会議に費やすそうです。この本では、そんな会議が劇的に効率化できる、会議の8つの基本動作を中心に紹介しています。会議ってどの会社も毎日やってるのに、会議のテクニックってなかなか研修とかでやらないですよね。

ちなみに8つの基本動作は下記です。

(1)決まったこととやるべきことを確認する
(2)終了条件を確認する
(3)時間配分を確認する
(4)議論を可視化する
(5)準備する
(6)主張を引き出す
(7)対話を促す
(8)振り返る

(1)決まったこととやるべきことを確認する
これは、決定事項といつまでに誰が何をするのか、最後にまとめることです。
例えば会議の終了時に、「それではこれで終わりにします。今日決まったことはバイスマンさんが、今日中にこの本の要約をnoteに投稿すること。だと思います。もし過不足があれば指摘して下さい。特になければ以上です。」みたいな感じですね。
これはファシリテーターだけでなく、参加者側でも気軽に言えそうですね。「私がやることって。明日までに議事録をメールで皆さんに送付することであってますか?」みたいな。早速週明けの月曜日から使います。

(2)終了条件を確認する
この(2)は目から鱗でした。
作者に言わせれば、終了条件が知らされていない会議はルールを何も知らずにボールを渡されてサッカーをさせられるようなもの。しれっと始まって、しれっと終わる会議って本当に多いですよね。
会議の目的は「○○すること」ではなくて、「○○な状態になる」ことです。報告すること、議論することは目的にはなりません。
例えば、会議の初めに、
「今日の打ち合わせでは、来期から担当してもらうA社の情報共有します。」
って言われると、情報共有されるんだなーって、のんびりとしてしまいます。ところが、
「今日の打ち合わせでは、来期から担当してもらうA社について、これまでの取引内容と、今後営業として狙いたい領域について、○○課長に話せる状態になってもらえればOKです。」

上記のように、私の期待する状態を最初に明示しておくと、「なるほど。まず今日は○○課長に話せるくらいA社について理解するぞ」ってなりますよね。自分の言葉で話せるような状態を目指して聞くので、当然質問もどんどん沸いてくる。素晴らしいです。これも明日から早速実践します。

会議の招待メールに、「○○社について情報共有しますのでよろしくお願いします」とか私も書いてましたけど、まずは会議の終了条件を状態で記載することから始めます。明日から急にそんなこと会議招待メールに書いてる奴がいたら、そいつはバイスマンです(笑)

その他にも、様々なテクニックが紹介されていました。
・会議で発言する時は、「報告です。」「相談です。」「質問です。」など何を言うのか最初に言うこと。(報告が来るんだな、と聞き手が理解できる。発言者側も時間稼ぎできる。)
・会議で意思決定者に結論を促すときは、会議招待メールやアジェンダに、「目的:A案で進めることに対して○○部長に承諾を頂くこと」など明記する。
・複数案がある場合はコスト、効果、納期などの指標で図表にしてポイントをピックアップして口頭説明する。
・資料をただ全部読み上げるだけの会議はNG。意思決定者に判断を仰ぐ時は事前に資料を送付する。それでも読んできてくれないことがある。そんな時は、冒頭の数分は各自黙読の時間にする。(いちいちファシリテーターが読み上げない。WEB会議とかならチャットなんかに資料をアップして黙読のほうが早い)
・数回に渡る会議の時は、会議開始時に前回の会議で決まった内容を振り返る。「前回は○○をBさんが次回の会議までに確認することになってました。Bさん、確認結果はどうでしたか?」みたいな感じ。これはお客さんとの打ち合わせでも使えそうですね。
・意思決定してもらう会議の王道の資料構成は、
①結論→②結論に至った経緯や背景→③結論以外の選択肢とそれを外した理由→④意思決定に使った情報
例えば、こんな感じでしょうか。

①C社のRFPに対する、当社の提案ソリューションはSAPで進めたい
②RFPを読み込んだところ、提案範囲と、SAPの業務全体図が合致していた。(RFPに書いてある提案範囲を資料にのせる)RFPをもとに、開発部の○○部長に相談したところ、提案できると裏も取ってある。
③コスト、提案範囲、当社リソース等の指標でSAPと他のソリューションの比較を図表に起こす。
④○○部長の開発部隊の過去10年間の提案ソリューションの種類をグラフにする。SAPがダントツで実績が多い。

これを最初にイメージしとくと、どんな資料や情報が必要か分かってきます。作者に言わせれば、会議の事前イメージをしないで会議資料を作り出すのは言語道断。いやー、耳が痛い。(笑)

おわりに


こんな感じで、非常に実践的な本です。ITの営業って開発部長とか、法務の怖い課長さんとか、お客さんの役員さんとか、自分より遥かに強い人と対峙すること多いじゃないですか。そんな私たちのバイブルになるような一冊です。
このような駄文にお付き合いいただき、ありがとうございました。
それでは、また。


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