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片付けと記憶

数年前から「お片付け」「断捨離」ということがブームとなり、お片付け関連の本がたくさんでています。
という私も「整理収納アドバイザー」
モノをどのように整理し収納するかという仕事をしているわけですが、、、
はたしてこの「片づけ」が本当に豊かな生活になっていくのか??

間違えている片付けの快感

おうち時間が増えて、断捨離という言葉を以前よりも多く聞くようになりました。
片付け関連のテレビや本や雑誌を読むと、片付けへのモチベーションがあがりますよね。
すると、なんだか今まで「捨てられない」と思っていたものが、スイッチが入り、「この機会に捨ててしまおう」となり、このスイッチが行き過ぎると捨てることに快感を覚えてしまうのです。
捨てすぎて後悔したことありませんか?
捨てすぎて、逆にモノが増えていませんか?

片付けって、自分の生活に必要なものを探すことなんです。
間違うと片付け₌「捨てるモノ探し」になってしまい、本当に必要なものがわからなくなって、また結局モノが増えてしまったり、心にすっぽり穴があいたような寂しさを感じてしまうことがあります。

私のセミナーでいつもお伝えしていること
「捨てることが片付けではありません」
整理収納は家の中の宝探しなんです。

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今だからこそ考える。本当の豊かさについて。

本当の豊かさは記憶のなか、体感したこと、経験したことにあるのではないでしょうか。
「記憶」「体験」こそがすべて
記憶や体験がその人の人間性やライフスタイル、衣服やお部屋の基準になると考えると、真の豊かさはお金やモノや物質的なものでなく、自分の記憶の中にこそあるのではないでしょうか?
捨てるモノ探しの片付けをしてしまうと、楽しい体験や記憶を思い出すきっかけすらも捨ててしまうかもしれません。
なぜなら日々新しい情報がはいってくると、昔の思い出もなかなか記憶の奥の方にはいってしまい、色々なことを忘れがちになってきてしまうから。
だからといって、モノが多すぎて何を持っているのかわからないとなってしまっては、本末転倒ですが。

藤井風さんの「帰ろう」の歌詞にこういったフレーズがあります。
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ああ 全て与えて帰ろう
ああ 何も持たずに帰ろう
与えられるものこそ 与えられたもの
ありがとう、って胸をはろう

待ってるからさ、もう帰ろう
幸せ絶えぬ場所、帰ろう
去り際の時に 何が持っていけるの
一つ一つ 荷物 手放そう
≪帰ろう 歌詞より抜粋≫
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この歌を聴いていると、死ぬときには何も持っていけないので、どんどん身軽になって、自分自身誠実に豊かに生きていきたいなあと思います。だからこそ自分の宝物探しである整理収納をしていかないといけないですよね。

押入れの奥に仕舞ったままの写真アルバムの価値

記憶をたどりよせるきっかけとなるものを近くにおいておくと
そこにはさまざまなストーリーがそこにはあるため、人生の色どりが深まり、味わいが増します。

思い出すだけで幸せな気持ちになるモノ、今は使用しなくても未来の自分につながるものです。そのストーリーは自分だけでなく家族にも伝えることをおすすめします。
私は、自分の写真は随分手放しましたが、要所要所のイベントごと(成人式とか子供のころとか結婚式とか)の写真は残しています。
自分の記憶のひとつだけでなく、家族の記憶のひとつになればいいなあと思って。
デジタルにしてデータ保存でもいいのですが、今のところはアナログ保存です。持っていることに安心しておきたいという気持ちがあるんでしょうね。
これは、まだまだ私の思い出の整理収納の課題です。

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豊かさはモノにあるのか?

無駄なものも人によっては大事なこと。
無駄なモノと思われるモノに歴史を感じ、記憶の快適さを味わうこともあります。
捨てすぎて、後悔することがないように。
じっくりと自分の心に寄り添って、片づけることが必要です。
本当の豊かさは自分自身がよく知っています。
それがモノを通じて感じるのか、記憶を通じて感じるのか、それは人それぞれ。モノの持ち方も適正量もひとそれぞれです。
LESS IS MOREですか?
MORE IS BETTERですか?


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