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名建築で旅をする~ヨドコウ迎賓館

大正期、旧帝国ホテル建設のため来日していたフランク・ロイド・ライトにより、灘の酒造家・八代目山邑太左衛門氏の別邸として設計されたヨドコウ迎賓館。
1974年に国の重要文化財に指定され、1989年より一般公開されている名建築をご紹介します。
阪急芦屋川から徒歩5分~10分程度で行くことができます。(坂道なので、私は10分くらいかかりました)

フランク・ロイド・ライト建築


設計は、モダニズム建築の3台巨匠の一人、フランクロイドライトです。
詳しくはこちらの記事でもご紹介していますので、併せてご覧ください。

自然と調和する有機的建築で有名なフランクロイドライト。これ本当に斜面?山と自然と何の違和感もなく調和しているのがよく体感できます。
建物までのアプローチ。豊かな自然の中に建築されています。

傾斜の土地に建てられているのがよくわかりますよね。

自然が主役

建物ファザードの写真です。
建物の奥側にも豊かな自然、そして2階のガラスにも緑が映り込み、自然と調和して自然を壊さず、それぞれの良さを引き立ててくれるような印象をうけました。

屋上のバルコニーからは六甲の山並み、市街地や大阪湾を眺望することができます。

この日がお天気が悪かったのですが、海もきれいに見えます。

六甲の山も美しくみえます。

まさしくピクチャーウインドウ!

美しい幾何学造形

これは2階の応接室です。
家具は全てオリジナルだそうです。
一番驚くのは、建具に施されている幾何学デザイン。すべてのお部屋のデザインは少しずつ違います。


トイレの窓にも!

他にもご紹介できないくらいたくさんありますので、お気に入りを探してみてください。

建築的家具デザイン

美しい家具もたくさんあります。
こちらは家族の寝室に復元されて机といすです。

こんな風にしてつくられているのね。フムフム

全体の空間。自然の景色と照明の陰影、幾何学デザイン。
全てのバランスが整っていて、「美しい」!

もちろん照明はタリアセン

こんな和室みたことない!

この建物の外観からは、和室があるなんて想像できないのですが、3階のメインの3室は、畳敷きの和室になっています。
これは当初のライトの設計には無かったそうなのですが、施主の強い要望で実現したそうです。
なんといっても飾り銅板を使用した欄間が印象的です。

幾何学デザインの窓から自然が!まさにこの窓自体がアートになっています。

和洋折衷という簡単な言葉では言い表せない、美しい造形。

斜面に建築されているから?スキップフロアで移動していきます。

はい、美しい。

一番装飾の高い部屋は・・

4階部分にあるこの部屋。正方形に近いお部屋が暖炉を中心に左右対称に照明などでデコレーションされています。一番装飾がすごいと思ったお部屋です。
実はこのお部屋家族団らんのダイニングスペースなんです。
天井は中央部が最も高い四角錘のような形になっていて、三角形の小窓がアクセントになり空間演出されています。この小窓から光が差し込みとても明るいお部屋となっています。

こちらからバルコニー部分にでて、神戸から大阪までの眺望を楽しむことができます。

大谷石の暖炉。ここに火が灯されて家族とコミュニケーションを楽しんでいらっしゃたんだなあ。

まとめ

フランクロイドライト設計の建築で現存されているのは、関西ではこのヨドコウ迎賓館のみとなっています。
自然と共存しながらの建物、どの季節も楽しめますが、山邑家ゆかりの雛人形を例年2月から4月にかけての雛祭りの時期に展示しているそうです。
当時の最高の技と素材を使って作られた文化的にも非常に価値の高い逸品ということなので、この時期を狙ってまた再訪したいと思っています。



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