旅するようなラーメンを!!(4)

 新聞配達おかげで小学生にしてはそこそこの収入があったこともあり、小学校高学年になると、自然の中ばかりで遊んでいた頃と比べそれなりに物欲が出てきたのか、当時流行っていたおもちゃなどをアルバイト代で買うようになっていった。4年生くらいはミニ四駆が流行り、近所の子供たちとコースを作って遊んだ。メンコや相撲をとっていた原始的な遊びからプロ野球選手カードやキン消し(キン肉マン消しゴム)集めへと知的とはいえないながらコレクションという名の下の少しは知的な遊びへと移行していき、5年生の頃にビックリマンチョコが全盛期となるとこの頃子供ながらのコレクターキャリアはピークを迎え、ヘッドといわれるシールを当てるためにあらゆる駄菓子屋を巡って買い漁る全くバカな子供だったが思い出すと懐かしく何故か微笑ましい。

 毎日の配達は辛いこともあったが、頑張って稼ぐ → 欲しいものを買う、というとても昭和型な労働意欲を当時の小さな社会情勢の中で刷り込まれていったのかもしれない。自分にも家族ができて、子供が育っていく今、二男がちょうど今4年生なのだが、環境も、遊び方も当時とは全く違い、ましてや新聞配達をする子供も周りにはいないという。昭和には昭和の、令和には令和の日々育まれていく価値観や思想がそこにはあるように思う。

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