インドネシアに住んだことで得たこと-海外で働く若者に向けて

昨今、日本社会の衰退やグローバル目線な若者も増えたことにより海外で働く若者が増えてきました。
個人的にはとても喜ばしいことで、そういった世の中の課題に対して行動をされている方々にはそれぞれが持つ「成功」を成し遂げてほしいと思っています。 
本日はそんな海外で働こう/働いている若者に向けて色々書いていこうと思います。

上司は選べないが知るべし

20代前半というのは1番大事な時期だと思っています。
これから長い社会人生活を送っていく上でのベースとなる価値観が作られる時期です。「自分は大丈夫」と思っていても悪い環境で過ごすと、人間の適応能力の高さが裏目に出て
・嫌味ったらしい人
・すぐに愚痴が出る人
・考え方が幼稚な人
・諦めなスタンスな人
と...自分はならないと思っていてもなってしまうものです。
これは良い状態とは言えないですよね。
こうなってしまうのか、そうではなく
・何事も前向き
・ビジネスセンスに優れた思考能力
・考え方が明瞭で伝わりやすい人
・物事の本質がすぐに掴める人
・ダメな人がいた時に自分に影響しないように好い距離感が取れる人
こんな人を目指したいですよね。
これらは20代をどう過ごすかにかかっており、その影響を1番与えてくれるのは上司です。

最近は新卒から海外で働こうとする方も増えてきたりと20代前半で海外で働く方が増えてきています。そんな方々は海外で働く会社が1社目だったり2社目だったりします。そうなると仕事へのスタンスまだ確立ができておらず、上司の言うことを聞きそれを実行し進めていくことになります。日本のように日本人も少ないので仕事に対する影響は上司から受ける割合が非常に大きいです。ただ、それが正しいかは別の話ですよね。
「いいから、やって」「まずは考える時期じゃなくて身体動かして覚える時期だから」「◯◯君はまだそこらへんのこと考えなくていいよ」
こんな感じにその仕事の本質や仕事の全体図を見せてくれなかったり、自分の意見に対した議論が行えない環境
これが正しいとは思えないですよね...

どこの世界でもそうですが、大人は思った程大人じゃありません。
まだまだ縦社会の強い現代社会において都合の悪い時は子供のようになります。そんな方々に振り回せれていては将来的には「ミイラ取りがミイラになる」みたいな話になってしまいます。

上司はガチャなので選ぶことは出来ませんが、こちら側で判断することは出来ます。今回は私が思う「こういった上司だったら当たり」を少しご紹介しようと思います。一方で海外特有の事柄で「これはハズレ」も紹介します。

①海外に来た理由に伴うキャリアプランを一緒に想像してくれる
海外に来る理由は様々です。
・自分でビジネスがしたい
・文化、宗教を深く知りたい
・パートナーがその国の人
...10人いれば10通りですよね。そんな時にその理由をしっかりとロジカルに聞いてくれて、「じゃあ仕事では...」と落とし込める上司は素敵です。
逆に「ふーん。まぁ頑張って。仕事はこれだから」と切り離してしまう人は要注意な傾向です。ただ、「文化を知りたい」という理由で海外に来た人が「顧客は100%日系」の会社に入り、上司より「あ、そうなの」と言われるのは仕方ないです。明らかに接点が作れません。これはその道を選択した本人の責任になります。
ある程度、自分で目的に対する会社を選びつつ...というのが前提です。

②どこまでいってもロジカルな説明と引っ張られる人柄
製造業が世の中を引っ張っていた時代は終わっています。今はテクノロジーの時代です。気合根性では世の中と戦うことは出来ません。ロジカル性が求められる時代です。ロジカル性というのは1日、2日で身につけられるものではありません。1年、2年と優れた人と一緒にいることでやっと身に付き始めるレベルです。
あなたの言動に対して「それはどういう意図?」「なんでその答えになった?」と疑問を投げかけてくれ、「なるほどね。この部分までは筋通ってる。ここからは◯◯が考慮されてないかもねー」と納得感のある説明をしてくれる人がいたらついていきましょう!!
さらに人は厄介なもので正論だけでは物事が進みません
あなたが説明を受けた時に「分かるけど...言い方...」と思うことがあるかもしれません。どうしても感情の部分は切り離せません。ここも上手く乗せられてしまうような人でしたら☆5の激レア上司です。学ぶことがとても多いことは間違いないので一生懸命ついていきましょう。

③良い時間の過ごし方をしている
上司も仕事が終われば街中の住人です。
・ゲームをする
・趣味に勤しむ
・勉強をする
・外部の人と合う
・寝る
…まぁどんな過ごし方をしてもいいわけですよ。もし、上司が
「今度、こんな◯◯を学ぶセミナーあるから行かね?」
「毎週、2日は勉強に当ててるからこの日は一緒に飯食えねーわ」
など、自己研鑽に時間をかけられているのであれば常に新しい情報をインプットしている為、ルーチンワークを好まず常に改善や新しい発想を心がけている学ぶことの多い方でしょう。

④その国の人を信じている
海外でビジネスを成長させていくためにはその国の人の力が不可欠です。しかし、それが分からず「使えない」「意味がわからない」など諦めている人が多いのが現実です。しかし、売上利益を作るために何とかしようとし「その国の人は半ば無視とし、日本人メンバーにプレッシャーをかけ何とかする」「とにかくパワーマネジメントでその国の人を抑え込む」という方法を取りがちです。これはどちらも間違いと言えます。運営自体は何とかなっても「メンバーが疲弊しているにも関わらず、思ったよりも伸びていない」という状況が生まれます。
その国の人に向き合い、上手いマネジメントが出来る人は対応力が高く市場価値の高い人と言えます。

⑤その国を知る努力をしている
④にも通ずる話になりますが、その国の人たちと一緒に仕事をしていくには「同じ窯の飯を食え」とは言いませんが、どういったバックグラウンドで今に至るのかを知ることは大事です。「文化、宗教、政治、イベント、言葉」とその国にはその国の歴史があります。
「相手に興味を持ち、知る」これを出来る人はなかなかいません。海外になると尚更です。逆に出来ている人は尊敬する部分が多い方です。

◯こんな人は要注意
①疲れることが美徳

海外では定時になれば仕事を終えるものです。なのでその国の人たちはそそくさと帰宅されていきます。ただ、今まで時間でカバーしてきたマネジメントをしてきた人にとっては悩ましい問題です。そんな時に扱いやすい日本人に目を向けて古いマネジメントを強いる人は要注意です。
・残業をしている⇢偉い
・古臭いことが大事⇢認める
・ムダな気遣い⇢社会人力高い
海外だと古い日本の体系が未だに健在です。こういったことを本気で思っている人は海外のほうが多いです。要注意ですね。

②権利の乱用
海外だと皆さんが思っている以上にメチャクチャな人が多いです。
日本だったら一発OUTのようなことを平然にする人が結構います。
・愛人を秘書にして雇っている
・あれもこれも経費(女の子系、カラオケ)
・ドライバーにカラオケまで連れて行ってもらい待ってもらっている
etc...
こんな上司、社長をあなたは尊敬できますか?きついっすね

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体をどれだけ動かせるかを求められている

海外に会社がある意味を考えてみると基本的には「事業の裾野を広げる」というのがベースになってます。それはどういうことかと言うと「出来上がったビジネスモデルにとやかく言うのではなくこれを広めろ」ということです。日本だとこのビジネスを考える部分の部署があったりそれに付随した戦略戦術、マーケティングなどなど頭を使う仕事があります。実際に前職では最後のポジションでこのビジネスを考えるところにいましたがやはり勉強になりました。一方でインドネシアではそういった新しいことを考えるのではなくそれを広める活動です。そうなると営業職がとても多くなります。営業職自体を非難するわけではありませんが、商品の良し悪しを考えることはなくそれを売るだけの営業職にあまり価値は感じません。ただ会社はそれを求めます。頭よりも体を動かす仕事が多いです。若い方はまず営業職になる方がとても多くなり体を動かすことになりますが、それをやり続けても首がまわらなくなってきます。

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日本人の仲間は多くはいらない。少なくは必要

海外に来て「日本人とは絡まない」という考え方もあります。その考えも嫌いでは無いのですが、ある程度信頼できる人を数人持っておくのは有りだと思っています。情報が入ってきやすかったり、時には日本語で話し込むのも心の安めになります。そして何より、意識の高い仲間だとネジを締め直すことが出来ます。
ただ、多くはいらないと思っています。日本人は日本人と群れたがるので、あっちにもこっちにも行くことになります。そして、大概そういった会は無意味な会話が多いです。時間も使いますし、気も使います。

家には籠らないように

インドネシアにいる日本人って結構家にいる人がいます。ただ、これは駐在員でもない限り、オススメしません。家にいるって日本でも出来ますからね。
それに気持ちが沈んでいきます。
無理にでも外に出て活動した方がいいとおもいます。自分は休日になると朝7時には外に出るようにしています。

その国の人と付き合う

家に籠らない対策とも取れますが、その国のことを知るにはその国の人と付き合うのが1番です。他の記事でも書いていますが、是非インドネシア人の彼氏彼女を作りましょう。
視野、知識、経験、価値観、言葉、全てが成熟していきます。

よりセルフコントロールが必要

所謂、同期入社組という概念はありません。なので同じくらいの年代だからこそ話しやすいことを話す環境がありません。
愚痴を話したり、騒いだりするだけの仲間は必要ありませんが、同期の中にも「切磋琢磨出来る仲間」がいる時があります。そういう仲間に助けられたり、より自身を高めることが出来ることがあります。
今はネットも発達しているので同年代の仲間を探すことも出来ますが、
辛い時でも楽しい時でも自分と向き合う大変さがあります。
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チャンスを自分で作らなければならない

現地採用というのはあくまで現地採用であって進出している日系企業の社長だったり駐在員をコントロールする側にはなりません。いくら実力があって長くいてもポッと来た20代の駐在員よりも立場は下になります。また、長くいて会社としては助かる部分はありつつもそれが逆に仇と感じ厄介者扱いされることも可能性としてあります。現地採用というのは契約社員(インドネシアにおいて)であり正社員にはなれません。なのでいつでも首が切られます。会社内で自分の地位を上げていく考え方は比較的に難しいアプローチです。
それよりも自分で道を開き、チャンスを作っていくべきだとおもいます。その為にも今の仕事から自分でビジネスを作る癖をつけたり、時間外は起業準備をしたりと活動していくことが必要です。

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日本社会人組よりもより短期間に成長できる

4月になれば何万人もの新卒社員が生まれます。そこから削り削り、勝ち組と言われる層が出来上がってきます。生存競争は激しいです。それに比べてインドネシアでは圧倒的に数が減ります。争う数は減ります。逃げていると揶揄する人もいると思いますがそうは思いませんね。考えて適切な判断をしていると。
またインドネシアで働くと日本社会組が手に入れられない能力を幾つも手に入れます。
・語学力
・多様な価値観で働ける力
・日本以外で働ける力
・早期でのマネジメント能力
・貫く力

と人により個人差有りですが、日本だとなかなか手に入れられない能力を手にすることができます。
逆に失わないように気をつけないといけない力もあります。
・納期意識
・適当な処理

まぁ、圧倒的にこの2つですね。日本人の良いところとして納期への意識と品質への拘りです。それを逆手に取って無理な納期を設定し...みたいなことはありますが、適切な納期であれば必ず守るように動けるのが日本人の良いところです。これは無くさないようにしましょう。

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全ては目的意識

海外で働こうと思ったのにはそれなりの理由がありますよね。まずはその理由を忘れないようにして欲しいです。そしてその目的に合った企業を選ぶべきです。
例えば、目的達成に向けて仕事で50%、プライベートで50%の活動をしなければならない時、仕事ではその50%を達成する為に動けばいいんです。自ずと意欲的だったり、思考力の高い言動になったりと認められる仕事が出来てくるものです。また、プライベート時間も必要なので無理に残業なんてする必要はなく切り上げればいいと思います。雇う側も安い給料で契約社員にしているわけですから下手に恩を感じる必要もありません。
やはり、海外で働く際は目的意識を忘れずにそれに実直であれば良いと思います。自分の心をきちんとコントロールして貫いていくメンタルが求められます。
周りの人たちを見て良いところを取り込もうとしても難しいケースが往々にあります。逆に取り込むとまずかったりもします。
感覚的なところで「この人に付いていきたい」と思えばそれは最高で付いていけば良いと思います。やはり目指す人、尊敬できる人がいるというのはとてもアドバンテージになります。逆に「この人はあれかも...」と感覚的に感じるのであればその感覚は間違っておらず、アドバンテージが得られない状態になります。そんな時は
・Twitter → 意識高くやってる人
・Facebook → まずは手当たりで仲間を広げる
などなどSNSを活用して外部から取り入れていきましょう。

何はともあれ、海外で働くといことは簡単ではないですし意志の強さが大事です。仕事をする為に働いているわけではないと思います。その先の成し遂げたいことを忘れずに取り組んでいきましょう。

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