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キーボード型のレバーレスコントローラーを作った

意味不明だと思いますが、タイトル通りキーボード型のレバーレスコントローラーを作りました。

キーボードはもともとレバーレスだし、単に既製品のキーボードからキーを取り除いただけのように見えますが、キーボードではなくキーボードの形の"コントローラー"というのがポイントです。

動機

筆者は普段ゲーミングキーボードを使って格ゲーをプレイしています。アケコンやパッドだと苦手なコマンドもキーボードだと難なく入力できるため、操作面ではとても快適です。

しかし、アケコンやパッド等のコントローラーではなくキーボードで格ゲーをする際に致命的な欠点が2つあります。

  1. オフライン対戦で使いづらい

  2. コンシューマー機で使えない

詳細は以下の記事に書いていますので暇な人はどうぞ(かなり長いです)。

そもそもキーボードじゃなくてHitboxやMixboxみたいなレバーレスコントローラーを使えばいいじゃん、と思われるかもしれませんが普段使っているキー配置と慣れの関係でどうしてもキーボード型じゃなきゃ嫌だったので、ガワはキーボードだけど中身はアケコン基盤という感じのコントローラーを自作することにしました。

作例を探す

筆者は機械や電子工作に全く興味がないので、何をどうすればコントローラーが自作できるのか全くわかりません。「レバーレス 自作」とかで色々検索してみるとRaspberry Pi Picoという小さなマイコンとGP2040というファームウェアを使えばアケコン基板が安く手軽に作れるというのがわかりました(ただしPS4には非対応)。また、配線もそれほど難しいものではなく、ボタンとラズパイを電線で繋ぐだけでOKということがわかりました。

たけNoこのさteし氏の記事がとてもわかりやすいです。

また、キーボードで同じようなものを作っている人はいないか探してみたところ次のような作例が見つかりました。

いずれもケースやプレートが剥き出しな感じが無骨でカッコいいですね。

実際に作ってみる

最終的には以下のものを使用してコントローラーを作りました。

  • Raspberry Pi Pico

  • USB タイプCのコネクタ(メス)

  • キースイッチ&キーキャップ×16*

  • キーボード用ケース&プレート

*GP2040は18個ピンがありますが、"HOME"と"TP/CAPTURE"という機能?は今回は不要だったので16個

その他、はんだごてやグルーガン等の工具、工作用の電線、はんだ、厚紙、ビニールテープなどの細々とした材料を使いました。

作成手順はだいたい以下の通りです。

  1. ラズパイにGP2040を書き込む

  2. キーボード用のプレートにキースイッチをはめる

  3. ラズパイとキースイッチを配線図を見ながら電線で繋げる(はんだづけ)

  4. USBタイプCのコネクタとラズパイを電線で繋げる(はんだづけ)

  5. すべて配線できたら動作確認をする

  6. 問題なければグルーガン等ではんだづけした箇所を固める

  7. キーボード用のケースの中にラズパイと電線類を押し込む

  8. プレートをケースにはめ込んでテープで固定する

4.について、ラズパイ本体についているUSBマイクロBのポートをそのまま使うのでも問題ないのですが、キーボード用ケースのUSB差し込み口にぴったりラズパイ本体を固定するのが難しかったので別途タイプCコネクタを取り付けています(作例で挙げたredditの投稿のように本体にUSBケーブルを常時繋げた状態にするという方法でも良いと思います)。USBコネクタを取り付ける場合の配線は@pomegd氏の以下の記事が参考になりました。

8.のところは、本当はネジやワッシャーを使って固定するのが良いと思いますが、ケースとプレートの種類によって固定方法が色々あって面倒なので今回はテープで固定することにしました。実際のところ、完成品ではキースイッチのある部分だけくり抜いた厚紙をケースの上に乗せて、その上にプレートを乗せた状態で固定したのですが、もうちょっとマシな方法があればなと思います。

ちゃんとネジで固定したい人は以下のリンクに@jitt009氏による詳しい説明があるので参考になると思います(筆者には難しくてよくわかりませんでした)。

できたもの

試作品

子どもの工作みたいな見た目になった

試作品は以下の既製品のキーボードを分解して中身を取っ払ってケースとプレートだけ流用して作りました。キースイッチを一つ一つ引っこ抜いていく作業が非常に面倒でした。ケースとプレートをネジで簡単に固定できるタイプだったので、その点はとても良かったです。

キースイッチにはKailhロープロファイルスイッチのピンク軸を使用しました。一番反応速度の良い=押下圧の軽いスイッチが良いだろうと思いピンク軸を選びましたが、逆に軽すぎて暴発が酷かったです。

完成品

ちょっと見た目がマシになった

ケースとプレートは以下のものを使用しました。こちらはケースとプレートを単純にネジで固定できるタイプではなかったので、間に厚紙を挟んでテープで固定しています。

試作品の反省から、キースイッチはKailhロープロファイルスイッチの赤軸にしました(最上段のキーは試作品を作るために分解したキーボードのものを流用しています)。キーキャップも丸みを帯びたものに変更してみました。

実際に使ってみたところ、今まで格ゲーに使用していたLogicool G813とほぼ同じ感覚で使用できたので自分としては万々歳です。

今後の課題

上述した通り、Raspberry Pi Pico + GP2040で作るアケコン基板はPS4には対応していないので、コンシューマー機で使えるコントローラーを作るためにはBrook Universal Fighting Board(通称UFB)などのアケコン基板を使うか、コンシューマー機対応コントローラーの基板を乗っ取る必要があります。

また、キーボード用のケースとプレートをそのまま流用していて、中は電線がゴチャゴチャしているという手作り感満載の見た目なので、筐体とプリント基板を1から設計できたらいいなと思っています。


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